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若い世代が発信できる居場所をつくる。地域の特産品やアートを全国に広める高校生バイヤー【ニコラマン・18歳】

若い世代が発信できる居場所をつくる。地域の特産品やアートを全国に広める高校生バイヤー【ニコラマン・18歳】

「気になる10代名鑑」の851人目は、ニコラマンさん(18)。地域に根付く伝統工芸品や地元の特産物を高校生の力で全国に広めようとマルシェへの参加やコミュニティ作りに取り組んでいます。高校生が自分の考えを発信できる機会を増やしたいと語るニコラマンさんに、活動の中で大切にしていることや、将来の展望について根ほり葉ほり聞いてみました。

ニコラマンを知る5つの質問

Q1. いま、力を入れて取り組んでいることは何ですか?

「いくつかのプロジェクトに携わっているのですが、特に『高校生百貨店』の活動に力を入れています。

『高校生百貨店』は、高校生が主体となって地域の伝統工芸品や地元の特産品を全国に広げようと活動している団体です。マルシェへの参加や、実店舗の運営をしながら、バイヤーとしてマーケティングやPRをしています。作っている方の思いをより多くの人に届けるため、生産者の方に直接お話を聞きに行くこともあるんです。

最近では、京都で作られている無添加ジャムや野菜、学生が作ったアートをマルシェで展示しました。全国の高校生が100人ほど参加していて、各地で築いたコミュニティの輪をつなげていきたいです」

Q2. 活動するうえで、大切にしていることは?

「高校生ひとりひとりが『イノベーター』となって、自分の考えや価値観を伝えられるコミュニティをつくることです。自分のやりたいことや感じていることを明確にして、言葉や形で発信している高校生は少ないと感じていて。『高校生百貨店』のコミュニティでは、それぞれが思いを形にしながら、挑戦できる環境を作っていきたいです。

あとは、地域で活躍されている地元の生産者の方や農家さんの想いをしっかりと汲み取ることです。直接会って、話を聞くからこそ、触れられるものや感じられるものが必ずあるんです。オンラインでなんでも済ませられる時代だからこそ、遠くてもしっかりと足を運ぶことが大切だと思っています」

Q3. 活動をしている中で、印象的だった出来事は?

今日しているネクタイとの出会いは、とても印象に残っていますね。

岐阜県で開催されたマルシェに出店した際『ひだまり創』という福祉関連の方々が出店していました。マルシェが終わる直前に、たまたまブースをのぞいたら、このネクタイが目に飛び込んできたんです。地元の80代の男性が、手塚治虫にあこがれて描いた漫画をネクタイにしたものらしくて、ふるさと納税の返礼品にもなっていると伺いました。

後日、活動の打ち合わせのために行った病院で、このネクタイと漫画が展示されているのを見つけたんです。地元の方が手掛けたものが地域の資源として根付き、人々に受け継がれているのを感じました。

それ以来、このネクタイはお守りのような存在だと感じるようになって、ほぼ毎日つけています」

Q4.新たに挑戦していることはありますか?

病院の中に小さなデパートを設置するため、『一般社団法人 病院マーケティングサミットJAPAN』の方と一緒にプロジェクトを進めています。いまある病院の売店は便利だけど、彩りが少ない気がしていて。楽しんで買い物ができる場所ではないと思っているんです。

医療の分野は、高校生や若者が介入しづらいと実感してもいます。『高校生百貨店』の活動のひとつとして、新しい視点からアプローチをしていきたいです。

離れた地のものを近くで実際に手に取って触ってもらう、『遠くを近くに』という高校生百貨店のコンセプトを活かした店舗を、病院にもつくっていきたいです」

Q5. 今後の展望は?

高校生が、自分の考えを伝えながら挑戦できる機会を増やしていきたいです。

そのために、熱意ある高校生を見つけながらコミュニティの輪を広げて、『高校生百貨店』が全国に根付くように取り組んでいきたいと思っています。医療現場でも、地域住民の方々の想いを若い人たちがしっかりと汲み取って、伝えていける場所をつくっていきたいです。

また、自分自身も考えや行動に責任をもって、言葉で伝えられる大人になりたいと思っています。人とのコミュニケーションを通して、自分の考えをしっかり言葉にして、伝え続けられる人でありたいです」

ニコラマンのプロフィール

年齢:18歳
出身地:大阪府岸和田市
趣味:知らない人に話しかけること、情報収集
特技:場に馴染む、遅刻する、長時間歩く、英語を話す
大切にしている言葉:自分を特別だと思ってはいけない

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Photo:Nanako Araie
Text:Serina Hirano

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Serina Hirano

エディター/ライター

東京と静岡の二拠点生活。リアルを懸命に生きている若者を応援するため、パラレルワーカーとして活躍中。インタビュー記事を基点とし、学生やスターアップ企業、まちづくりの領域まで幅広く活動しています。ライター兼ディレクターとして、2024年からsteenzに携わる。

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