Steenz Breaking News

アフリカの人は休日に何をしているの?ウガンダ人に聞いてみた【Steenz Breaking News】

アフリカの人は休日に何をしているの?ウガンダ人に聞いてみた【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、ウガンダ在住のZ世代ライターが、ウガンダに住む友人たちに聞いた「休日の過ごし方」についてお伝えします。

ウガンダ人の休日の過ごし方って?

赤道直下に位置する、東アフリカのウガンダ共和国。暑いイメージがあるかもしれませんが、海抜約1200mの高地にあるため、年間を通して気温は25〜27度と、実は日本の初夏や秋のような、過ごしやすい気候なのです。

さて、秋も深まる日本では、休日には紅葉を見に出かけたり、秋の味覚を楽しんだりとやることが盛りだくさんな人も多いのではないでしょうか。今回は、筆者の住むウガンダで、現地の人がどのように休日を過ごしているか、インタビューした内容をお伝えします。

歌手をしながら、法律も学ぶパワフルな女性。休日もステージで大忙し!

最初に話を聞いたのは、ウガンダで歌手として活動する女性です。彼女にとって、休日は「一生懸命働く時間」なのだそう。

バンドのボーカリストとして活躍している彼女。金曜日と週末は、ローカル向けのバーや、中国系のホテルでバンドのパフォーマンスをおこないます。自分の故郷であるジンジャという地域で話されているルソガ語と、ウガンダの主要語であるルガンダ語の、両方を使った歌を作っていると教えてくれました。また、歌詞は感情的になったときにアイディアが浮かぶのだとか。人生や恋愛、自然、信仰についての内容が多いのだそうです。

2014年に歌手活動を始めた彼女ですが、ウガンダでは音楽だけで生計を立てていくのは難しく、法律の勉強もしています。そのため、歌手活動をしながら最高裁判所や国土交通省で働くという、二足のわらじで暮らしていたときもあるのだそう。「音楽と法という全く異なる世界の人々と働いているから、自分がふたつの異なる性格をもっているように感じるときがある」と話してくれました。

ただ、最近は音楽活動に集中できているそうで、会社勤めよりスケジュール的な自由度が高い生活に満足しているようでした。

漁師には休日なんてない!最近では魚より観光がお金に

続いて話を聞いたのは、隣国であるルワンダとの国境近くに位置するブニョニ湖で、漁師をする男性です。「漁は天気に左右されるため、休日は特にない」と教えてくれました。

もともとブニョニ湖に魚は生息していませんでしたが、昔、ティラピアやザリガニ、ナマズなどが放流されたため、現在は漁ができるようになりました。カゴ編みのバスケットや網を使った、伝統的な漁獲技術が使われています。

ブニョニ湖付近で生まれ育った人々は、ほとんどが農家か漁師になり、重要な交通手段である船の漕ぎ方を熟知しているのだそう。漁師の使う船は、丸太をくり抜いたシンプルな形で、手作りのオールを使って器用に船を操縦し、獲物を探します。

しかし、最近では、魚を売って数百円を稼ぐより、観光客を船でホテルまで送る方が数倍多く稼げるため、仕事を変える人も多くいると言います。彼も、漁業がうまくいかない日は積極的に観光客の送迎をして、1000円ほどを容易に稼ぐと教えてくれました。

休日は仕事から離れてリラックスする時間

最後に話を聞いたのは、映像作品の音楽プロデューサーをつとめる男性です。彼は「休日は静かで平和な時間を過ごすのが好き」と教えてくれました。

まず、朝はランニングに行き、近所のエチオピア人街へコーヒーを飲みに行くと言います。毎日欠かせないコーヒーを飲みながら、音楽を聴き、新しい音楽制作のためのインスピレーションを得るのだそう。

日中は頻繁に、友達の家でハウスパーティーや誕生日パーティーが開かれるため、ワインなどを持参して参加します。ウガンダでは、誕生日パーティーや結婚式に、友達の友達の友達までもが参加することもあるため、頻繁に招待状が届くのだそう。

パーティーがない日は、お昼ご飯は近所のローカルフードを食べ、帰宅してからは犬と遊んで、夕陽が綺麗な近所を散歩します。夜は、ウガンダの主要言語であるルガンダ語で歌われるライブミュージックイベントに行くことが多く、毎度、新たな才能あふれるアーティストに出会うのが楽しみなのだそうです。

休日の概念もさまざまなアフリカ

「仕事のない休日は休む」という生活はアフリカではあまり一般的ではなく、そもそも休日の概念がなかったり、休日も働いていたりする人がいることがわかりました。アフリカの多くの国では、いわゆるサラリーマンのような雇用形態で働く人が少ないため、休日の概念がないことが多いようです。ただ、グローバル企業のアフリカ進出が活発でもある昨今。さまざまな国の文化や働き方、雇用が広がることで、今後、人々のライフスタイルは変わっていくかもしれませんね。

TextHao Kanayama

SNS Share

Twitterのアイコン

Twitter

Facebookのアイコン

Facebook

LINEのアイコン

LINE

Hao Kanayama

ライター

16歳、初アフリカ大陸上陸。19歳、アフリカ10か国放浪。20歳、ウガンダ移住。ウガンダの現地の会社とNGOの職員として、ストリートチルドレン、シングルマザー、薬物中毒者、孤児の支援を行う。不条理で不都合な世界だけど、その先にある希望を求めて歩き続ける、アフリカの人々の暮らしをわたしの目線から伝え続けたい。少数民族と木登りとテクノがスキ。

View More