「気になる10代名鑑」の837人目は、及川晏朱さん(19)。ライブカメラマンとして、バンドのライブ写真や、ミュージックビデオの監督、ジャケット制作まで幅広く手がけています。撮影だけでなく、現場でのコミュニケーションなど、撮影の過程にもこだわる及川さんに、活動のきっかけや将来の展望についてお聞きしました。
及川晏朱を知る5つの質問
Q1. いま、いちばん力を入れている活動は?
「日本大学の芸術学部映画学科で学びながら、カメラマンとして、バンドのライブの写真や、ミュージックビデオの撮影をしています。もともとピアニストをめざしていたのですが、高校生のころから、人を写す側の世界に惹かれるようになって。いまでは、写真だけでなく、ミュージックビデオの監督やジャケット制作など、すべて自分ひとりで担うこともあります。
現場に行ったら、必ずバンドのメンバーの人とじっくり話すことを意識していて。親しくなったときに見えるふとした瞬間の表情や、自分だからこそ引き出せる自然体な魅力を引き出せるよう、工夫しているんです。
大学では、ドラマや映画のシナリオ作りや撮影に挑戦しています。写真と映像に触れない日はないくらい、創作漬けの毎日ですね」
この投稿をInstagramで見る
Q2. 活動を始めたきっかけは?
「高校時代の友人から、バンドのライブ撮影を頼まれたことがきっかけでした。当時は、大学にも進学したばかりで、仕事用のカメラも持っていなくて。ただ趣味として、撮影を楽しんでいたんです。
でも、気づいたら現場に飛び込んでいました(笑) そこで、バンドメンバーと話したり、沢山の人に出会える面白さを初めて知ったんです。当時はなぜか緊張しなかったけど、いまは仕事中ずっと緊張していて。一瞬しかないベストな瞬間を逃さないように、常に気を張っています」
Q3. 活動をする中でつらかったことは?
「スランプになったときがあって。現場に行ってただ淡々と写真を撮るだけで、新しいカメラワークもなかなか生まれなかったときは、苦しかったです。
でも、行動しないと状況は変わらないと思ったので、あえて撮影の依頼をたくさん受けるようにしたら、だんだん新しいアイディアが出てくるようになったんです。カメラのレンズに食品用のラップを当ててみたり、バイト先でふと目に留まった金たわしを使ったり、いままでと違った自分らしい撮り方を見つけるきっかけになりました」
この投稿をInstagramで見る
Q4. 影響を受けた人物は?
「中学生のときから、写真家の川崎龍弥さんにとても影響を受けています。人物の配置やアングル、余白の使い方が新鮮で。わたしの“好き”にピタッとハマるような写真ばかりなんです。
普通は思いつかないような、ちょっと変わった写真を、堂々とまっすぐ撮っているところが本当にかっこいいなと思います。いつか、一緒に会場を走り回りながらライブの撮影をすることが夢なんです」
Q5. 将来の展望は?
「シンプルに、私が撮った写真を好きだと言ってくれる人が増えたら嬉しいですね。
実は、カメラマンの仕事では、写真を撮っている時間よりも、相手と話している時間の方が長いんです。だから、写真はもちろん、撮る過程でも心地よさを感じてもらえたらいいなと思っていて。作品も人柄も含めて、好きだな、任せたいなと思い浮かべてもらえるようになりたいです。
バンド撮影や広告のポスター作りなども続けたいし、街中に自分が撮った写真が貼られることも、夢のひとつです」
及川晏朱のプロフィール
年齢:19歳
出身地:神奈川県川崎市
所属:日本大学芸術学部映画学科撮影・録音コース
趣味:音楽に触れる
特技:ピアノ
大切にしている言葉:何事も前向きに
及川晏朱のSNS
MIMOSA pic.twitter.com/V1JDoLwcdV
— Anju Oikawa / 及川 晏朱 (@oichan05_) September 3, 2024
この投稿をInstagramで見る
Photo:Nanako Araie
Text:Mizuki Maeda