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たくさんの人の環境への意識を変えたい!気候変動問題に3方向からアプローチする大学生【ななこ・19歳】

たくさんの人の環境への意識を変えたい!気候変動問題に3方向からアプローチする大学生【ななこ・19歳】

「気になる10代名鑑」の835人目は、ななこさん(19)。気候変動に対する社会の意識を変えるため、さまざまな団体で活動をおこなっています。興味をもったことへの行動力と、志を同じくする仲間とのつながりを大切にしていると語るななこさんに、いまの活動やこれからのことについて、詳しく聞いてみました。

ななこを知る5つの質問

Q1.いま、いちばん力を入れている活動は?

社会全体の、気候変動に対する意識を変えることを目標に、3つの活動に携わっています。

最近では『未来のためのエネルギーを考えようキャンペーン』という活動に参加しました。あまり知られていないんですが、東急電鉄って実質、再生エネルギー100%で走っているんです。それを広めるために、大学生5人で、東急電鉄の各駅にモザイクアートを掲示する活動をしています。11月1日から1月5日まで、東急電鉄の全駅に、ポスターが掲載される予定です。

高校生のときに始めた『Fridays For Future(以下、FFF)』での活動にも力を入れていて。スウェーデンの環境活動家である、グレタ・トゥーンベリさんの活動に賛同する団体で、世界中に支部があるんです。高校生のころは『FFF Nagoya』に所属して、街頭でのスタンディングなどに参加していました。いまは、住んでいる広島に支部がないので、オンラインでの活動を中心にしています。

大学生になってからは『Climate Live Japan』という団体の活動にも参加して、イベントの企画と運営をおこなっています。あらゆる人を気候変動問題の解決に巻き込むことを目的に、ライブの開催をはじめ、FUJI ROCKやアースデイなどの音楽イベントにも、ブースを出店しています」

 

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Q2.活動を始めたきっかけは?

中学2年生のときに『アファンの森の物語』という本を読んだことです。長野のブナの森の再生に取り組む人の話で、本をきっかけに気候変動に問題意識をもつようになりました。もともと自然が身近にある環境で育ったことも、影響したように思います。

その後、高校1年生のとき、イギリスで開催された「国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)」に参加している同世代の人をみて、強い衝撃を受けて。自分にもできることがあるんじゃないかって思うようになったんです。そこで、新聞で知った『FFF Japan』と『FFF Nagoya』の Instagramのアカウントにいきなりメッセージを送って、加入しました。加入から半年後には、気候変動問題を訴えるマーチを企画して。それから、中心メンバーとして企画などに携わるようになりました」

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Q3.活動の中で、悩みがあれば教えてください。

活動をする中で、なかなか人の意識って変えられない、社会ってなかなか変わらない、という現実に直面するときがあります。

わたしたちが訴えている問題と、社会が分断されていて、気候だけがどんどん悪い方に変わっていく感覚がずっとあって。自分がやっていることが本当に意味があることなのか、自信がもてなくなるときもあります。でも、そういうときには、一緒に活動している仲間と話すと気持ちも整理できて、がんばろうと思えるんです。仲間の存在は本当に大きいなと思います」

Q4.これまでに印象に残っている出来事は?

去年の春に『民主主義ユースフェスティバル』というイベントに参加するため、初めてひとりで東京を訪れたことです。

政治や社会課題について政治家の方などと気軽に話せるイベントで、いままでzoom上でしか会えていなかった人と実際に会ったり、議員の方にお話を聞けたりと、とても貴重な経験ができたなと感じています。当時は、生まれ育った岐阜から活動に参加していたんですけど、オンラインでの交流が多くて。オンラインでも十分活動できると思っていたけど、実際に会って話す方がコミュニケーションが取りやすく、お互いの関係や理解も深まるんだなって。対面で会うことの大切さに気づきました」

Q5.今後の展望は?

『普通』に暮らしていても、気候変動が引き起こされない社会のために、何かしらの形で貢献していきたいです。

例えば、みんなが好きに暮らしていても地球へのダメージが抑えられるよう、普段使う電気や移動のために乗る電車や飛行機など、すべてが再生エネルギーになるのが理想ですが、それが難しいのが現状で。勉強不足、知識不足を感じることもたくさんあります。自分自身の行動はもちろん、たくさんの人の環境への意識を変えるために何ができるのか、活動を通して考えていきたいです」

ななこのプロフィール

年齢:19歳
出身地:岐阜県
所属:広島大学, Climate Live Japan, Fridays For Future, 未来のためのエネルギーを考えようキャンペーン
趣味:音楽を聴くこと、スポーツ観戦
特技:ピアノ
大切にしている言葉:緊張しているのは今までよりも頑張ろうとしている証拠

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Text:Manami Tanaka
Photo:Nanako Araie

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Manami Tanaka

2003年生まれ。千葉県出身。立教大学文学部日本文学専修に在学中。「エモい」という言葉に違和感を持ったことをきっかけに、古きを懐かしみ、新しきに出会うためのZINE「Kaico」の制作を始める。大学では大正期の少女雑誌を研究中。2024年より、ライターとして「気になる10代名鑑」のコンテンツ制作を担当。

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