「気になる10代名鑑」の838人目は、井塚杏奈さん(17)。学生起業家をめざしながら、アントレプレナークラブの代表としての活動や、起業家体験イベントの運営をしています。「運営としても、プレイヤーとしても、常に学びつづけながらアクションを起こしていきたい」と語る井塚さんに、活動をはじめたきっかけや、将来の目標について聞いてみました。
井塚杏奈を知る5つの質問
Q1. いま、力を入れて取り組んでいることは何ですか?
「学生起業家をめざしながら、起業家を増やすためのイベントやコミュニティを企画運営するなど、幅広く活動しています。
通っている高専では、学生の起業家精神を養うための活動をおこなう『長岡高専アントレプレナークラブ』の代表をつとめています。また、『Startup Weekend』という起業家体験イベントを開催する団体の、長岡版の第3開催で、企画や運営をするリードオーガナイザーとしても活動中です。
アントレプレナークラブでは、学生の起業家精神を養うために、部内でビジネスコンテストを開催したり、起業に必要なスキルを培うイベントを企画したりしています。
『Startup Weekend』では、最初は一般参加者としてイベントに参加していましたが、最近は、イベントに運営として関わるようになりました。
たくさんの人にワクワクを届けたい、頑張っている人を応援したい、という思いで活動しています」
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Q2. 活動を始めたきっかけは?
「わたしが中学生のときに、渋谷修太さんという起業家を新聞で見て、こんな生き方があるんだって衝撃を受けたことがきっかけです。そのときに起業家という存在をはじめて知って、わたしもこんなかっこいい生き方をしてみたいって思ったんです。
そこで、起業に向けて力をつけたいと思って、高校2年生のときにアントレプレナークラブに入部しました。
代表をつとめるようになったのは、その年の夏ごろです。実は、比較的新しくできた部活だったので、1年ごとに規則や運営方針が変わってしまっていて、迷走気味だったんです。そこで、わたしが部活を立て直さなきゃ! という気持ちで立候補しました。コミュニティ運営やイベント企画にも興味があったので、なんだか面白そうだなって思ったんです」
Q3.活動を続けている中で、印象的だった「体験」を教えてください。
「高校1年生で『Startup Weekend』の起業家体験イベントに初めて参加したときのことです。
実際にビジネスやサービスを考えて、ヒアリングなどをおこない、最終的にはプレゼンテーションをして優勝者を決めていくイベントなのですが、参加してみると、プレゼンテーションどころか、タイピングすら全然できなくて……。『わたしって、なにもできないじゃん』って、無力な自分にすごく悔しくなりました。そこで、自分を変えるために、自分の改善点や足りない部分について、もっと深く考えるようになっていったんです。
『Startup Weekend』の、県内はもちろん、県外や、ときには海外のイベントにもたくさん参加して。何度も優勝できるくらい、成長することができました。たぶん、18歳以下では最多の参加記録を持っているんじゃないかな。
イベントにたくさん参加したことで、ビジネスの知識がついたのはもちろん、短い時間で簡潔に提案する『ピッチ』や、プレゼンテーションが大好きになりました。好きなことを見つけられたし、自分が成長していくきっかけになったので、すごく印象に残っていますね」
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Q4.活動をする中での、苦悩や困難を教えてください。
「チームやコミュニティをつくりあげていくことは、楽しいですが、つらいこともあります。なんでも人任せにする人が出てきたり、前向きに頑張っている人もいれば、そんな人たちにネガティブなイメージを与えていく人もいたり……。アントレプレナークラブも、『Startup Weekend』も、どうすればいいかを探りながら運営しています」
Q5. 将来の夢は何ですか?
「起業を通して、世界をもっとよくしていきたいです。そのために、まわりの人間を巻きこんでいって、もっと“起業家のたまご”を増やしていくことも、目標のひとつです。
行動をしつづけたら、わたしたちのアクションはきっとだれかに届いて、未来がもっとよくなると思うんです。そんなきっかけを、わたしのまわりから起こせたら、と考えていて。運営側としても、プレイヤーとしても、常に学びつづけながらアクションを起こしていきたいです」
井塚杏奈のプロフィール
年齢:17歳
出身地:新潟県新潟市
所属:長岡高専 物質工学科、長岡高専 アントレプレナークラブ、Startup Weekend長岡vol.3、ユニコーン起業部、NaDeC広報部
趣味:旅、バイオリン、ピアノ、ギター
特技:楽器、円周率、人の名前と顔を覚えること
大切にしている言葉:No Talk, All Action!
井塚杏奈のSNS
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TEDx Otedori運営してきました!
昨年もTEDx Suzuran Streetに関わらせていただきましたが、やっぱりいい人はいい人を呼ぶし、本当に良いチームだなぁと感じました〜 pic.twitter.com/dH9ztVQli5— ANNA Izuka ≡✈︎ (@gokigen_Y0) August 31, 2024
★note
Photo:Nanako Araie
Text:Mao Kawasaki