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沖縄旅をエシカルに楽しむ!世界自然遺産・西表島で広がるエコツーリズム【Steenz Breaking News】

沖縄旅をエシカルに楽しむ!世界自然遺産・西表島で広がるエコツーリズム【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、沖縄・西表島が取り組むエコツーリズムついてご紹介します。

西表島ってどんな島?

沖縄県の八重山諸島に属する西表島は、県内で二番目に大きな島で、人口は約2,400人、石垣島からフェリーなどでアクセスします。ほぼ全域が国立公園に指定されており、サンゴ礁に囲まれた約130㎞の海岸線、およそ9割を覆う森林、日本最大規模のマングローブ林など、豊かな自然環境と出会える場所であり、またイリオモテヤマネコをはじめとする、希少な動植物の生態域としても知られます。

求められる持続可能な観光

2021年7月には、生物多様性を大きな理由として「ユネスコ世界自然遺産」に登録された西表島。地域の環境を守りながら、島外から多くの人が訪れる観光と両立するにあたって、課題を抱えてもいます。

そのひとつが、京都や北海道のニセコなどでも問題となっている、受け入れ能力を超えて観光客が押し寄せる「オーバーツーリズム」。西表島でも、観光客が運転する車によるイリオモテヤマネコのロードキル問題や、観光のための開発とそれにともなう自然環境の変化、さらに滞在者の増加によるごみ問題といった課題があります。

そんな状況を受けて、西表島では、持続可能な観光を実現するため、さまざまな取り組みが広がっています。今回は、実際に現地へ足を運んだ筆者のレポートを交えながら、西表島のエコツーリズムの事例をご紹介します。

日本初のエコツーリズムリゾートをめざす「星野リゾート 西表島ホテル」

まずご紹介するのは、「星野リゾート西表島ホテル」の取り組み。島の自然を守り、持続可能な観光の仕組みをつくるべく、日本初の「エコツーリズムリゾート」をめざしています。

主な取り組みは、大きく3つ。ひとつめは、ペットボトルや使い捨てのプラスチックを削減する、エコロジカルなホテル運営です。例えば、宿泊者にはボトルの貸し出しがおこなわれ、館内には無料のウォーターサーバーが設置されています。マイボトルの持ち込みも歓迎されていて、「ペットボトルフリー」を実現するシステムが構築されていました。また、歯ブラシやクシなどの使い捨てされるアメニティも、提供自体を取りやめるなど、資源の無駄づかいやごみの排出をなくす「ゼロウェイスト」に貢献しようとするホテルの姿勢が伺えます。

ふたつめが、西表島の魅力や価値を感じられるネイチャーツアーの開催。生物多様性に富んだ島の魅力を知ってもらい、自然を後世に受け継ぐため、「イリオモテヤマネコ痕跡ツアー」や、マングローブについて学ぶツアーなどが実施されています。観光客の安全確保や自然環境保全の知識を豊富にもつ観光案内人が、ガイドとしてツーリストをサポートしてくれます。

3つめは、絶滅危惧種であるイリオモテヤマネコの保護活動。観光客やツアーの増加に伴い、道路に飛び出したイリオモテヤマネコが車に轢かれてしまう「ロードキル」は、ユネスコの委員からも対策を求められてる、西表島が抱える大きな課題です。西表島ホテルでは、ツアーの開催をはじめ、館内における注意喚起の掲示、イリオモテヤマネコの保護につながる土産品の販売などもおこなっています。

滞在することがサステナブルな活動につながっていたり、楽しみながら環境保全について学べたりする、西表島ホテルの取り組み。エコツーリズムに興味があっても、何から始めたらいいかわからないという方は、エコツーリズムへの入口として、こうした取り組みをおこなっているホテルを探してみるのもおすすめです。

GO ETHICAL!なプロジェクト「Us 4 IRIOMOTE」

 

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続いてご紹介するのは、西表島の自然と文化を継承していくために、ツーリストひとりひとりの行動を促すプロジェクト「Us 4 IRIOMOTE(アスフォーイリオモテ)」。企業や団体の枠組みを超えて、西表島のサステナビリティを支援するため、アウトドアブランドの「KEEN」を中心に、2019年より展開されてきました。

本プロジェクトでは、西表島で活動するNPO団体の支援に加え、ツーリストに向けたマナーやエシカルな行動の啓蒙活動などもおこなっているそう。具体的には、西表島の豊かな自然と暮らしを記録したドキュメンタリー映画『生生流転』の制作や、エシカル旅の企画、ガイド向けの講習、音声コンテンツ「エシカルラジオ」の配信など、活動は多岐に渡ります。

また、先ほどご紹介した西表島ホテルにも「Us 4 IRIOMOTE」のグッズを販売するコーナーを見つけることができました。売上の一部が寄付になるチャリティーグッズで、アウトドアブランドならではの機能性、おしゃれなデザインが印象的でした。

西表島からサステナブルな旅をはじめよう

西表島のエコツーリズムには、他の土地でも実践可能なアイディアやヒントが多くあります。今回ご紹介した事例を参考に、次の旅行で実践できるエコツーリズムについて考えてみてはいかがでしょうか。

References:
星野リゾート 西表島ホテル
「Us 4 IRIOMOTE」

Text:kagari

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Kagari

ライター/エシカル・コンシェルジュ

フリーのライター/エシカル・コンシェルジュ。学生時代、100本以上のドキュメンタリー映画を通して、世界各国の社会問題を知る。事務職を経て独立後、ソーシャルグッドに関連する記事を執筆。都会暮らしからはじめるエシカルな暮らしを実践中。 Twitter:@ka_ga_r_i Instagram:@kagari_ethicallifejapan

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