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ミュージカル『ラグタイム』に影響を受けて。エンタメでは終わらない演劇の意義を追求する舞台俳優【辻柚花・17歳】

ミュージカル『ラグタイム』に影響を受けて。エンタメでは終わらない演劇の意義を追求する舞台俳優【辻柚花・17歳】

「気になる10代名鑑」の816人目は、辻柚花さん(17)。3歳で始めたバレエをきっかけに、ダンスや歌などの表現に没頭し、舞台俳優として活動を始めました。演技に取り組む辻さんに、大切にしていることや将来の展望について、詳しく聞いてみました。

辻柚花を知る5つの質問

Q1. プロフィールを教えてください。

小さいころから舞台に立って、現在も俳優として活動しています。

人種差別をテーマにした作品を観たとき、すごく衝撃を受けて……。『自分も世の中のために何かしたい』と思ったのをきっかけに、世界中の人から手紙を集めて交換し合う『Dreaming up!』という活動を立ち上げました。いまは、リーダーとして広報活動に力を入れています。

社会の問題はもちろん複雑で、戦争や差別も簡単に解決できるものではないけれど、争いごとがある国に友達が住んでいたら、みんなもっと考えや行動に優しさが生まれるはず。その影響で、問題を解決したいと思う人が増えるんじゃないかなと思います」

Q2. どんなことをテーマに活動していますか?

嘘のないお芝居をすることを意識しています。

俳優の井上芳雄さんの著書に、『自分が既に持っているものでないと芝居はできない』という内容の言葉が書いてあって。それを読んだときから、たとえ自分と正反対の性格の役を演じるときでも、キャラクターが抱くひとつひとつの感情の原因まで遡って考えてみたり、自分に置き換えてみたり、すべてのセリフに共感できるまで、台本を読み込んでみたりするようになりました。

自然なお芝居に近づけるためには、お客さんには見えない部分まで、作り込むことが大切だと思っています」

Q3. これまでに影響を受けたものは?

『ラグタイム』という、アメリカの人種問題を題材とするミュージカルです。教科書でさらっと読んだだけでは歴史が入ってこなかったけど、舞台で観ることで、自分がその時代に入り込んだような感覚になって、心に何かがグサっと刺さったんです。

見終わったあと、『この問題、まだ解決していないんだ……』という不思議な気持ちがあふれてきました。主人公のまわりを囲む役者さんがいることで、記録に残らなくても、時代を動かした人がたくさんいることも知って。

エンタメだけではない、芸術としての舞台の可能性に気づいたことで、舞台を通じて歴史を伝えたいという目標ができたんです」

Q4. 活動の中で、悩みがあれば教えてください。

小さいときから大人に囲まれながら活動してきたこともあって、いまでも、大人と子どものどちらの自分でいればいいのか、わからなくなるときがあります。

オーディションのときに、年齢制限があって興味がある役に挑戦すらできなかったり、子ども扱いされることもあります。でも演技のときは、経験のある大人と同じ質を求められるんです。大人と子ども狭間で迷いながら、日々自分が出せるベストを尽くすようにしています」

Q5. 将来の展望は?

舞台を見てくれたお客さんの日常の支えになるような、心に余韻が残るお芝居ができるような俳優になりたいです。

それ以外にも、『Dreaming up!』の活動を進めたり、歴史上の出来事を舞台で語り継いでいくことで、少しでもみんなが安心して夢を言葉にできるような社会に近づけたいと思っています。

そしていつかは、ブロードウェイのトニー賞に出演し、世界を舞台にした俳優になれるように、いまはいろんな役に挑戦していきたいです」

 

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辻柚花のプロフィール

年齢:17歳
出身地:東京
所属:STEAM プロジェクト、Dreaming up!
趣味:ミュージカル鑑賞、映画鑑賞
特技:歌
大切にしている言葉:一期一会、自分らしく

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Photo:Nanako Araie
Text:Mizuki Maeda

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Mizuki Maeda

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