
タイムリーな話題から、カルチャー、さらには社会問題まで、さまざまなテーマについて、リアルな10代の声を聞くシリーズ「10代リアルVOICE」。
今回のテーマは「いま気になっているニュース」について。国内のみならず、国外のニュースまでもが溢れている昨今。いまを生きる10代は、どんなニュースに興味関心をもっているのでしょう。最近、気になった時事問題について4人のティーンに聞いてみました。
1. Miyabimaruさん「紛争に関するニュースを、積極的に知っていく必要があると思っています」

19歳。自分のつくったゲームで自然について考えてもらいたいという思いで、高校生のころからアニメーションや3DCGの映像制作をしながら活動中。
「ロシアとウクライナの紛争が再び激化しているというニュースが気になっています。
すでに、勃発してから2年ほど経過していますが、なかなか収まる兆しが見えないまま、戦争は続いています。海外のニュースで、ロシア製の無人機が侵攻していることや、ウクライナへ大規模攻撃があり、被害が多く出ていることを知りました。どちらの国がどうという話ではなく、同じ地球上で戦争が続いているという事実から、目を背けるべきではないと思っています。
日本で流れるニュースは、事後的な報道が多く、取り上げられている時間も長いと感じません。自分から積極的に、情報を調べていく必要があると感じています」
2. 村上太栞さん「中東の戦争が世界にどのような影響を及ぼすのか気になっています」

17歳。アフリカ・ルワンダへの留学経験から既存の援助とは違った新しい形の国際協力の必要性を感じ、得意のアートと掛け合わせた商品販売や展覧会をルワンダで開催。
「いま気になるニュースは、中東の安全保障についてのニュースです。イスラエルやレバノン、ヒズボラ、イランなどの各国の対立関係が強まっているといわれている中で、これから中東の情勢にどう影響を与えていくのか、とても気になります。
世界全体が良くない方向に向かっているように思えて、他人事には感じられません。いま、このタイミングで戦争が始まってしまうかもしれない……みたいな、やり場のない不安があります」
3. 小磯由衣さん「為替や円安に関するニュースが気になっています」

17歳。「K-POPのように、国境を越えて人々を魅了するエンタメをつくりたい」という思いで、高校に通いながらフリーペーパーの記者やインターンなどで活動中。
「為替のニュース、特に円安に関するニュースには、ずっと注目しています! 1ドルが160円を突破したときに、ちょうど韓国とアメリカへの研修を控えていて。そのときは絶望していました。韓国に行ったときはちょうど円安のピークだったので、両替したときに、とても悲しくて。そのあと、夏休みにアメリカに行ったときには、かなり回復していました。
円安の影響から、インバウンドが増えるのはありがたいと思う一方で、海外に行くのが好きな立場からすると、ほどほどで収まってほしいなと感じることがあります」
4. 春原崇寿さん「お米が不足しているというニュースが印象に残っています」

17歳。困っている誰かのきっかけになれるような仕組みをつくりたいという思いで、古着の全身コーディネート販売をしながら活動中。
「最近のニュースで気になったのは、全国的にお米が不足しているということです。
日本は、米の自給率がほぼ100%といわれている中で、日本人にとってのライフラインでもあるお米が足りなくなっているという事実に、とてもおどろきました。
備蓄米は、万が一のときのものでもあり、切り崩すには大変なリスクだと思います。いまも、新たな台風が発生する可能性がある中で、このニュースがこれからどうなっていくのか、とても気になります」
いまの10代は、身のまわりで起きていることに加え、日本と離れた地で行われている紛争に対しても目を背けず、自分事として向き合っていることがわかります。メディアで大きく流れているニュースだけではなく、さまざまな視点から、自らの力で情報を収集する力がある10代が、今後ますます増えるかもしれませんね。
Photo:Nanako Araie
Text:Serina Hirano