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ビジコンにも多数出場!新しいシステムを生み出して「物流の2024年問題」を解決したい【近藤汰津樹・18歳】

ビジコンにも多数出場!新しいシステムを生み出して「物流の2024年問題」を解決したい【近藤汰津樹・18歳】

「気になる10代名鑑」の793人目は、近藤汰津樹たつきさん(18)。物流の人手不足から起こる『2024年問題』に着目。ビジコンにも多数出場し、その問題を解決できるような、新しい物流システムについての起業を計画しています。「いつかは全国に普及し、利用されるシステムをつくりたい」と語る近藤さんに、活動の姿勢や今後の展望について聞いてみました。

近藤汰津樹を知る5つの質問

Q1. プロフィールを教えてください。

「大学で、ビジネスや起業の講義を通して勉強しています。また、『ナガデリ』という物流システムをつくることをめざして、メンバーを集めて活動しています。UberEatsの物流版をイメージしていて、通勤や通学中の人に、物流の一端を担ってもらうんです。

物流問題について、リサーチしていくと、配達所から家までの“ラストワンマイル”に、再配達などで多くの配達員の方が苦労しているとわかって。依頼者と配達者のハブになる、駅に荷物を集めることができれば、例えば、会社に行く途中、帰る途中の“ついで”で、荷物のやり取りができるんじゃないかとも思いました。

これらのアイデアをまとめて、2年前から、『日本政策金融公庫 高校生ビジネスコンテスト』をはじめとした、いろいろなビジネスコンテストで発表しています。ビジコンでいただいた賞金を資金にして、事業スタートに向けて動いている最中です」

Q2. 活動を始めたきっかけはなんですか?

中学高校と、大学の付属校に6年間、往復2時間以上かけて通学していたんです。とにかく暇だったので、『この長い時間を有効活用することができればいいな』とずっと思っていたんです。

そんなとき、社会問題のひとつである『2024年問題』について、知りました。物流業界はいま、人も稼働力も足りていなくてくて、近い将来、いままでどおりの即日の物流サービスが難しくなってくるんです。僕自身、家を空けて何回も再配達を頼んでしまったことも思い出しました。

そこで、配達者と利用者、両方が抱える無駄を省きながら、メリットを生み出せる仕組みを作れるんじゃないかという発想から、『ナガデリ』を考えました

Q3. 活動するうえで、大切にしていることは?

行動して、出会いを大事にすることです。大学の講義、ビジコン、勉強会などを通して、さまざまな業種や立場の人に会って、自分のプランを話してみる、そして意見をいただくことを実践しています。

応援してくれる人もたくさんいますが、同時に『実際の運用は難しいのでは?』という意見もよくいただきます。第三者目線で、盲点に気づかせてくださることがとてもありがたく、そのあとはどのように改善すれば現実に近づくかを考えています。また、特にビジコンでは、尊敬できる起業家の方に出会えるので、モチベーションが上がりますし、講評をいただくことで、アイディアを実現させるための勉強になります。

面白いモノをもっているだけじゃダメで、誰に届けようとしているのか、そのモノがどんな問題を解決するのか、という根本をはっきりさせて発信しなければ伝わらないと学びました」

Q4. 自分の考えに影響を与えたものは?

ひとり旅です。ブルネイやオセアニア、タイなど、約10か国を訪れています。ひとり旅をしていると、自分の考えをゆっくり整理したり、新しいことを思いついたりするきっかけになるんです。

これから行ってみたいのはインドです。インドには、“ダッバーワーラー”という弁当デリバリーのシステムがあって。各家庭でつくったお弁当を集めに回って、それらをそれぞれの家族のオフィスまで届けるというサービスなのですが、すべて人の手で行われています。それなのに、200万件に1件しかミスがないと言われているほど高度なシステムで、うまく連携がとられながら、ちゃんと組織化しているのがすごいなって……。

何か活動のヒントが得られるよう、現地でこのシステムを見て学びたいです」

Q5. 今後の目標は?

第一の目標は『ナガデリ』を日本全国で運用することです。現時点で課題となっている、荷物の安全保証などの点について考え直して、4年以内に実装できるようにしたいです。

いつかは、日本に住む人が全員利用するほどに、普及するサービスを開発して運営する起業家になりたい。ビジネスとして利益を上げることではなく、自分でやっていてワクワクするような、スケールの大きい起業がしたいんです。

自分の考えたアイディアが形になって、いいものだと認められたり、たくさんの人の生活の一部になったりすることは、やっぱり楽しいだろうなと思います」

近藤汰津樹のプロフィール

年齢:18歳
出身:埼玉県
所属:早稲田大学商学部・F Venturesインターン・合同会社メイクラッチ代表社員
趣味:海外一人旅、ロードバイク、いろいろなモビリティに乗ること
特技:行動力
大切にしている言葉:感謝をしっかりと伝える

近藤汰津樹のSNS

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Photo:Nanako Araie
Text:Chihiro Bandome

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Chihiro Bandome

ライター

2003年生まれ、埼玉県出身。上智大学文学部新聞学科在学。自分の目で現場を見て、自分の言葉で人と話して、世界を知っていきたい。大学では、主にニュース記事の執筆を学んでいる。2023年より、ライターとして「気になる10代名鑑」のコンテンツ制作を担当。

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