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大学受験への挫折がきっかけで本気で服飾の道へ。直接見て、触れることで服への理解を深める【SOMA MOCHIZUKI・19歳】

大学受験への挫折がきっかけで本気で服飾の道へ。直接見て、触れることで服への理解を深める【SOMA MOCHIZUKI・19歳】

「気になる10代名鑑」の776人目は、Soma Mochizukiさん(19)。今年の4月に文化服装学院に入学し、工科基礎科で服づくりを学んでいます。将来は経営にも力を発揮するデザイナーになりたいと語るSomaさんに、服飾の道を志したきっかけや、これまでに影響を受けてきたものについて、聞いてみました。

Soma Mochizukiを知るための5つの質問

Q1. いま、力を入れていることについて教えてください

とにかく自己分析をしています。といっても、そこまで難しいことはしていません。たくさんの服を見て、触れて、自分がどういうデザインや素材、サイズ感が好きなのか、知りたいと思って。

服を見るときは、敷居が高いお店でも、とにかく足を運んで、なるべく実物を見て触れることにこだわっています。今はオンラインでも服が買えるけど、素材感やシルエットなど、実際に身に着けてみなければわからないことがたくさんあるので。

古着屋で店員として働いていたこともあり、お店の方とのコミュニケーションで生まれるものを大切にしたいという気持ちもあります」

 

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Q2. 活動を始めたきっかけを教えてください。

服飾の道に進もうと思ったのは、大学受験に失敗したことが直接的なきっかけです。高校生のときは、普通の大学に行くんだろう思っていました。ただ、自分のやりたいことがなかなか定まらず、悩みぬいた末に、建築学科をめざしたんです。でも、第一志望は不合格になって、浪人することにして……。

正直なところ、受験勉強では、やれることはすべてやったなと自分で納得していて、さらに勉強しようと思えなくて。年上の兄弟が、専門学校から技術職に就いて活躍している姿を見ていたのもあって、大学に進学しなくてもできることがあるという自信がなんとなくありました。

それで、本当に何が好きか、何をしたいかを考えて出した答えが、マネジメントをしながらデザイナーになる、つまり自分のブランドをもつということでした。そこから1年間、地元の古着屋でアルバイトをして、実体験として服を学び始めたんです」

Q3. これまでに影響を受けたものは?

いろいろあるけど、まずは古着。古着を見ていると、物が入らないポケットがついていたり、装飾のためだけのボタンがついていたりするんですが、そこになんというか、豊かさみたいなものを感じます。それから幾何学模様も好きで、平面なのに空間で捉える感じというか、図形や直線といったシンプルなもので構成されているのに、意外性を感じられるのが好きです。

他にも、アート全般が好きです。最近は陶芸をずっとやってみたいなと思っています。建築を見るのも好きですし、何気ない街や日常に溶け込んでいるものの姿を写真で撮ったりもしています。花も好きで、形や匂い、色など、自然につくられた姿に魅力を感じます。

関連のないものであっても、なんだかんだいつも服のことを考えてしまうので、いろいろな要素が自分のインスピレーションのもとになっていますね」

@fyi_soma #feminine #ennuie #fashioninspo #nerd #fashionstyle #greenday ♬ American Idiot – Green Day

Q4. 活動を通して、社会や未来にどんなアプローチをしたいですか?

現代だと、服づくりにおいて環境問題への配慮するのは、すでに当たり前となっています。僕は、その一歩先に立って、長く着られる服を創り上げていきたいです。そして、まだまだ理解の届かないジェンダーに関する問題にもアプローチしたいです。

ランウェイでは、メンズがスカートを履いているとファッションになるのに、街中で男性の自分がスカートを履いていると、『どうして?』と聞かれたり、冷たい視線を投げられたりすることに違和感を感じていて。服に興味をもっている人の間では、徐々にメンズとウィメンズというボーダーがなくなりつつあるように感じていますが、社会全体でボーダーをなくしていきたいと思っています」

Q5. 将来の展望は?

いまはまだ、服を創作できる段階ではないのですが、日本人の精神性を軸とした服を創作していきたいです。簡単にいうと、服づくりで自己表現をしたいと思っています。

他にも、スタイリストやモデルにも挑戦してみたい。多角的な視点から服を見ることで、服の見せ方、デザインがより良いものへとつながると思うので、やってみたいなと思います。古着屋での接客経験から、本人の良さを引き出せる、服の良さを引き出せる人になりたいです。

将来は川久保玲さんのような、経営者かつデザイナーになりたいです」

Soma Mochizukiのプロフィール

年齢:19歳
出身地:静岡県
所属:文化服装学院 工科基礎科
趣味:陶器、花、アンティークショップめぐり、雑貨店めぐり
特技:運動、スタイリング
大切にしている言葉:自分を信じること

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@fyi_somaNerd style.♬ Beanie – Chezile

Photo:Eri Miura
Text:Manami Tanaka

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Manami Tanaka

2003年生まれ。千葉県出身。立教大学文学部日本文学専修に在学中。「エモい」という言葉に違和感を持ったことをきっかけに、古きを懐かしみ、新しきに出会うためのZINE「Kaico」の制作を始める。大学では大正期の少女雑誌を研究中。2024年より、ライターとして「気になる10代名鑑」のコンテンツ制作を担当。

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