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アフリカ・ルワンダへの留学がきっかけ。アートの力で新しい国際協力を実現する高校生【村上太栞・17歳】

アフリカ・ルワンダへの留学がきっかけ。アートの力で新しい国際協力を実現する高校生【村上太栞・17歳】

「気になる10代名鑑」の721人目は、村上太栞たいしさん(17)。アフリカ・ルワンダへの留学経験を通して、既存の援助とは違った国際協力の必要性を感じて、得意のアートと掛け合わせるアクションを続けています。ルワンダでの展覧会の開催や商品販売など、精力的に活動している村上さんに、活動を始めたきっかけや将来の目標などを伺いました。

村上太栞を知る5つの質問

Q1. いま、力を入れている活動は?

「アートを用いた国際協力を、主にアフリカなどの発展途上国と日本の二拠点で実践しています。

もともと絵を描くのが趣味で、そこから、アートを用いたワークショップをルワンダで開催したり、その活動で生まれた作品を日本で展示して、利益をルワンダに還元しているんです。この展覧会は『リアル(REAL)をルワンダ(RWANDA)の地から探し歩く(WANDER)』という思いを込めて、『REALWANDER!!』と名付けました。

また、ルワンダのお土産店で出合ったバナナペーパーを使って、地元の伝統工芸品である山形和傘とコラボレーションした商品をつくる、『DressCode.inc.|外交を、拓け。』という会社を創業予定です」

Q2. 活動を始めたきっかけは?

「中学3年生のとき、授業でアフリカの貧困層の子どもが水を運ぶ映像を観て、『恵まれない人々を助けてあげたい』という使命感をもって。それで、高校2年生のとき、アフリカのルワンダに『トビタテ!留学JAPAN』という制度で短期留学しました。

いざ現地に行ってみると、子どもたちは、楽しそうにバケツの水を運んでいたんです。その様子を見て、途上国に対して『恵まれない』と先入観を持ち、人の価値観や人生に向き合わず、自身の理想像を押しつけていたんだなと気づきました。この経験をきっかけに、『自分が施しを与えてあげよう』という傲慢さを捨てることができました。

同時に、国際協力において、施しを『与える側』と『受け取る側』という、先進国と発展途上国の関係性に疑問を感じて、対等な目線に立てる支援の形を提案する活動を始めました」

Q3. 活動を続ける中で、印象的な出会いはありますか?

「横浜市・黄金町アーティスト・レジデンスで活動されている、アーティストのキム・ガウンさんとの出会いです。韓国にルーツをもつキムさんが、年齢や性別問わず人々を作品の共創に巻き込んでいく姿は、自分のめざしていた対等な支援と近いものだと感じたんです。

キムさんからは『アートとは人と人とのつながりだ』だと教わりました。現在も親交があり、めざしているアーティスト像ですし、国際協力の実務者としても憧れです」

Q4. 大変なことや悩みはありますか?

「『REALWANDER!!』の展覧会の準備は、物理的にやることがたくさんあって大変です。家族にパンフレットの折り込み作業やグッズの袋詰めを手伝ってもらったり、学校の友人と汗をかきしながら会場設営をしたりしました。ただ、楽しくできていたので、自分が人と共創して何かを生み出すのが本当に好きなんだなあと実感しました。

また、現在の国際協力のかたちに悶々とすることもよくあります。そんなときはアフリカの音楽を聴いてリフレッシュしています。現地の音楽を詰め合わせたCDが手元にあるんですが、アフリカの音楽は独特で面白いです」

Q5. 将来の夢は何ですか?

「“途上国と先進国”という色眼鏡なしに、その土地土地の人を想い合える関係性が拓かれた世界をつくることです。いまの日本は、ニュースやテレビ番組で流れる海外情報が乏しい『情報鎖国』状態だと思っていて。自分の活動を通して、発展途上国への価値観をアップデートしていきたいです。

将来は、外交官をめざしています。地元が好きだし、日本のことも大好きなので、日本と外国をつなぐことのできる外交官には憧れがあります」

村上太栞のプロフィール

年齢:17歳
出身地:山形県鶴岡市
所属:東桜学館高等学校、DressCode.(創業予定)
趣味:弓道、ギター
特技:スキー
大切にしている言葉:Sometimes you gotta run before you can walk.(時には歩く前に走ることが必要なんだ・映画『アイアンマン』のトニー・スタークの言葉)

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Photo:Nanako Araie
Text:Otoha Tanaka

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Otoha Tanaka

ライター

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