「気になる10代名鑑」の731人目は、坂本七海さん(17)。『Fridays For Future Yokohama』での活動をはじめ、環境問題へのアプローチをおこない、最近では作詞作曲にも挑戦しています。誰もが幸せであるために、みんなで一緒に環境問題について考えたいと話す坂本さんに、活動について詳しくお聞きしました。
坂本七海を知る5つの質問
Q1. いま、いちばん力を入れていることは?
「地域の活動と環境問題に関する活動、そのふたつに力を入れています。
地域の活動としては、地域の海とか山とかに関わるボランティアをしています。どんな活動をするにせよ、まずは自分の住んでいるところのことを知らなきゃと思って。自然と人々の暮らしとをつなげる活動をしている団体に所属していて、いまは11月に開催するイベントの準備をしているところです。
環境問題のほうは、学校の部活でインターアクトクラブに所属しているのと、あとは気候変動に対するアクションをおこなう『Fridays For Future Yokohama』に、中学校2年生のころから所属してます。いまは3〜4人のチームで、プラスチックごみに関するプロジェクトを立てて活動しています」
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Q2. 活動を始めたきっかけは?
「小学校4年生のとき、ビーチクリーンに参加したんですけど、そこでもらったパンフレットに、人間が捨てたゴミをウミガメが食べてしまって、苦しんでいる写真が載っていて。人間のしたことが生き物にこんなにも影響を与えているんだって思って、本当に衝撃だったんです。それが環境問題に関心をもったきっかけです。
地域の活動に関しても、環境問題への関心が背景にあるんですけど、わたしはもともと地域のお祭りとか、親戚の集まりみたいな、世代問わずいろんな人と関われる場が好きで。だけどこのまま環境破壊が進んだ未来には、自然だけでなく、そういう自分の大切にしている“人とのつながり”も失われていってしまうんじゃないかって思ったんです。
だから、環境問題に対して取り組むなら、人のつながりとか、地域の海とか山とか、当たり前にあるからこそ、なかなか気付けいなものの大切にできる活動をしたいなって思って。そのために、地域のボランティアなどの活動を始めました」
Q3. どんなことをテーマに、活動をしていますか?
「『Fridays For Future Yokohama』に入ったばかりのころは、具体的に何をやればいいのか、全然わからなくて。最初はスタンディングをしたりパレードを企画したりしていたんですけど、あまりしっくりこなかったんです。
そこで、同世代のメンバーとそれ以外の方法はないかなって話しているうちに、プロジェクトを立てようってなって。プラスチックの問題を多くの人に知ってもらうことを目的とした活動を始めました。特に、過剰包装をなくそうというテーマで動いていて、ワークショップを開いたり、すでに過剰包装をやめる取り組みをしているスーパーで、調査させていただいたりしています。
パレードとかをやっていたころは、大人の方から声をかけてもらうことで、アクションに参加することが多かったんですけど、自分たちでプロジェクトを立てたことによって、主体性を行動することができるようになってきて。力がついてきたなと感じています」
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Q4. 活動するうえで、大切にしていることを教えてください。
「みんなで“一緒に”考えるということです。
『Fridays For Future』は、地域ごとに特色があって、横浜は“with”を大切にしているんです。環境問題に向き合おうとするとき、どうしても批判的になってしまいがちだと思っていて。『いままで大人がこういうことをやってきたからいけないんだ』みたいな。
もちろん、そういう視点もあるけど、わたしは大人がどうとか、わたしたちがどうとか関係なく、『どうしたらみんなが楽しく、幸せに過ごせる世界にしていけるのか』っていうことを一緒に考えたいなって思っています」
Q5. 最近、新しく始めた挑戦は?
「いまって、環境問題について考えることが、イコール何かを諦めること、みたいな認識になってしまっていると思っていて。でもわたしは、環境問題を考えることが、幸せを考えることになってほしいんです。自然環境を守るのはあくまで手段なのであって、根底にはみんなが幸せであってほしい、笑顔であってほしいっていう想いがあるのに、それが全然伝わっていないんじゃないかなって……。
そんな想いを伝える手段として、最近、作詞作曲を始めました。わたしは小さいときからポジティブな言い換えをするのが得意だったんです。ギターもずっとやってきたし、高校生になってからは詞を書いたりもしてきたんですけど、そんな自分の得意とか好きと環境問題への関心を掛け合わせて何かできないかなって考えているうちに、歌っていいなって思って。
歌や音楽なら、多くの人に伝わりやすくて、言葉だけでは表現しきれないものも込められるんじゃないかなって感じています。だからいまは自分なりの手段として、歌を通じて伝えることを続けていきたいです!」
坂本七海のプロフィール
年齢:17歳
出身地:神奈川県平塚市
所属:Fridays For Future Yokohama、インターアクトクラブ、湘南いきもの楽校/湘南ピクニック土手の下のSDGsチーム
趣味:弾き語り、作詞作曲、お菓子づくり
特技:食レポ、ポジティブシンキング
大切にしている言葉:やるなら全力、疑問をそのままにしない
Photo:Eri Miura
Text:Fuka Hagai