「気になる10代名鑑」の725人目は、増田美菜さん(18)。子どもたちに「好き」を軸に創造性を育んでもらうことをミッションに、ものづくりの経験を提供する活動を行なっています。ものづくりの拠点を運営するためにアクションを続ける増田さんに、活動をはじめたきっかけや今後の展望について聞いてみました。
増田美菜を知る5つの質問
Q1. いま、力を入れていることはなんですか?
「子どもたちに、『好き』を軸に、試行錯誤をしながら創造性を育んでもらうことをミッションに、ものづくりやしくみづくりの経験を提供するための活動しています。
いまは、わたしが小学生のときに、飛行船づくり体験をしてくれた方々と一緒に、合同会社リスミックとして、ものづくりワークショップを企画運営したり、継続的な拠点がもてるように営業活動をしたりしています。
今年の3月末には長崎の壱岐で、小学生を対象にロボットづくりとキャンドルづくりのワークショップを開催しました」
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Q2. 活動を始めるようになったきっかけは?
「小学5年生の時に近所にできたクリエイティブコミュニティ『VIVISTOP』で、ものづくり体験をしたことです。
これまでに見たことのないようなファブ機材や自由に使える材料が置いてあって。しかも“やってみたい”と口に出したら協力してくれるような、個性豊かな大人たちがいて。夢のような空間でした。
“できたらいいなぁ”というなんとなくの妄想をきっかけに、みんなで協力しながら取り組んだ飛行船づくりが、ものづくりの楽しさに目覚めたきっかけです。
『VIVISTOP』は、資金的な課題によってクローズしてしまって。とてもショックでした。でも、あの環境が大好きだったから、ここで途切れてほしくなくて、自分で拠点を創ろう!と考えたんです」
Q3. どんなことをテーマに、活動していますか?
「ものづくり・しくみづくりが体験できる場所の良さを発信しながら、単発じゃなく継続的に活動できる拠点をつくっていきたいと思っています。子どもにとってみると、単発の活動だと、ただ楽しかったという感想に留まってしまって、創造性を育むまでにはつながらないかなって。
自分自身の経験としても、最近『名刺入れがほしいな』と思ったとき、買って済ませようと思ったんですけど、VIVISTOPのスタッフの方から『自分でつくればいいじゃん』と言われて、ハッとさせられました。
きっと『VIVISTOP』に通っていたときだったら、『つくれるものは自分でつくろう!』とすぐに思ったはず。身近にそういった環境がないと、わざわざつくることもなくなってしまうんだな……と、改めて拠点の意味を感じました」
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Q4. 活動しているうえで、悩みはありますか?
「心から納得できるような活動ができているのかわからなくなって、もどかしさを感じることがありますし、自分に向き合おうとすればするほど、自分の脆さや至らない部分ばかりが浮かび上がってきてしまい、しんどい時間はたくさんあります。
自分の考えや思想を強くもっている大人と出会うと『確かにそうかも』と感じて、自分の軸を強くもてていないぶん、自分の考えと混在してしまい、その人の考えに引っ張られてしまうこともあって……。
客観的に相手の考えを捉えられるように、うまく距離を取れるようにしなければならないなと考えています」
Q5. 今後の展望は?
「世界観をつくり出す人に憧れています。自分の人生を満たして、心地よく生きられたその先で、誰かと世界観を共有できたらいいなと思っています。
結局のところ、毎日楽しくて仕方がなかったあの拠点での日々を、わたし自身がもう一度体感したいし、それと同時に、他の人たちの人生も、ワクワクで満ちあふれるものであってほしいだけなのかも。
ビジョンやミッションを明確に発信しつつも、その裏にあるわたし自身の素直な想いも、ちょっとラフに発信することで、わたしやリスミックという組織の雰囲気に親近感をもってもらえるように、活動していきたいです」
増田美菜のプロフィール
年齢:18歳
出身地:千葉県
所属:合同会社リスミック代表、ジャズダンスサークルOasis
趣味:音楽を聴くこと、ゆるゆると文章を書くこと
特技:愛と勢いと行動力、コミュニティを広げていくこと
増田美菜のSNS
先日の壱岐でのロボットづくりワークショップに関して、今日付けの長崎新聞さんの記事に載せていただきました! pic.twitter.com/zUsh8ZP0uf
— Ⓜ️ina (@mina_ristmik) April 3, 2024
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★note
Photo:Eri Miura
Text:Honori Kukimoto