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ニューヨーク・函館・東京。3つの場所での体験や出会いから、グローバルな就業をめざす大学生【飯田光太郎・19歳】

ニューヨーク・函館・東京。3つの場所での体験や出会いから、グローバルな就業をめざす大学生【飯田光太郎・19歳】

「気になる10代名鑑」の722人目は、飯田光太郎さん(19)。ニューヨークで幼少期を過ごしたのをはじめ、函館、東京、そして再びニューヨークと、さまざまな場所で学びを重ねてきました。英語力を磨いてグローバルな活動をしたいという野望をもつ飯田さんに、海外留学で得たものや、日本の社会についての考えを聞いてみました。

飯田光太郎を知る5つの質問

Q1. プロフィールを教えて下さい。

大学でフォークロアを学んでいます。フォークロアとは、民俗学の一種です。祖父と父が骨董品を扱う仕事に就いていて、その影響もあって、興味をもつようになりました。

小学校まで父の仕事の関係で、ニューヨークで過ごして、中学のときに帰国して、函館で寮生活をしていました。その後、高校のときに留学でニューヨークで過ごして、日本の大学に入りました。いまは、大学が主催している留学プログラムに向けた勉強をしています。行き先としては、やっぱりニューヨークの大学がいいかなと思っています。

留学では、比較宗教学を学びたいなと考えています。昔から本をたくさん読んできたということもあって、宗教の物語性や、文化に強く根付いている感じがすごく面白いなと感じます」

Q2. これまでに印象的だった出来事は?

高校3年生のときのニューヨーク留学では、現地の公立高校に通っていたのですが、周囲に留学生がほとんどいないような環境で。いろんな国から生徒が集まっていて、キューバから亡命してきた人がいたり、平気で煙草を吸っている人もいたりして、良くも悪くも多種多様だったんです。

日本だと、そういう真っ当な価値観から外れていると、いわゆる“不良”とされてしまって、周囲から除外されることが多いと思うんです。でもニューヨークでは、別に否定されないというか、それはそれ、これはこれ、といった感じで受け入れて、普通に友達付き合いをしていて。それが印象的でした

Q3. これまでに印象的だった出会いは?

ニューヨークにある、日本の食品をアメリカの飲食店やスーパーに卸す問屋さんで、インターンとして2か月働いていたんですが、そこで出会った日本から人たちとの出会いは大きいです。

それぞれ、いろいろな理由で日本からアメリカに移住してきて。アメリカに夢を求めて渡米した人もいれば、日本に息苦しさを感じて、自由を求めてきたという人もいました。

当時の自分は、『日本って、景観も制度もきれいに整備されているし、いちばん暮らしやすい国じゃないかな』と思っていたのですが、いろいろな考え方や受け取り方があることに気づきました」

Q4. 社会に「こうあってほしい」と思うビジョンはありますか?

意思や考えがある人が、自分の意見を発言しにくい雰囲気があると感じていて。中学校くらいから、授業などで発言しにくい雰囲気ができている気がします。

元々そういった雰囲気に疑問をもっていましたが、はっきり違和感を感じたのは留学から帰ってきてからです。特に大学の授業だと、教授からの呼びかけに対して、誰も反応しなくて、どこか他人事のようなムードが漂っているなと感じます。

塾講師のアルバイトをしているのですが、自分が教える側に立つときも、生徒からの反応があったほうが、やっぱりいい授業になるんですよ。だから、教える側と学ぶ側のコミュニケーションはすごく大事だと思います」

Q5. 将来の展望は?

もっともっと英語力を磨いて、いずれは英語圏で働きたいという漠然とした希望があります。祖父と父が骨董品を売る仕事をしていて、それを継ぎたいなという気持ちもありますが、継がせてもらえるかどうかはわからないですね。

勉強としては、いまはフォークロアを学んでいますが、経済学とか経営学にも興味があるので、どんな仕事をするのかは、正直なところ、想像がついていないです」

飯田光太郎のプロフィール

年齢:19歳
出身地:千葉県鎌ヶ谷市
所属:立教大学
趣味・特技:合気道、筋トレ、絵を描くこと
大切にしている言葉:なんとかなる

Photo:Eri Miura
Text:Manami Tanaka

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Manami Tanaka

2003年生まれ。千葉県出身。立教大学文学部日本文学専修に在学中。「エモい」という言葉に違和感を持ったことをきっかけに、古きを懐かしみ、新しきに出会うためのZINE「Kaico」の制作を始める。大学では大正期の少女雑誌を研究中。2024年より、ライターとして「気になる10代名鑑」のコンテンツ制作を担当。

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