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魔法のような服をつくるデザイナーになりたい。ロンドン芸術大学への進学を控える若きデザイナー【Marika Suzuki・18歳】

魔法のような服をつくるデザイナーになりたい。ロンドン芸術大学への進学を控える若きデザイナー【Marika Suzuki・18歳】

「気になる10代名鑑」の715人目は、Marika Suzuki(18)さん。デザイナーとして夢を叶えるために、9月からロンドン芸術大学への留学が決まっています。誰かの心を包んであげられるような服をつくれるようになりたいと話すMarikaさんに、印象的だった出会いや、社会へのビジョンを聞いてみました。

Marika Suzukiを知る5つの質問

Q1. いま力を入れていることについて、教えてください

今年の秋にロンドン芸術大学へ留学する予定で、いまはそれに向けた準備をしています。自主的にファッションの勉強をするのはもちろん、海外での生活に適応できるように、英語の勉強やひとり暮らしの準備をしていて、いまからワクワクした気持ちです。せっかくの機会なので、学べることを最大限学びたいと思っています。

ロンドン芸術大学は、憧れの衣装デザイナーであるサンディ・パウエルが通っていた大学です。彼女が衣装デザインを担当した実写版『シンデレラ』のドレスは、たくさんの工夫が施されていて、本当に魔法が使われているように見えるんです。

わたしも、いつかそんな衣装をつくれるようになりたくて、憧れの人が学んだ大学への進学を決めました」

Q2. 活動するうえでのテーマは?

作品によってテーマは違いますが、“自己受容”が軸になっていると思います。中学生のころ、人間関係で悩んだことがあって、まわりの人たちも自分のことも、すごく嫌になってしまったんです。でも、その後進学した総合芸術高校で、自分自身と向き合いながら、いろいろな活動をしている人たちに出会うことができました。自分が抱える暗い気持ちを無理に解消しようとせず、肯定することで、自分自身を100%愛せるんじゃないかって思うようになりました。

創作上のこだわりでいうと、素材選びです。高校の授業で、ファストファッションの有害性を描いた『ザ・トゥルー・コスト ~ファストファッション 真の代償~』という映画を見てから、ファッション業界と環境問題の結びつきについて考えるようになりました。服をつくることを通して誰かを救いたいと思っているので、誰かを傷つけることで成り立っているような素材を選びたくないんです。高校の卒業制作では、使用済みのペットボトルを使ったヘッドドレスをつくりましたし、他にも、捨てられた傘を使って服をつくったこともあります

 

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Q3. これまでに印象的だった出会いについて教えてください。

高校のときに出会った、CGクリエイターの先輩です。出会ったときからずっと、目標に向かっていつも動き続けていて、すごく尊敬しています。先輩が『僕は君のファンだ』って応援し続けてくれたから、いまのわたしがあると思っています。

最近、ものすごくつらい経験をして、気持ちが創作から遠ざかってしまったことがあって。そのとき、久しぶりに会って話をしたら、『あと2週間以内に気持ちを切り替えないと、立派なデザイナーにはなれないよ』って言われたんです。きつい言葉に聞こえるけど、わたしの将来のことを心から考えてくれていることが伝わって。尊敬する人からの激励の言葉のように感じて、涙が出るくらい嬉しかったです」

Q4. 社会へのビジョンがあれば教えてください。

ひとりひとりが、自分の信じるものや価値観を大切にして、自分と違うものをもっている人のことを否定しなかったら、もっと素敵な世界になると思います。

現代のインターネット社会では、人のプライベートやデリケートな部分に入っていくことに抵抗がない人が多すぎると感じていて。他人の発言を大袈裟にとらえたり、勝手に拡散したりして、うわさ話にして……。そうした社会の雰囲気が、『人に笑われそうだから、挑戦するのはやめよう』とか『まわりの人から何か言われそうだから、この服を着るのはやめよう』といった諦めにつながっている気がするんです。

わたしが通っていた総合芸術高校は、生徒みんなが自分の人生に集中していて、他人の人生に干渉したり、嫌な言葉をかけたりすることがなかったんです。そんな世界になってほしいといつも思っています」

 

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Q5. 将来の目標は?

アート作品として、自分を愛せるようになる服をつくっていきたいです。どんなときも、人の肌にいちばん近い場所にあるものが服です。自分に自信をもてない人を、温かく包んであげられるような服をつくれるデザイナーになりたいです。

その先で、映画衣装の制作を担当できるようになるのが目標です。わたしが感動した『シンデレラ』のドレスみたいな、現実を超えた美しさをもったドレスを、いつかこの手で、つくってみたいです」

Marika Suzukiのプロフィール

年齢:18歳
出身地:北海道札幌市
趣味:映画鑑賞、海に行くこと
特技:言語化すること
大切にしている言葉:起きると思うことは絶対に起きない。考えもしないことが起きる。だから先に進むしかない

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Photo:Nanako Araie
Text:Kanon Yoshizumi

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Kanon Yoshizumi

ライター

2004年生まれ、東京都出身。上智大学文学部在学中。麵処巡りと都内の美術館、有名建築の見学が最近の趣味。Steenzでは、2023年6月より「気になる10代名鑑」のインタビュー記事の制作に関わる。

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