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音楽や絵画、短歌、朗読まで、手法にこだわらず表現。人間の生死や儚さをテーマに創作するクリエイター【来音・17歳】

音楽や絵画、短歌、朗読まで、手法にこだわらず表現。人間の生死や儚さをテーマに創作するクリエイター【来音・17歳】

「気になる10代名鑑」の694人目は、さん(17)。人間の生死や儚さを表現することをテーマに、歌や絵、短歌、朗読など、幅広い創作活動に取り組んでいます。「苦しすぎる時代だからこそ、芸術を通して、小さな幸せを感じられるような世界にしたい」というビジョンを語る来音さんに、活動を始めたきっかけや将来の展望について聞いてみました。

来音を知る5つの質問

Q1. いま、力を入れて取り組んでいることは何ですか?

感じたことや頭にパッと浮かんできた世界観を、芸術で表現しています。表現の方法はひとつに絞っていなくて、絵を描いたり、歌を歌ったり、朗読をしたりと、いろいろな方法でアプローチしています。

例えば絵を描くときは、アクリル絵の具を使うのですが、明確なテーマやモチーフがあってキャンバスに向かうのではなくて、『こんなものが描きたい』っていうイメージが、頭の中にパッと浮かんでくるんです。共通したテーマでいうと、人間が抱える、どうにも行き場のない気持ちや、押し殺したくなるような気持ちを表現したいと思っています」

Q2. 活動するうえで大切にしていることは?

言葉にするのはすごく難しいのですが……人の生死や儚さなど、内面的なことをかたちにすることで、それに触れてくれた人の心に、何かを残したくて。

軽音楽部に所属していて、みんなの前で歌を歌ったのですが、そのとき、友だちのひとりが『自然と涙がでてきた』って言ってくれたことがあったんです。自分がつくる世界観に共感してくれる人がいて、少しでも届いたんだって思えた瞬間でした。その感覚がとても嬉しくて。

毎日を必死に生きている中で疲れて、擦り減ってしまう心を、わたしが表現することで、少しでも癒すことができたらって思います」

Q3. 活動をはじめたきっかけは?

創作や表現を始めたのは、とくにきっかけと呼べるものはなくて、物心がついたころには自然と絵を描いていました。小さいときから漫画やアニメ、映画といったカルチャーが大好きだったので、その影響があるのかもしれません。あと、中学のときに出合った朗読からも、大きなインスピレーションを受けていて、表現の幅が広がりました。

いま、いちばん力を入れているのは、音楽です。音楽を始めたのは、高校で軽音楽部に入部したことがきっかけです。音楽に触れたとき『わたしがやりたいのはこれだ』って、心が動きました。そこからは、作詞や作曲をしてみたり、音楽を伝えるための動画をつくってみたり、いろいろ挑戦しています。文化祭では有志で団体を立ち上げて、オープニング動画をつくったりもしました」

Q4. 活動する中で、悩みはありますか?

いろんな表現にチャレンジしているからこそ、ひとつに絞り切れてないことが、中途半端なんじゃないかなって。それは少し悩んでいます。

高校に入って、音楽や絵、文章に触れたことで、手法はバラバラだけど、なんとなく方向性はまとまってきたんです。ただ、わたしのまわりには、芸術に関して専門的な知識があったり、しっかりしたバックボーンがある人もいるので、感覚の赴くままにいろんな表現をしている自分が、薄っぺらいんじゃないかなって感じることがあります」

 

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Q5. 今後の展望は?

自分自身の創作を通して、『この世界で生きていたい』という気持ちになる、そのきっかけをつくりたいです。

生きることって、もっと単純でいいと思っていて。朝起きて、お日さまを浴びて、それがきれいだなって思うとか、お昼寝ができてうれしいとか……。芸術って、どんな人に対しても開かれているものだから、芸術や創作の力で、そういう価値観を広めることができればいいなって。

先のことはまだわからないけど、ジャンルを絞るときがきたら、いまいちばん力を入れている音楽を、しっかりやりたい。自分がつくった歌で、誰かのことを救えるような、シンガーソングライターになりたいと思っています」

来音のプロフィール

年齢:17歳
出身地:神奈川県横浜市
趣味:絵を描くこと、短歌を詠むこと
特技:歌
大切にしている言葉:『かっこ悪くても、いきろ』(漫画『東京喰種』に出てくるセリフ)

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Photo:Nanako Araie
Text:Serina Hirano

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Serina Hirano

エディター/ライター

1994年生まれ、東京都出身。現代を懸命に生きている若者を応援するため、フリーランスとして活動。カフェ店員をしながら医療に関する記事を執筆し、2024年よりライター兼エディターとしてsteenzに携わる。各業界に対して様々な側面から活動している。

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