「気になる10代名鑑」の689人目は、千村なつさん（17）。今年の3月から、コミュニティカフェの運営をスタートさせて、学生にとっての新たな居場所を提供しています。「子どもたちが未来に希望を持てる社会を築いていく人になりたい」と話す千村さんに、活動をはじめたきっかけや将来の夢について聞いてみました。
千村なつの活動を知る5つの質問
Q1. いま、いちばん力をいれていることは？
「学生が中心となって、学生の居場所づくりをするコミュニティカフェ『yo su ga』を運営しています。今年の3月に始動させて、定期的にイベントを開催しています。それぞれがカフェの店員として、中学生から大学生までの広い世代の学生や、さまざまな場所から来た留学生たちとの交流していくんです。学校以外の居場所になったり、夢の後押しができるような場所になったりすればいいなって。
また、カフェの一角では、起業やビジネスに興味のある会員メンバーを募って、ビジネスパートナーの仲介やアクションの支援もしています。人とのふれあいやセルフコンパッションを通して、アクションを起こせるような場所になればいいなって。まだ計画の途中だし、いろんなことを学んでいる真っ最中ですが、日々たくさんの出会いとつながりを感じています」
Q2. 活動を始めたきっかけは？
「高校1年生のときに、ニュージーランドに留学して、子ども食堂のボランティアに参加したんです。高校生が中心となって運営をしているのを見て、日本でも学生が運営する子ども食堂をつくったらいいんじゃないかと思いました。いろいろ考えているうちに、子ども食堂というかたちにこだらわないで、子どもの未来に関わりたいという気持ちをベースに、コミュニティカフェを手がけようと決めました。
実は、中学3年生のときに、不登校気味になってしまったことがあって……。受験勉強にとらわれすぎて気持ちが落ち込んでしまい、学校という限られたコミュニティの中にいることがつらくなってしまったんです。でも、高校生になって、いろんなコミュニティに所属することで、視野が一気に広がりました。悩んでいるひとのセーフティネットのような場所をつくりたいと思ったんです」
Q3. 最近、新しく始めた挑戦はありますか？
「まだまだ企画の段階なのですが、古民家の改装に挑戦しようとしていて。
改装の作業も、改装した後の古民家の利用も、すべて中高生がメインで運用しようと思っています。ものを売りたい人やワークショップを開きたい人がいれば、その要望に応えられるような場所にしたいです」
Q4. 活動を通して、実現させたいビジョンがあれば教えてください。
「子どもたちに未来とエネルギーを与えられる、優しい社会にしていきたいです。子どもだけじゃなく、そんな子どもを育てる大人の社会の課題も、解決されるべきだと思います。例えば、わたしの母は保育園で働いていたのですが、やっぱり労働環境は厳しくて、保育士を辞めていく人も多いと聞いて……。
未来を生きていく子どもを育てる場所そのものが優しい社会であってほしいです。まだ社会人ではないので、強い働きかけはできないですが、子どもたちが大人になったときも、この社会が好きだと思えるような環境にしていきたいです」
Q5. 将来の夢は何ですか？
「活動する分野を問わない、総合系のコンサルタントになりたいです。わたしはひととひとの中立に立って物事を解決するのが好きだし、得意だと感じているので、さまざまな分野に触れてきた経験を活かしていきたくて。仕事を通して、企業をよりよくしていくことで、子どもたちが未来に希望を持てる社会を築いていきたいです。
そのために、いまはできることは少ないけれど、コミュニティカフェ『yo su ga』で、誰かの相談に乗ったり、誰かの一歩の後押しをしていきたいです」
千村なつのプロフィール
年齢：17歳
出身地：東京都江戸川区
所属：youth innovator, English youngsters cafe 、中高生協議会、yo su ga、I LADY広報、エシカル連盟、blast7期
趣味：きなこを食べること
特技：一発芸
大切にしている言葉：「人は必要なときに必要な人と出会う」「Without courage, all other virtues lose their meaning.」
千村なつのSNS
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Photo：Eri Miura
Text：Mao Kawasaki
