「気になる10代名鑑」の691人目は、スティーン・カレンさん（17）。中学生のときにアフリカの現状を知ったことをきっかけにアフリカの支援活動を志し、タンザニアのストリートチルドレンを支援するためのNGOを立ち上げました。将来は医師になって、国際的な団体を立ち上げたいと話すカレンさんに、活動を始めたきっかけや印象的な出会いについて聞いてみました。
スティーン・カレンを知るための5つの質問
Q1. プロフィールを教えてください。
「タンザニアのストリートチルドレンに、食糧や教育の支援、そして医療支援を提供するNGOを立ち上げました。現在は、タンザニアの現状について知ってもらうために、日本でSNSの発信を中心に活動しています。
現在はクラウドファンディングの最中なんです！ つい先日、文部科学省の奨学金プログラム『トビタテ！留学JAPAN』に合格したので、8月ごろにタンザニアへ渡ります。まずは食糧支援から始める予定なので、そのための食糧費25万円を集めるために頑張っています。
食糧支援の他には、前回の渡航でつながりで、現地の大学で授業を受け持つことになりました。わたしは滞在期間が約1か月と短いので、持続的に支援が回っていくように、現地の学生に問題解決の手がかりとなるトピックやアプローチ方法を教えてくる予定です」
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Q2. アフリカに興味をもったきっかけを教えてください。
「小さいときから、『誰かのために生きていきたい』という思いがあって。それで、お医者さんになろうと思っていました。アフリカについての活動したいと興味を持ち始めたのは、中学生のときに参加した講演会がきっかけ。アフリカの実態を聴く中で、わたしがアクションを起こす場所はアフリカなんじゃないかと、ビビッときたんです。
まずは、アフリカ＝貧困のイメージが本当なのか、自分の目で確かめることにしました。それが昨年の夏で、医療ボランティアとしてアフリカへ渡ったんです。なぜタンザニアを選んだのかというと、そのプログラムの選択肢の中では、貧困率が高くて、ボランティアを必要としていると感じたからです。
たった2週間という短い期間でしたが、帰国してからも『何かできることはないか』とずっと模索していたくらい、タンザニアに惹かれることとなりました」
Q3. 活動にあたってのファーストアクションは？
「NGOの設立は、タンザニアで知り合った医師に声をかけてもらったことが始まりです。
自分が渡航したときに見たタンザニアはまだまだキレイな部分で、自分が見ていない部分にも、さまざまな問題があふれていることを知って……。そのときの渡航は、実は微力にもなっていなかったんだなと気づいたんです。
『次こそはもっと役に立ちたい』と思って、まずは交流のあったタンザニアの医師に、Messengerを通じて連絡しました。最初はその現状を発信するために動画を送ってほしいと相談したんですけど、次第にわたしの活動を理解をしてくれて。結果的に、一緒にNGOを立ち上げることとなりました」
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Q4. 印象的な出会いはありましたか？
「タンザニアのホームステイ先の近くを車で通るときはいつも、無言で手差し伸べてきたり、ドアをコンコン叩かれたりと、しょっちゅう物乞いをしている子どもに遭遇していました。
ある日、ひとりの子が手を差し伸べてきたんですが、わたしは『お金が欲しいんだろうな』とネガティブな気持ちで構えていたんです。でも、隣に座っているスタッフの方が、『ただ“こんにちは”って、単純にコミュニケーションを取りたいんだよ』と教えてくれて。
それを聞いて、すごく申し訳ない気持ちになったし、子どもたちの純粋さに触れた気がして。ストリートチルドレンのために何かできることをしよう、心が動いた瞬間でした」
Q5. 将来の夢を教えてください。
「まず大学は、海外の医学部に行きたいと思っています。将来はアフリカを拠点にしたいので、英語で学べるところを探しています。
学生時代を終えたら、本格的に医療からアフリカに携わって、最終的には『国境なき医師団』のような国際的な団体を創設したいと思っています。100年後にわたしの伝記が出るくらい、影響力のある人になりたいです」
スティーン・カレンのプロフィール
年齢：17歳
出身地：新潟県燕市
所属：NGO団体・Hana Tabasamu Foundation代表、アフリカ情報雑誌『PROCHE』編集部
趣味：ギター、ドラマ鑑賞
特技：ものまね、四つ葉探し
大切にしている言葉：艱難汝を玉にす
スティーン・カレンのSNS
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Photo：Nanako Araie
Text：Atsuko Arahata
