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アフリカの家がサステナブルすぎた!伝統を守りながら、地球にも人間にも負荷の少ない建築を知ろう【Steenz Breaking News】

アフリカの家がサステナブルすぎた!伝統を守りながら、地球にも人間にも負荷の少ない建築を知ろう【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、アフリカ各国の多様な伝統建築についてお伝えします。

自然との調和を大切にするアフリカの建築

アフリカにある家というと、どんな家を想像するでしょうか。木や土といった、自然の素材で建てられた、ナチュラルな家を思い浮かべる人が多いかもしれません。気候や文化の違いに適した多様な伝統建築が存在するアフリカ大陸。そこで今回は、伝統を受け継ぎつつ、現代のライフスタイルも垣間見える、アフリカ4か国のリアルな家をご紹介します。

エチオピアの膨大な竹を利用した家

アフリカの北東部に位置する内陸国・エチオピアには、膨大な竹資源を生かした竹の建築が多く見られます。竹はエチオピアの主要な生産物であり、アフリカ全体の竹資源の86%が生産されています。

竹は雨に強く頑丈なため、建築物の壁や屋根だけでなく、建築現場の足場など広く使用されています。しかし近年、竹林の伐採によって、竹資源が減少しています。この問題は建築様式だけでなく、竹産業で働く現地の人々の雇用問題にも影響を与えているのです。

世界遺産がたくさん!マリの泥の家

西アフリカの内陸国・マリ共和国は、世界遺産に登録されたジェンネ旧市街が有名です。マリの建築は、泥の家が主流。

泥の建物は家だけでなく、倉庫として使われることもあります。男性は主に穀物や農具を保管し、女性は宝石や衣類、陶器などを保管するのだそう。シロアリの侵入を防ぐため、地面から盛り上がって建てられているのが特徴的です。

ブルキナファソの幾何学模様が素敵な家

サハラ砂漠の南に位置する内陸国・ブルキナファソには、幾何学模様が目を引く土造りの家があります。男性は家を建て、女性は「ファサード」と呼ばれる模様を描きます。この「ファサード」は、部族に伝わる古代の物語を表しているともいわれ、火山岩やタールが使用されています。

また家の形も特徴的で、丸い家は単身者用、長方形の家は既婚者用と分けられており、家族構成がわかるようになっています。

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カメルーンの暑い気候に耐えるデザインの家

アフリカ大陸西部に位置するカメルーン共和国。そこに暮らすムスガム族は、ドーム型の家に住んでいます。道具を使わずに手だけを使い、泥と水のみで造られています。ドーム型のデザインは蜂の巣や貝殻を象徴しており、最小限の建築資材で耐えられるようになっています。また家の上部には、熱気を集めて空気を循環させる通気口があり、カメルーンの暑い気候に適した建築様式となっています。。

 

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文化と気候に適した建築

世界では鉄筋やコンクリートの建物が主流になってきており、アフリカでも都市部をはじめ急速に高層ビルが建設されています。しかし、コンクリートの建築というのは、すべての気候に適したものではなく、温暖な気候のアフリカには、その地ならではの建築方法が存在します。

また、アフリカの多くの国では核家族が少なく、コミュニティ単位で暮らすことが多いため、近所の人と力を合わせて家を建てることが一般的です。助け合いの文化が根付いているからこそ、家を建てる材料も人手も、身近なところから入手するのは、ある意味で非常に合理的といえそう。

自然に溶け合い、地球にも人間にも負担の少ないアフリカの家。そこから学ぶものは、サステナビリティが叫ばれて久しいいまの日本でも、改めて注目するべきなのではないでしょうか。

References:
claisse.info「ETHIOPIAN VERNACULAR BAMBOO ARCHITECTURE AND ITS POTENTIALS FOR ADAPTATION IN MODERN URBAN HOUSING: A CASE STUDY
designboom「gurunsi earth houses of burkina faso
designboom「musgum earth architecture

TextHao Kanayama

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Hao Kanayama

ライター

16歳、初アフリカ大陸上陸。19歳、アフリカ10か国放浪。20歳、ウガンダ移住。ウガンダの現地の会社とNGOの職員として、ストリートチルドレン、シングルマザー、薬物中毒者、孤児の支援を行う。不条理で不都合な世界だけど、その先にある希望を求めて歩き続ける、アフリカの人々の暮らしをわたしの目線から伝え続けたい。少数民族と木登りとテクノがスキ。

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