「気になる10代名鑑」の670人目は、上野我唯さん（19）。『アースデイ東京ユース』の代表を務めながら、生きづらさを抱える人のために“サードファミリー”という居場所をつくるための活動をしています。「いまを生きることに集中したい」と語る上野さんに、活動を始めたきっかけや今後の展望について、詳しく聞いてみました。
上野我唯を知る5つの質問
Q1. いま、いちばん力を注いでいる活動は？
「全国で社会活動をしている学生団体『アースデイ東京ユース』の代表をしています。地球にいいことををしたり、自分の思いを行動に移せる人を増やしていきたいと思いがあって。主に、イベントの企画などをしています。
環境系のイベントと聞くと、環境に興味のある人ばかりが集まるものだと思われがちなのですが、僕は興味関心のない人にも来てほしいと思っていて。誰もが、気軽に参加しやすいイベントを目標にしています。
メンバーは、政治だったり国際協力だったり、興味関心のあることはバラバラです。だからこそ、知見や知恵を共有することができて、新しいプロジェクトが生まれることもあります」
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Q2. そのテーマで活動を始めたきっかけは？
「2022年のアースデイ東京のイベントに参加したことがきっかけです。知り合いがいたので、ふらっと遊びにいったんです。行ってみたら、思ったよりも人がたくさんいて、すごく賑やかで……。自分の中で、環境問題はそんなに盛り上がっていないイメージがあったので、社会問題に対して、みんなが熱量をもっている様子に感動しました。世界が変わったような気がしたんです。
あとは、ストレス障害になったことも大きな変化で。成功や将来など、漠然とした不安を考えなくなるようになって、“いまを大事に生きていきたい”と思うようになりました。それで、自分のことを大事にするためには、自然を大事にする必要もあるな、と思ったんです」
Q3. 印象的だった出会いはありますか？
「『アースデイ山梨』を運営している、河西わかなさんとの出会いです。2023年のアースデイ東京のイベントで、僕がトークセッションをする機会があったのですが、最前列に座ってくれていて。イベントの後に、河西さんの活動拠点である山梨についていろいろ教えてもらいました。
また、河西さんは山梨で古民家宿をされていて。アースデイ東京ユースの合宿でも利用させてもらいました。すごく素敵な場所で、“Less is more”を感じられます。ゆったりとした時間をすごせたし、河西さんのおかげで、山梨の素敵な人と出会えました」
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Q4. 最近新しく始めたことはありますか？
「いま、起業の準備をしています。長野の古民家で、“サードファミリー”という新しい文化をつくろうと思っていて。サードファミリーとは、血のつながりや長い付き合いがなくても、なんだか居心地がよくて、心が許せる人や空間、場のことだと定義しています。
古民家を貸してくれるオーナーさんとは、友人と車で旅していたときに出会いました。当時の僕は、大学に入学したにもかかわらず、なんだかしっくりと来ていなくて。そのまま、あまり授業に出ない日が続きました。たまたま長野に行く機会が多くて、自然と話をして仲良くなったのが、そのオーナーさんで。『古民家がひとつ余ってるから、何かしてみたら？』と言ってくれて。今年度から、本格的に活動を始めました。
生きづらさを抱える人や、自然が好きな人と一緒に、素敵な場をつくれたらと思っています」
Q5. 将来の展望は？
「将来のことを考えるのは苦手だし、難しいことだと思っています。大学に入って、半年で古民家を使った起業を考えるなんて、ちょっと前にはまったく想像していませんでした。それに、あまり考えすぎてしまうと不安が出てしまうと思うんです。
将来のことよりも、“いま”を生きることに集中したいと思っています。やりたいことや目の前にあることをやっていくのは簡単なことではないけど、楽しいし、やりがいがあります。
直近のことで言うと、古民家でサードファミリーとしての居場所をつくることを目標に、頑張っていきたいです」
上野我唯のプロフィール
年齢：19歳
出身地：千葉県千葉市
所属：かえつ有明高校、武蔵野大学アントレプレナーシップ学部、アースデイ東京ユース
趣味：テニス、散歩、野宿
特技：睡眠、薪割り、何もしないこと
大切にしている言葉：今を生きる
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Photo：Eri Miura
Text：Chikiri Kudo
