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お菓子のパッケージを通して社会の諸問題にアプローチ!企業を巻き込んでアクションを続ける高校生活動家【志澤舞・17歳】

お菓子のパッケージを通して社会の諸問題にアプローチ!企業を巻き込んでアクションを続ける高校生活動家【志澤舞・17歳】

「気になる10代名鑑」の664人目は、志澤舞さん(17)。お菓子のパッケージを生かしたアップサイクルイベントを開催したり、デザイナーにインタビューしたりなど、お菓子パッケージについてのさまざまな研究・活動をしています。将来は地域の魅力を詰め込んだパッケージづくりに挑戦したいと話す志澤さんに、活動のきっかけや今後の展望について、聞いてみました

志澤舞を知る5つの質問

Q1. いま、力を入れている活動について教えてください

たくさんの人に、お菓子のパッケージのもつパワーを知ってもらいたくて、使用済みのパッケージを使ったイベントやワークショップを開いたり、書籍や新聞に掲載してもらう啓蒙活動をしています。

パッケージデザイナーさんに、直接お話を聞くこともあります。ご当地のお菓子だと、その地域の伝統工芸がデザインに落とし込まれているものもあって。そういうこだわりを知ってから、ますます興味をもつようになりました。

いまは、お菓子のパッケージが世間に与える影響についての研究もしています。その活動を通して、『環境省グッドライフアワード2023』で子どもエンパワーメント賞をいただいたり、『高校生マイプロジェクトアワード2023』の全国優秀賞をいただきました」

Q2. 活動のきっかけについて教えてください

海外に流れ着いたごみの写真の中に、日本のごみがあったんです。そこから環境問題について考え始めて、自分でも何かアクションを起こしたいと思って。そこで思いついたのが、お菓子のパッケージを使ったアップサイクルを通しての啓蒙活動です。生活に身近なものだったら、子どもたちをはじめ、たくさんの人の注目が集められると思ったんです。

いちばん最初は、食べ終わったお菓子のパッケージから、ポーチをつくるワークショップを企画しました。『キットカット』の販売をしているネスレ日本に連絡してみると、活動に共感していただいて、袋だけじゃなくて、商品を送っていただけたんです。ワークショップ当日は、小学生の子たちが参加してくれて、楽しく学ぶ機会になりました。この活動で、パッケージがもつ力を実感して、地域での活動にもつながりました。いまでは、幼稚園生から70代くらいまで、幅広い年齢の方が活動に参加してくれています」

Q3. 最近、新しく始めた挑戦は?

人に情報を伝えることを目的としているデザインの分野に、興味が出てきました。

小さいころから、絵を描くのは大好きで。絵にすることで自分の気持ちを伝えることもあって、絵でコミュニケーションしていたくらい。好きなように描くのは、“自己表現”だと思うのですが、そこに“デザイン”の考えとか要素を入れることで、もっとたくさんの人にメッセージを伝えられるようになれるんじゃないかって。

なので、もっとデザインについて勉強したいと思っています。いずれは、アート作品としても価値があって、商品としても魅力があるようなお菓子パッケージをつくってみたいです」

Q4. これまでに影響を受けた言葉は?

“行動至上主義”という言葉を大事にしています。この言葉は、中高生の社会活動を支援する団体『FROM PROJECT』の理念。考え込むのではなく、とにかく何かに挑戦したり、行動を起こすことが大事という思いが含まれているんです。

海外のごみ問題のことで、何か行動を起こしたいと考えているときに、ちょうどこの団体が主催しているプロジェクトに参加していて。プロジェクトをサポートしている大学生から、“行動至上主義”について伝えてもらいました。それが勇気につながって。実際に踏み出すためのきっかけなりました。行動を起こさないと結果はわからないし、だからこそ“行動至上主義”の理念を大切に、いまも活動をしています」

Q5. 将来の展望は?

いろいろな地域のお菓子のパッケージデザインをしたいです。そしてパッケージを通して、環境問題を解決したり、後継者問題に悩んでいる伝統工芸維持・存続に貢献したりなど、いろいろな社会問題の解決にも取り組めたらいいなと思っています。

特に、それぞれの地域の特徴を反映できるようなデザインをつくりたくて。例えば、原料にその地域の伝統的な素材を使って、伝統や産業を守りながら、同時にその魅力が広く伝えられるような要素を入れてみたいと思っています」

志澤舞のプロフィール

年齢:17歳
出身地:神奈川県小田原市
所属:湘南学園高等学校
趣味:絵、山登り、パッケージ研究、ブローチ集め、旅、探検、食べること
特技:好きなヒトコトモノに200%
大切にしている言葉:アドベンチャーに生きる!

志澤舞のSNS

★Instagram

Photo:Eri Miura
Text:Kanon Yoshizumi

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Kanon Yoshizumi

ライター

2004年生まれ、東京都出身。上智大学文学部在学中。麵処巡りと都内の美術館、有名建築の見学が最近の趣味。Steenzでは、2023年6月より「気になる10代名鑑」のインタビュー記事の制作に関わる。

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