世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、世界初のサステナブルな取り組みを行う韓国コスメについてご紹介します。
韓国で話題のユニークなハンドクリーム
昨年、韓国で話題になったコスメブランド「siita(シータ)」。まるで花瓶やインテリアアイテムのようなユニークなパッケージと、世界的な香料会社が開発に参加したという香りが話題になり、アイコニックなアイテムである「MER D’HIER HAND CREAM」は一時は完売するほどの人気でした。
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人気の理由は、見た目や香りだけでなく、ブランドの理念にもあります。次世代のことを考えたサステナブルな運営を徹底していて、環境に優しい生分解性プラスチックの単一原料のみで構成されたパッケージを生み出しました。
また、世界で初めて、100%アップサイクリングでつくられた香りを採用して、他にも多岐にわたる社会や環境への貢献活動など、一過性ではない取り組みを続けています。
完全に自然に還るボトル
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近年、プラスチックごみの課題から、分子レベルまで分解されて自然に還る、生分解性プラスチックが注目されています。土の中の微生物の働きによってプラスチックがバラバラにされ、最終的には二酸化炭素と水になるプラスチックです。環境問題に取り組むさまざまな企業がこの生分解性プラスチックを取り入れ始めていますが、実際に消費者が土に埋めて分解することは困難です。
「siita」は、環境省傘下の認証機関で、生分解性認証基準を通過した生分解性原料のみでパッケージをつくっただけでなく、それを処理する施設「ループステーション」も持っています。一般的に生分解性プラスチックは粉砕が困難だといいますが、「siita」では、使用済みパッケージを、専用施設で2回に分けて、特別なプロセスで粉砕しています。
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この過程で、完全分解に最も適した、非常に小さな粒子にまで砕きます。その後、本来であれば6か月かかる分解期間を、熱エネルギーを活用する技術によって、およそ3か月で完全に分解。環境にやさしい堆肥となって自然に戻ります。堆肥は植物を育てたり、土壌を回復するために活用されるのだそう。
商品を買うだけで社会貢献できる
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こうした商品での環境配慮に加え、販売利益の一部を社会や環境のために寄付する「シータプロジェクト」も実施しています。
その活動内容は幅広く、「シングルマザー家庭への生活必需品のサポート」「性暴力被害者の自立のための継続的な支援」「災害で被害を受けた人たちの日常回復のためのスポンサー」といった、人権や生存に関する課題から、「ゼロウエストでさらにカーボンニュートラルを実現するための森林再建」「プラスチックに苦しむ海洋生物のための継続的な活動」といった、環境問題の中でも森から海まで広く支援しています。
あなたの選択が未来の社会をつくる
「サステナブル」「エシカル」をうたうブランドは増えていますが、「siita」のように、環境や社会問題と本気で向き合い、一貫して活動するブランドは、それほど多くありません。こうしたブランドの商品を購入することで、さらによい影響が広がり、いずれは日常から社会を変えることができるのではないでしょうか。
Text:Anna Usui