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『アプリ甲子園』でモンスターラボ賞を受賞。人間の集中力をコントロールできる世界をつくりたい【鈴木葵葉・17歳】

『アプリ甲子園』でモンスターラボ賞を受賞。人間の集中力をコントロールできる世界をつくりたい【鈴木葵葉・17歳】

「気になる10代名鑑」の626人目は、鈴木葵葉あおばさん(17)。意図的に集中力を高めるためのアプリ『スタレコ』を開発し、『アプリ甲子園』にも出場しました。将来は、アプリ制作に留まらず、誰もが意識的に集中できる環境をづくり出すサービスを提供したいと語る鈴木さんに、活動をはじめたきっかけや今後の展望について、詳しく聞いてみました。

鈴木葵葉を知る5つの質問

Q1. いまいちばん力を注いでいる活動は?

中高生に向けた『スタレコ』という学習支援アプリを開発しています。

これは、勉強に集中している時間と集中度を記録することによって、その日の勉強を客観的に振り返ることができるアプリなんです。集中している時間については、接近センサを応用してiPhoneを裏返すことで記録できるようにして、集中度はApple Watchから取得した心拍数で推測できる仕組みになっています。

またログインボーナス機能も搭載していて、楽しく勉強を継続できるような仕組みになっています。これまで約30個のアプリを開発してきましたが、いちばん時間をかけて取り組んでいたのが、このアプリです」

Q2. 活動を始めたきっかけは?

中学2年生のとき、『Life is tech!』のプログラミングキャンプに参加したことがきっかけです。キャンプの雰囲気が楽しくて、終わったあともスクールにも通うようになって、中学3年生でWebサイトの制作をおこない、高校生でiPhoneアプリを制作するようになりました。

コンペに自分でつくったアプリを応募しようと考えたとき、“集中記録”に関するアプリが少ないことに気づいて。それに、せっかくアプリをつくるなら、半径5mの身近な友人を助けられるようなアプリがいいなと思って。それでスタレコの制作を始めました」

Q3. 悩みはありますか?

新しい研究の発表や、最新の技術を知るのが好きで。技術展がやっていれば、なるべく足を運んで勉強したいと思っているのですが、中には商談が中心なので18歳未満が入場できないものもあって……。年齢によって、いろいろな情報に触れる機会が制限されるのは、残念なことだと思っています。

先日、池袋PARCOで開催されていた『いい人すぎるよ展』の主催者の方とお話をする機会があったんです。その方は『10代を子ども扱い』しないとおっしゃっていて。すごく重要なことだと感じて、私自身もその考え方を大切にしたいし、この考え方が広まってほしいです」

Q4. 活動のほかに好きなことはありますか?

映画『ハイスクールミュージカル』が好きです。5歳のときに初めて観て、アメリカの学校生活に憧れを抱くようになりました。高校生になってからは月に1度、シリーズ全部を観ています。学生生活の中に音楽があるのが、とてもかっこいいんです。作業している間、ずっと流しています。

あとはラーメンを食べることも大好き! お店の店名と写真、それから自分なりの評価を記録しています。特に『卍力まんりき』というお店のラーメンが大好きなんです。パクチーがのっていて、スープもスパイスがきいていて特徴的で。そのお店だけのフォルダができるくらい、通っています」

Q5. 今後の展望は?

『スタレコ』に限らず、意図的に『集中』できる環境をつくるサービスを提供したいです。集中というのは、外的環境だけでなく内的環境にも依存するので、意図的に過集中状態をつくるのは難しいんですけど、だからこそそれを自在にコントロールできたなら、革命が起きるんじゃないかと思っていて。

それに、さまざまなデータや項目や分析結果から新しい発見があると、とっても楽しい! 例えば最近は貧乏ゆすりに興味をもっていて、無意識な動作も集中に影響を与えていることがわかったんです。そういう、人がついやってしまう行動からも集中を数理的に紐解けたらいいなと思っています。

プログラミングはひとつの手段だと考えていて。最終的に何がしたいのかを自分の中で定めるためにも、誘ってもらったり、気になったことにはどんどん挑戦して、好きなことや興味のもてるものを深めていきたいです」

鈴木葵葉のプロフィール

年齢:17歳
出身地:東京都
所属:品川女子学院高等部
趣味:食べたラーメンの記録をつける、バスケ、スノボ
特技:オール
大切にしている言葉:「0から1の距離は、1から100の距離より大きい」

鈴木葵葉のSNS

★Twitter

 

アプリ甲子園2023来たよ!📱🔥#アプリ甲子園 pic.twitter.com/pkYakGCGK5

— 鈴木 葵葉 (@aoba_suzuki_) October 22, 2023

Photo:Eri Miura
Text:Chikiri Kudo

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Chikiri Kudo

ライター

2002年生まれ、宮城県出身。上智大学 文学部新聞学科在学。メディアが社会に与える影響について学ぶ傍ら、コラム記事の執筆やフリーペーパーの制作に携わる。Steenzでは、2023年より「気になる10代名鑑」のコンテンツ制作を担当。

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