世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は捨てられるはずだった木材を飲み物にアップサイクルしたスパークリングウォーターについて紹介します。
森林放置による環境問題
国土の約7割を森林が占め、世界有数の森林大国である日本。
戦後復興から高度成長期にかけて木材需要が高まり、国をあげた植樹により各地に人工林が広がりました。しかし安価な輸入木材などの影響により、70%の人工林は放置されているのが現状です。森林は、適切な間伐が行われないと光が遮られ、木材の質や生物多様性への悪影響、水質悪化、土砂災害リスクの上昇などがもたらされます。そのため、間伐の効率化や木材の積極的な活用が求められているのです。
間伐材の使い道と聞いて思いつくのは、割りばしや木製品など。しかし、木材のまま使用する以外にも、燃料用の木質チップや炭化させて消臭剤として使うなど、その活用法はさまざまなものがあります。今回は、ユニークで思わず誰かに伝えたくなる木材のアップサイクル事例を取り上げます。
「木を使い・山を育て・水を守る」を合言葉に生まれたドリンク
富士山麓の杉の未利用部をアップサイクルした、プレミアムスパークリングウォーター「QINO SODA -杉- 富士山麓」は、株式会社fabriqによる木の新しい使い道を発明する地域共創プロジェクト「QINO(キノ)」の一環で生まれました。
「QINO SODA -杉- 富士山麓」には、杉の間伐材(木材として出荷されない部分)を香料として採用されています。その売り上げの1部は、植林活動に充てられるそうです。
森を循環させるドリンクの楽しみ方はさまざま
「QINO SODA -杉- 富士山麓」はノンアルコール飲料らしからぬ、複雑で生命力あふれる香りで、ワインのようにペアリングを考える楽しみも広がります。よく冷やしてワイングラスで飲むと、香りを最大限に楽しめるそう。
近年、広がりを見せるノンアルコール飲料や低アルコール飲料。ノンアルコールのドリンクだけを提供するバー「0% NON-ALCOHOL EXPERIENCE」も話題になりました。「sober(しらふ)+curious(好奇心が強い)」を由来とした「ソバーキュリアス」と呼ばれる、アルコールをあえて選択しない人々の需要にも答える存在となりそうです。
森のサステナビリティに貢献しよう
杉の未利用部分をアップサイクル手段として、間伐材の新たな活用方法を提案しているQINO SODA。森の恵みを味わいながら、森林のサステナビリティについて考えてみてはどうでしょうか。
Text: kagari