「気になる10代名鑑」の615人目は、木津虎さん(15)。地元・岡山県を拠点に「世界をデザインする」を掲げて起業し、現在は日本各地で開催されているビジネスピッチコンテストに参加し、賞を受賞するなど活躍の場を広げています。何かを成し遂げるのに年齢は関係ないと語る木津さんに、開発の真っ只中だというサービス『ハピドア』のことや印象的な体験まで、根掘り葉掘り聞いてみました。
木津虎を知る5つの質問
Q1. いま、取り組んでいる活動について教えてください。
「中学校に通いながら、株式会社TOLLERの代表取締役社長として、経営やデザイン、プログラミング事業をやっています。最近は紹介してもらったお客さんのロゴデザインや、HP制作、アプリ制作などを行っています。これまでも個人でロゴ制作やHP制作してきました。
また、自社アプリ『ハピドア』の開発にも力を入れて取り組んでいます。これは、障がいや性的マイノリティといった理由で、従来の予約サービスでは美容サロンを予約しにくい方々に使ってもらうための予約サービスアプリです。まだ開発途中ですが、これまで日本各地のさまざまなピッチコンテストで話す機会をいただき、ありがたいことに表彰していただいたこともあります」
この投稿をInstagramで見る
Q2. 活動を始めたきっかけは?
「もともと母が美容サロンを経営していて、ハンディキャップをもっている方の出張施術をしていたんです。母と話している中で、障がいやセクシャルな理由で普通の美容サロンに行きにくかったり、成人式に出席できなかったりした人たちがいることを知って、その困っている人たちの悩みを解決できないかと考えるようになりました。
以前、新型コロナで学校がオンラインになってしまった期間に、プログラミングやIT、デザインについて勉強していた時期があって、誰かの課題をクリエイティブで解決することに興味がありました。そこで、自分がもっているスキルを活かして、新しいサービスをつくってみようと思って生まれたのが、美容サロン予約サービスアプリ『ハピドア』なんです」
Q3. 活動を始めるときのファーストアクションは?
「いろんな活動をしている人の話を聞いて、その人たちが入っているコミュニティに参加しました。僕の地元である岡山県岡山市は、スタートアップ支援にすごく手厚いんです。若い世代への啓蒙活動から地元で起業した人、起業を志している人、その人たちをサポートしてくれる投資家や経営者の人たちが集まるイベントやコミュニティを提供してくれているんです。『ももスタ MOMOTARO STARTUP』というスタートアップ支援拠点があるので、そこでの出会いを大切にしています。
デザイン面でいうと、本や動画などで独学でデザインを学んで、中学校2年生ぐらいのときから『ココナラ』でデザインの案件を受けていました。お金を稼ぎたいというよりも、とにかく実践を積みたくて。何事もやってみたいと思ったら、すぐに行動に移すタイプです」
お待たせしました!ももスタの1月2月のカレンダーできました!
岡山のスタートアップ支援拠点「ももスタ」では年明けもたくさんのイベントを予定しているのでぜひご参加ください!各イベントの詳細・お申込みはももスタ公式ホームページから!https://t.co/uCxSY0wULQ#ももスタ pic.twitter.com/7lIsvgN94l
— ももスタ|岡山スタートアップ支援拠点 (@momo_start) January 22, 2024
Q4. 活動を続けている中で、印象的だった「体験」を教えてください。
「地元で開催されたピッチコンテストに、一般の部で出場して大賞をいただいたのは、僕にとって大きな自信となりました。実はこのピッチコンテスト、高校生の部はあったのですが、中学生の部がなくて……。でも、とにかくやってみよう!ということで、一般の部で応募することに。そうしたらなんと、大賞をいただくことができたんです。そこでは、地方の中小企業や自治体と、ITスキルをもった学生のマッチングイベントを提案しました。
そこまでの結果は予想していませんでしたが、普段から学校で発表する機会が多くあって、堂々と話せたからかなと思っています。また、何かをやりたい気持ちに年齢は関係ないし、これまでやってきたことが間違っていなかったと思えた機会でした」
この投稿をInstagramで見る
Q5. 今後の展望は?
「美容というのは、生活のインフラだと僕は思っています。いまは若い世代でも美容にアクセスできるようになっている一方で、そのインフラに触れられていない人が多くいるという現状があります。美容以外にも、同じように取り残されてしまっている人がいる分野がたくさんあると思います。
これからも、グラフィックデザインやWEBデザイン、システムデザインなどクリエイティブの力を使って、これまであまり目を向けられてこなかったジャンルから、教育や福祉までもデザインできるような、幅広い意味でのデザイナーになるのが目標です」
木津虎のプロフィール
年齢:15歳
所属:株式会社TOLLER、岡山県立岡山操山中学校、校外プログラム大全
出身地:岡山県岡山市
趣味:人の夢を聞くこと
大切にしている言葉:発想力は移動距離に比例する(ゴーゴーカレー社長・宮森宏和氏の言葉)
木津虎のSNS
木津 虎の自分語り|Tora_Kizu
自己紹介です。少し長いんですが頑張って書いたので、ぜひ読んでいただけると幸いです。
@tora_bim #自己紹介 https://t.co/CkRk5NiVTL #note— Tora Kizu(15) (@tora_bim) November 19, 2023
この投稿をInstagramで見る
Photo:Eri Miura
Text:Ayuka Moriya