世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、パッケージ業界におけるサステナブル取り組みについて、ご紹介します。
北海道銘菓「白い恋人」の個包装が再生樹脂パッケージに
「白い恋人」といえば、北海道を代表する銘菓のひとつ。おみやげなどで食べたことがある人も多いのではないでしょうか。
そんな「白い恋人」を手掛ける石屋製菓株式会社(以下: ISHIYA)は、サステナブルな取り組みに積極的な企業。再生樹脂フィルムの企画・開発を行い、「白い恋人」の個包装を2024年2月より随時切り替えます。これによって、新しい材料のみで製造される「バージンプラスチック」の使用量を年間約40トン、二酸化炭素排出量を約46トン削減できる見込みです。
ISHIYAとともに、この企画・開発をおこなったのは、印刷テクノロジーを活用し、多様な事業を展開するTOPPAN 株式会社(以下:TOPPAN )です。
パッケージのサステナブル化は再生樹脂フィルム以外にも
パッケージの表側に記されている金色の文字(写真左)には、植物由来のインクを使用。裏側には、生物由来の資源(バイオマス)をもとにつくられ、品質や安全性が確保された製品の証である「バイオマスマーク」(写真中央)と、海洋プラスチック問題の解決に取り組んでいることを表す「Plastic Smart」(写真右)を新たにプリントしました。
近ごろは、商品を選ぶ条件として、環境に配慮した製品であるかを重視する人も増えています。写真のように、ロゴがプリントされていると、その判断もしやすいですね。
またこの個包装以外にも、森林認証紙を用いたパッケージ開発もおこなっています。現在は、白い恋人とチョコレートタブレットなどの一部製品に採用されていて、今後も製品も増やしていくそうです。
文化財のデジタルアーカイブデータを活用したパッケージ開発も
また、過去にTOPPANと ISHIYAは、文化財のデジタルアーカイブデータを活用したパッケージ開発も行っています。デジタルアーカイブとは、文化財や歴史資料など高い文化価値があるものを、未来に受け継ぐためにデジタル技術を用いて保存すること。TOPPANは博物館や美術館、寺社などと連携し、文化財のデジタルアーカイブに取り組む企業でもあります。
その技術を活用したコラボ商品も販売されています。デザインは、日本を代表する浮世絵師である、葛飾北斎の『北斎漫画』と『冨嶽三十六景』を採用。。お菓子のパッケージに浮世絵を使うことで、気軽に文化財に触れることができ、日本美術に興味をもつ人が増えるきっかけにつながるかもしれません。
メーカー×印刷会社の協業でサステナブルな未来を
さまざまな問題と向き合わなければらない現代社会。近年、多くの企業がSDGs活動などを行なっていますが、単独の組織でおこなえることには限りがあります。自社の強みを活かし、他社と協力しながら、新しいソリューションやアクションを生み出すことは、持続可能な社会を実現するためにも重要なこと。今後もISHIYAとTOPPANのような、協業によって生まれるサステナブルな取り組みが日本で増えていくといいですね。
Text:Yuki Tsuruda