世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、日本財団ボランティアセンターが行った、ボランティア活動に関する意識調査について、ご紹介します。
ボランティア活動ってしたことある？ 1万人の学生アンケート結果を見てみると…
被災した地域や、大規模イベントなどへのボランティア派遣や、ボランティア団体の支援をおこなっている「日本財団ボランティアセンター」が、6年ぶりに「全国学生1万人アンケート～ボランティアに関する意識調査～」を実施した結果を公表しました。
1万人もの学生の声は、リアルを知るための貴重なデータ。ボランティア活動についてどう考えているのか、見てみましょう。
増えている？ボランティア活動への参加
前回、調査がおこなわれたのは2017年。その間、コロナ禍が挟まっていて、人の移動や接触の制限、イベントの開催制限がされたこのも影響しているためか、ボランティア活動に参加したと回答した人数は、2017年と比べて減少しています。
とはいえ、参加意思としては、「参加していない」と答えた学生の半数以上が、「参加してみたい」と回答しています。行動制限がなくなり、イベントが開催されるようになったことに加え、高齢者や子ども、自然環境に関することなど、ボランティア活動が必要となる分野が増えていることも関係するのかもしれません。今後、ボランティア活動に参加する学生の数が増えていくのか、注視したいところですね。
ボランティアをやってよかったことは？
ボランティア活動というのは、当然、見返りを得るためにするものではありません。ですが、活動を通して得られることは多いもの。「参加した」と答えた学生が、ボランティア活動から得られたこととしては、「さまざまな人との交流ができた」「人の役に立てた」「新しい体験ができた」といった項目が目立っています。
また、「視野が広がった」や「新しい知識や知見が得られた」といった項目も、低いものではありません。活動をとおして、普段は交流がない人と出会い、一緒に取り組むことで、得られることは多いでしょう。
次に、ボランティア活動を行うにあたって、求めているサポートの内容についてのアンケートでは、最も多い答えは「交通費の補助」で、全体の約7割でした。次に「宿泊費の補助」が66.6％、「食事の提供」64.5％となっています。活動へのモチベーションはありつつ、やはり自由になるお金は限られているということで、ボランティアにかかる経費について、補助があればうれしいという意向が見て取れます。
最後に、ボランティアへの興味や経験と幸福度の関係についてご紹介します。「ボランティアへの興味あり、活動あり」と答えた人は、幸福度についての調査で7点以上をつけた割合が70.7％と、高い割合になりました。「ボランティアへの興味なし、活動なし」では64.2％だったので、幸福度にも影響しているといえるでしょう。グラフでは6点を境に、ボランティアへの興味や参加経験のあるなしが逆転する現象が見て取れます。
ボランティア活動ってなんだろう？
「ボランティア活動」と聞くと、世のため人のため……という意識から、ちょっとハードルを高く感じたり、「意識高い系の人がやるでしょ」と感じて、敬遠してしまう人もいるかと思います。しかし、ボランティア活動を通じて、新しい体験ができ、さまざまなものごとが得られること、さらに、自分の幸福度が高くなることがわかった調査結果でした。
人間、ひとりでは生きられません。「何かをしてあげる」ためにするのではなく、社会にコミットするきっかけとして、ボランティア活動を捉えなおしてもいいかもしれませんね。
「全国学生1万人アンケート～ボランティアに関する意識調査2023～」調査概要
調査対象：18歳～26歳の大学生、大学院生、短期大学生、専門学校生、高等専門学校生
回答数：10,519人からランダムサンプリングにて10,000人に調整（前回2017年の調査結果との比較のため）
調査時期：2023年10月6日から11日まで
調査方法：インターネットリサーチ（スマートフォンSNSアプリを利用）
Text：Itsuki Tanaka
