世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、製菓業界で広がっているサステナブルな取り組みについてご紹介します。
リニューアルされた「明治 ザ・チョコレート」
コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどで手軽に買えるチョコレート菓子。そんなチョコレートの従来のイメージを変えるようなオシャレなパッケージデザインと、産地によって異なる香りや味が楽しめることで人気の「明治 ザ・チョコレート」が、配合や製法をブラッシュアップし、パッケージのリニューアルを行いました。
味は全部で4種類。カカオ本来の香りを楽しめるようにと、香料は使用せず、チョコレートの厚みにもこだわりました。またカカオ豆は、明治の社員が実際に産地へ行き、生産農家の人々と持続可能な栽培方法で生産した「明治サステナブルカカオ豆」を使用しています。
これまで明治は、「カカオに関わるすべての人を幸せにしたい」という考えをもとに、「明治サステナブルカカオ豆」をはじめとして、さまざまな取り組みを実施してきました。そのうちのひとつに、今年で17週年を迎える「メイジ・カカオ・サポート」があります。
17周年を迎えたメイジ・カカオ・サポートとは?
「メイジ・カカオ・サポート」とは、明治が2006年から独自に行っている「カカオ農家支援活動」のこと。近年、カカオ生産地域では、農薬の過剰利用や森林伐採などによる環境破壊、また児童労働や農家の貧困など、さまざまな問題が発生しています。
抱えている問題も産地によって異なるため、解決するには、それぞれの地域に適した支援が必要です。そのため「メイジ・カカオ・サポート」では、それぞれの産地に合わせた生産性や収入面でのサポートを行い、カカオ農家の暮らし向上をめざしています。
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例えば、ガーナ共和国では、苗木の寄贈や人々の生活のために井戸の提供、気候変動に適応する栽培方法や森林への影響が少ない農業についての指導などを実施しています。またドミニカ共和国では、農園や周辺地域の環境改善を目的に、資源ごみの分別回収箱を寄贈し、その数は2022年時点で132箱にものぼります。またペルーでは、高品質なカカオ豆の安定した生産のための発酵箱を51箱寄贈しました。
カカオ農家を支援する動きは他の企業にも
カカオ農家への支援は、明治だけでなく、他の企業でも広まっています。
ベルギー発のチョコレートブランド「ROSALIE(ロザリー)」では、カカオ生産者の生活の改善や子どもと自然を守るプログラム「ココアホライズン」をサポートするカカオを使用。2024年1月1日〜2月15日の期間中に、お菓子を入れる袋「ロザリーショッパー(1枚30円)」を購入すると、1枚につき10円がコートジボワールのカカオ農家を支援するために活用されます。
その他にも、「パイの実」や「コアラのマーチ」などで知られる株式会社ロッテ(以下:ロッテ)では、ガーナの児童労働をなくすために、暗号技術を使い、取引を記録する「ブロックチェーン」を活用した実証実験を開始しました。
今回の実験は、「CLMRS (児童労働監視改善システム)」の情報と、カカオ豆の生産や流通の履歴(トレーサビリティ情報)を紐づけ、原料の調達から生産、販売までに、どれほど児童労働のリスクがあるのかを可視化し、把握することが目的です。
児童労働は世界的な問題のひとつであるため、今回の実証実験に今後も注目していきたいですね。
持続可能な未来へ。わたしたち消費者にできること
現在、カカオ農家を支援するために、さまざまな企業やメーカーが動き出しています。この流れを後押しするために、わたしたち消費者にも変化が求められています。「おいしさ」や「手軽さ」、「パッケージのビジュアル」だけでなく、フェアトレードや、カカオ農家の支援に積極的に取り組んでいる企業のチョコレートを選んだり、産地について調べてみたりと、できることから始めてみましょう。
Reference:
ガーナ・カカオ生産地の児童労働|特定非営利活動法人 ACE
Text:Yuki Tsuruda