「気になる10代名鑑」の560人目は、小松遥さん（19）。多摩美術大学で、テキスタイルデザインを専攻しています。創作のテーマが定まっていないからこそ、日々考え続けることを大切にしていると話す遥さんに、いま心がけていることやこれからチャレンジしていきたいことなどについて、詳しく聞いてみました。
小松 遥を知る5つの質問
Q1. いま、力を入れて取り組んでいることを教えてください。
「多摩美術大学で、テキスタイルデザインを専攻しています。授業では主に染織やドローイング、色彩などについて学んでいます。もともとクラシックバレエを習っていたので、舞台美術に興味があったこともあり、高校1年生のときから、漠然と美術へ惹かれはじめました。
いまは日々の課題をこなすのに精一杯だし、まだ自分の創作活動のテーマと言えるものは定まっていないのですが、色彩豊かな作品をつくることが多いです。直近だと、沖縄県で見たガジュマルの木にインスピレーションを受けて、生命力を感じられるような帽子をつくりました」
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Q2. 具体的にはどんなアクションをしていますか？
「いまは教授が提示したテーマに合わせた作品の制作をつくっていますが、自分の感情と考えを他の人に共有することを心がけています。そのためにも、常に感じたことや考えたことをノートに書いたり、絵で表現したり、こまめに書き留めるようにしています。
そうやって考えたことを友達や親に話して、議論することも。自分ひとりで考えるよりも、ほかの人の考えも知ることで、視野がより広がるから。それに、大学に入って出会った友達は、わたしにはない感性をもっているので、共有するのが面白くて。同じ授業を受けて、同じテーマで課題が与えられても、解釈や作品のアウトプットが全然違うんです」
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Q3. 活動を始めたきっかけは？
「初めて創作活動をしたのは、高校生のとき。『課題研究』という、個人で興味のあるものについて調べたりつくったりする時間があって、そのときに舞台衣装をつくりました。結果的に服をつくったんですが、そのときは服をつくりたいと考えていなくて。それよりもただ単純に、自分の手で何かを生み出したい、という思いがありました。
テキスタイルデザインを専攻しようと決めたのは、多摩美の卒業生でもある、アーティストの小林万里子さんの存在が大きいです。受験生のときに小林さんの作品を見て、既存の枠や大きさにとらわれない作品をつくっているのに憧れました。実際の作品を目の当たりにしたとき、わたしも小林さんのように、ビッグなものをつくっていきたいと思ったんです」
Q4. 創作をする中で、壁に感じることはありますか？
「創作活動をしていると、いまどこに向かっているのか、自分の作品が独りよがりなものになっていないか、不安になることがあります。
わたし自身、日々考え続けることを大切にしてはいますが、考えることはときに苦しく、放棄したくもなることもあります。けど、考え続けた先には必ず何か得られるものがあるし、その過程はこれからつくっていく自分の作品への深みにつながると信じて、取り組んでいます」
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Q5. 将来の夢は？
「表現者として、ビッグなものをつくっていたいし、わたし自身もビッグな存在になりたい。具体的な目標や夢は決まっていないけど、ひとりでも多くの人に自分の作品を見てもらいたいし、自分の作品で人の心を動かせるようになりたいです。
憧れは岡本太郎さん。渋谷駅に設置されている巨大壁画『明日の神話』のように、たくさんの人の目に触れる場所に、あんな大きいものをつくれたら幸せだろうなって思います。そして、いつかは自分のつくったものを土に返すなど、自然に還元するようなことにもチャレンジできたらいいなと思っています」
小松 遥のプロフィール
年齢：19歳
所属：多摩美術大学 生産デザイン学科 テキスタイル専攻
出身地：茨城県
趣味：音楽鑑賞
大切にしている言葉：変化を恐れない
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Photo：Eri Miura
Text：Ayuka Moriya
