「気になる10代名鑑」の543人目は、堀田治希さん（19）。「多くの人と関わることで自分の価値観を磨く」というビジョンのもと、バーでのアルバイトやヒッチハイクでの旅など、独自のチャレンジを続けています。取材後すぐに20歳の誕生日を迎えるという堀田さんに、10代最後の言葉として、活動についての思いや今後の展望について聞いてみました。
堀田治希の活動を知る5つの質問
Q1. いま、力を入れている活動は？
「たくさんの人と出会い、関わることです。学祭の実行委員や軽音サークル、学生団体など、さまざまなコミュニティに参加していますが、なかでも、半年前に始めたバーでのアルバイトを頑張っています。
学生だけでなく、普段はあまり接しないような人たちが、どんなことを考えて生活しているのかを知ることができるし、幅広く交流できる、魅力的な仕事なんです。相手との心地いい距離感やコミュニケーションの温度感を見極める練習にもなっています。
アルバイト以外にも、夏休みを使って、名古屋までヒッチハイクしたりも。人との出会いを楽しみながら、他の人とはちょっと違う、自分なりの挑戦を重ねています」
Q2. 活動を始めたきっかけは？
「以前は、集団の中で話すことにとても緊張してしまう、人見知りなところがあって……。でも、中学生のときに推薦されて生徒会に入って、全校生徒の前で演説をしたり、お笑い好きの友達に誘われて、みんなの前で漫才をやるという経験をしたりしたんです。
はじめはやっぱり怖かったですが、案外、自分のチャレンジをポジティブに受け入れてもらえるんだということに気づいたんです。それから、人前で話すことへの抵抗が減って、面白そうなことに挑戦できる自分になれました。
もっと視野を広くもって、いろんな人と話してコミュニケーションを築いてみたいなと思うようになって、いまの僕がいます」
Q3. 活動のなかで意識していることは？
「『自分から動くこと』を大事にしています。高校在学中にフランス留学をしたかったのですが、コロナ禍で難しくて……。そんな宙ぶらりんになったタイミングで、附属校に通う高校生のコミュニティを作りたいという話をもちかけられて、メンバーとして活動することになりました。
そこで、いろんな同世代の人間と出会って、とにかく刺激されました。自主的に国際交流をしたり、ビジネスコンテストに参加したり、自分で選んだ課外活動に打ち込んでいる姿を見て、自分も考えているだけじゃなくて、動かないともったいないと思ったんです。僕ももっと貪欲に、チャレンジすべきなのだと学びました」
Q4. これまでの活動のなかで、影響を受けたものは？
「藤本タツキさんの漫画『ファイアパンチ』です。この作品の中では、死んだら、天国でも地獄でもなく『映画館』に行くという死生観があり、そこに魅力を感じていて。
死後、自分の人生という『映画』を、劇場で客観的に振り返る……。そんな視点をもって『いまの自分の人生を映画館で見たら、どんな感じに見えるんだろう』ということをよく考えるようになって。できれば自分の『映画』は、アカデミー賞を獲れるくらいに、面白くて見応えのあるものにしたい……。
そう考えたときに、どんな結果になったとしても、何かに真剣に取り組んで挑戦するシーンがあったほうが絶対に面白いし、そんな『映画』を僕は観たいと思うんです。僕の行動力の源になっていると言える大事な作品です」
Q5. 今後、やってみたいことは？
「いま考えているのは、自分でお店を出して経営することです。バーでのアルバイトや、いろいろなコミュニティでの活動経験を活かしながら、経営に挑戦してみたい。そこに、いろいろな挑戦している大学生たちが集い、語り合い、刺激を与え合う空間をイメージしています。
将来的には、人と関わる楽しみがある、経営系のコンサルタントに興味をもっています」
堀田治希のプロフィール
年齢：19歳
出身地：神奈川県
所属：早稲田大学商学部、早稲田祭運営スタッフ、軽音サークル
趣味：音楽鑑賞、ランニング
特技：小指の第一関節だけを曲げられること
大切にしている言葉：有言実行
Photo：Eri Miura
Text：Chihiro Bandome
