「気になる10代名鑑」の561人目は、山田遼祐さん（19）。東京大学薬学部の大学院で、カニの一種『キンチャクガニ』を薬学の視点から研究しています。将来は新薬の開発に携わりたいと語る山田さんに、そのテーマでの研究を始めたきっかけや今後の展望について、詳しく聞いてみました。
山田遼祐を知る5つの質問
Q1. いまいちばん力を注いでいる活動は？
「東京大学薬学部の大学院の研究室をお借りして、『キンチャクガニ』というカニの研究を行っています。
キンチャクガニは、いつもイソギンチャクを保持している、とても変わったカニです。研究では、カニが保持できるイソギンチャクの種類と、そのイソギンチャクが持つ毒性に有意な関係があるかどうかについて調べています。現在は過去の論文を読み直して、今後どう研究を進めていくかを調査している段階です」
Q2. そのテーマで研究を始めたきっかけは？
「高校生のとき、テレビでキンチャクガニの特集をみたことがきっかけです。ハサミに常にイソギンチャクを持っている姿がとても印象に残ったんです。最初は単純に面白そうだなと思って、生物部の友人と研究活動を始めました。
まずは研究資金がないことには始まらないと思い、リバネスさんが主催している賞金付きの研究発表大会に出場しました。そこで賞金をいただき、メンターもついて、本格的に研究に取り組み始めました」
Q3. 悩みはありますか？
「悩みとは少し違うかもしれませんが、時間が足りないなとずっと思っています。いまは研究以外にも、大学の勉強やアルバイトなど、やることがたくさんあって、それをこなすことで精一杯で……。でも、もっと研究を頑張りたいし、授業にももっと予習をしてから望みたいと思っていて。
あとは、音楽が好きなので、音楽をつくってみたいとも思っています。高校生のとき、『高校生ラップバトル選手権』を見たことでラップに興味を持ち始めて。ビートに合わせて自分の言葉を乗せてみたり、時間があったらやってみたいです」
Q4. 最近新しく始めた挑戦はありますか？
「アルバイトで、東大発の知識集団『QuizKnock』のYouTubeチャンネルの動画編集を始めました。45分から90分くらいの素材動画を、要望をもとにカットして、テロップをいれてｍBGMをいれて……など、すべてをこなして動画を完成させる仕事です。
動画編集をやるのは初めてでとても大変ですが、社員さんの指導をうけながら頑張っています。この技術は将来的になんらかの形で役に立つと思っているので、今後も続けていきたいです」
Q5. 今後の展望は？
「将来は、世界中で苦しんでいる気象疾患・難病患者の手術などを、身体的負担がなく治療することができるような新薬を開発していきたいです。このまま大学で研究を進めて、博士課程まで進みたいと思っていて。人生を捧げる覚悟で、薬学に携わっていくつもりでいます。
また、東京大学には推薦で入学したので、そこを活かして、東京大学での生活などを発信することにも興味があって。まだ大学1年生なので、面白そうだと思ったことにはどんどん挑戦していきたいです」
山田遼祐のプロフィール
年齢：19歳
出身地：神奈川県藤沢市
所属：東京大学、 QuizKnock
趣味：テニス、サーフィン、音楽を聞くこと
大切にしている言葉：
Photo：Eri Miura
Text：Chikiri Kudo
