「気になる10代名鑑」の520人目は、保科宇里さん(18)。動物実験について、もっと多くの人に知ってもらいたいという思いから、絵本を制作しました。社会問題をもっと身近に感じてほしいと語る保科さんに、活動をはじめたきっかけや今後の展望について、詳しく聞いてみました。
保科宇里を知る5つの質問
Q1. いま、いちばん力を注いでいる活動は?
「動物実験をテーマにした絵本をつくって、その絵本を軸に、ワークショップや体験型展示を行っています。動物実験は、シャンプーや化粧品といった、よく日常で使っているものの開発でもおこなわれているのに、あまり注目されにくい問題だと思っていて……。
だからこそ、絵本というかたちで親子2世代にアプローチしていけたらと思ったんです。『動物実験に反対するべき』と主張したいのではなく、ある課題について受け止めたうえで、自分はどう思うかを考えてほしいと思っています」
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Q2. 活動を始めたきかっけは?
「入学した高校が、高校生活の3年間で100人の大人に出会うことを目標に掲げていたんです。
誰に話を聞こうか考えたとき、動物が好きだったこともあり、『動物保護活動をしている人に取材したいです』と先生に相談したんです。そうしたら、たまたま動物実験を改善するために活動している方を取材できることになって。
そこで、『実験動物は外の光を一度も浴びることなく生涯を終えていく』ということを初めて知りました。その言葉に衝撃を受けて、また動物保護よりも身近なのに、何も知らなかったことに驚いて……。わたしにしかできない伝え方があるんじゃないかなと思ったのがはじまりです」
Q3. 活動をする最初の一歩目は?
「校内でプレゼンを行いました。話すことが得意じゃなかったので、スライドに絵だけを投影して表現したんですけど、プレゼンを終えたとき、泣いている人がいたんです。思いが伝わって嬉しかった反面、動物実験の悪い部分しか伝えられていないと同時に気づかされて、少し悩んでしまいました。
そこから、自分の言葉で伝えることは必要不可欠だと感じたし、悪い面だけじゃなくて良い面も伝えるようにした上で、反対か賛成かはその人自身が考えられるような伝え方をしたいと思うようになりました」
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Q4. 影響を受けたものはありますか?
「ジブリの『魔女の宅急便』は、わたしにとっての人生の教科書です。幼稚園のときから、主人公のキキに憧れていて。13歳で独り立ちして知らない世界に飛び込む姿から、挑戦することで新しい世界が見えるんだということを学びました。
映画を観るのはとても好きで、つらい時期には映画を観て、リフレッシュしたり、気づきを得たりしています。あと、高校に入学してからは、もっといろいろな知識やものに触れたいという思いから、本を読むようにもなりました」
Q5. 今後の展望は?
「『地球に住むすべての生命体が、生まれもった幸せを捨てずに生きられる環境を、次世代に遺せるようなおばあちゃんになること』が、いまのわたしの大きな夢です。
近い夢でいうと、動物実験以外の社会問題についても、アクションを起こしてしていきたいです。ひとりで活動するだけではなく、課題解決に向けて真剣に取り組んでいる企業や団体とのコラボも増やしていきたいなと考えています。
また絵本の活動を続けていく一方で、他にもっといい伝え方がないかを模索して、いろいろなやり方を試していけたらと思っています」
保科宇里のプロフィール
年齢:18歳
出身地:東京都
所属:新渡戸文化高等学校、TBS 地球を笑顔にするACTION
趣味:猫と喫茶と絵とドラム
特技:車の中で本を読んでも酔わないこと
大切にしている言葉:周りの人を大切に、実るほど頭を垂れる稲穂かな
保科宇里のSNS
@shishiy さんに憧れて、初めてロトスコープアニメーションに挑戦してみました…!
シシさんのYouTubeライブのアーカイブから、沢山勉強させていただきました🙇🏻♀️ pic.twitter.com/ljEhRdL5Pf— 宇里 Uri (@uri_ribbon) April 28, 2023
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★note
★WEB
Photo:Kaori Someya
Text:Chikiri Kudo