タイムリーな話題から、カルチャー、さらには社会問題まで、さまざまなテーマについて、リアルな10代の声を聞くシリーズ「10代リアルVOICE」。
今回のテーマは「映画」について。2023年もあっという間に上半期が終わりましたが、これまで、さまざまな話題作が公開されています。中には情報をほとんど伏せた状態で公開日を迎えるといった新しい宣伝方法を取り入れた作品も。そこで、4人のティーンに最近気になった映画や、映画を取り巻く告知方法について、聞いてみました。
1. 中村覚さん「評価が二分している、話題のアニメ作品を早く観たいです」
「いまいちばん気になっているのは、宮﨑駿監督の最新作『君たちはどう生きるか』です。公開したときから観たいと思っているのですが、まだ観にいけていなくて……。まわりの感想を聞くと、評価が極端に分かれていて。でも、そういう作品はきっと面白いはずなので、楽しみにしています。
『君たちはどう生きるか』もそうですが、予告や告知をしないという取り組みは、映画業界の構造的な問題に挑んだ結果だと思います。映画業界は、売上よりも先に製作費と宣伝費用が発生するという課題を抱えています。こういった構造的な課題を、大胆な手法で解決しようと試みることで、映画制作のプロセスをより深く考えることができますし、持続可能な映画業界の成長に寄与することができるんじゃないでしょうか」
2. 讃良さん「相当なファンと知名度が必要そうだけど、情報が少ない映画を観るのはとてもワクワクします」
「最近観た映画は、是枝裕和監督の『怪物』です。友達に勧められて観たのですが、いままで観てきた映画の中で、いちばん刺さりました。
告知についてですが、個人的には、内容の告知を一切しないことでワクワク感が募るし、SNSやネットでも話題になりやすいので、面白いなと思います。ただ、その作品の監督や製作スタジオが、相当の知名度と熱烈なファンがいないと、そもそも成立できないと思います」
3. 渡邉謙二郎さん「シリーズもののホラー映画が気になる!」
「いまいちばん観たいのは、『パラノーマル・アクティビティ7』というホラー映画です。この映画は、カルト集団に潜入してドキュメンタリー映像を撮ろうとする若者たちを描いたシリーズで、これまで1〜6まで見ましたが、緊張感と話のつながりがとても面白いんです。個人的には、ホラーの中でいちばん好きな作品です、今度、Amazonプライムでレンタルして観ようと思います。
予告や告知を一切公開せずに、人気の映画にするのは難しいことだと思います。でも、たとえばある有名な人に映画を観てもらって、その感想を口コミやSNS経由でいろんな人に広めてもらえれば、いろんな人に届く映画にできるんじゃないでしょうか」
4. 高瀬寧音さん「告知されない映画は内容一本で勝負している感じがして、好きです」
「いま気になっている映画は、『しん次元!クレヨンしんちゃん THE MOVIE 超能力大決戦 とべとべ手巻き寿司』です。いままでにないフルCGのクレヨンしんちゃんであり、過去に類を見ない規模の作品だと感じました。
告知なしで公開される映画は増えていますが、マーケティングに頼らず、内容一本で勝負している感じがして、個人的には好きですね。ネームバリューが大きい作品に限りますが、総予算の3分の1を占めるともいわれている宣伝費をカットできるのは大きなメリットになるのではと考えます」
話題のアニメからホラーまで、ジャンルの異なる作品が登場しました。また、告知の方法についても、さまざまな観点から意見が集まりました。映画というのは、10代に限らず、すべての人にとって重要なコンテンツでありながら、今後も宣伝方法から視聴スタイルまで、時代に合わせて変わっていくのかも知れませんね。
Photo:Eri Miura
Text:Ayuka Moriya