タイムリーな話題から、カルチャー、さらには社会問題まで、さまざまなテーマについて、リアルな10代の声を聞くシリーズ「10代リアルVOICE」。
今回のテーマは「2023年上半期に最も聴いた音楽」。今年も上半期が終わり、あっという間に9月。トレンドの移り変わりが激しいシーンの中で、リアルな10代が今年、最も聴いた音楽とは? 今回は4人のティーンに、ランキング形式で、2023年上半期によく聴いた楽曲を聞いてみました。
1. 中村覚さん「コロナによる社会の変化がプレイリストにも影響していると思います」
「プレイリストを見ると、”弾けきったエモ”を表しているなぁと思いました。そこまで意識はしていなかったのですが、コロナ禍とコロナ後の感情の対比が、プレイリストにも現れていると思います。たとえば坂本龍一さんやビリー・アイリッシュさんの曲は、コロナ明け直前の静かな雰囲気に寄り添って、心の重みを響かせてくれました。逆に、YOASOBIさんやShawn Mendesさんの曲は、アップテンポで『とにかくハジけたい!』という、これまで抑えていた気持ちを表現してくれたような気もします」
2. akimiさん「フェスの影響を色濃く受けたプレイリストです」
「普段から、邦ロックを中心に音楽を聴いています。よく聴いているアーティストが『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』をはじめ、音楽フェスにたくさん出ていたので、今年はフェスにも行ってきました。このプレイリストは、フェスの影響をすごく受けていると思います」
3. 高瀬寧音さん「夜にあった楽曲を聴く機会が多かった。最近はK-POPもよく聴いています」
「夜景の撮影など、夜に外出することが増えていて、それもあって上半期のプレイリストは、シックな曲で埋め尽くされていました。 王道とは少しかけ離れたラインナップになっているかもしれません。5位の『Silent Groove』は僕の曲ですが、自分でも気に入っていて、 夜の街並みを眺めながら聴くと没入感がめちゃくちゃあります。
これまでは邦楽ばかり聴いてましたが、最近、NewJeansがきっかけで、またK-POPを聴くようになりました。 ランキングには入っていないですが、特にNewJeansの『Ditto』は、シンプルなビートに明快なメロディ、 不思議な世界観のミュージックビデオも含めて、いままでのK-POPの常識を覆すような曲だと思い、衝撃を受けました」
4. 讃良さん「独自の世界観を持った楽曲が好きで、よく聴いています」
「洋楽、邦楽問わず、普段から音楽をいろいろ聴いています。独特の世界観がある曲が好きです。特にこの5曲は、普段の自分とまったく違う気分に浸りたいときに聴いた曲です。歌詞や曲調などから、一気にその楽曲が持つ世界観に引き込まれてしまいます」
いま流行りの邦楽だけでなく、ジャンルや国など、さまざまなアーティストの楽曲がラインナップしていました。音楽配信サービスが当たり前の時代になり、どんな年代の楽曲でも自由に聴くことができるようになったいま、社会のあり方やライフスタイルの変化などによって、それぞれが、それぞれの気分に合った音楽をチョイスしていることが見てとれます。これからも定期的に、10代のパーソナルなプレイリストをのぞき見していきたいですね。
Photo:Eri Miura
Text:Ayuka Moriya