「気になる10代名鑑」、記念すべき500人目は、倉本茉莉香さん(18)。高校生が研究をおこなうプログラムに参加して、そこで行動経済学というアプローチからの移民問題について、研究をしています。最終的には世界平和に貢献したいという夢をもつ倉本さんに、活動をはじめたきっかけや影響を受けた言葉について、聞いてみました。
倉本茉莉香を知る5つの質問
Q1. 現在行っている活動について教えてください
「6か月という期間で、高校生が学術的な手法を用いて研究するというプログラムに参加しています。そこでわたしは『移民と地元民の摩擦を、行動経済学の手法で軽減することは可能か』というテーマで研究をしていて。いまは研究計画を立てている段階で、論文を読んだり、文献調査を行ったりと、インプットをメインにしています。
自分の研究テーマ以外でも、団体に所属している人たちと勉強会をすることもあります。勉強会に参加すると、関係がないと思っていた分野が、実は自分の研究の助けになると気づくこともあるんです」
Q2. 活動を始めたきっかけは?
「高校1年生の夏から1年間、フランスへ留学に行ったんです。ちょうどロシアがウクライナに侵攻を開始したころで、戦火から逃れてきた移民たちと、フランスに暮らす現地の人たちとの軋轢を目の当たりにして……。
ホストマザーが『ウクライナの移民の人々は、フランスの文化に馴染もうとしないで、自分たちの文化を持ち込んで文句ばかり言っている』と言っていたり、近所にあるスーパーでも移民と現地民が衝突するところを目にしたりと、移民問題が実際にどういったかたちで生活に影響してくるのか、ニュースではわからない部分を知ることができたんです。
日本もこの先、少子高齢化がますます進み、移民を受け入れるんじゃないかと考えて、研究テーマを選びました」
Q3. 活動に影響を与えたものはありますか?
「留学中、フランス人の友達から言われた、『いまという時間は二度と来ないのだから、やらないで後悔するのではなく、やって後悔するべき』という言葉です。
プログラムにエントリーしたり、コンテストに応募したりするとき、やっぱり倍率の高さを見ると『ダメかもしれないし、チャレンジするのはやめとこうかな……』と思ってしまうんです。でもそんなときはこの言葉を思い出して、『やってみなきゃ、結果はわからない』と前向きに考えることができて、恐怖心を克服できるんです」
Q4. 好きなものや、興味があることはありますか?
「エシカルファッションとアウトドアです。
フランスに留学するきっかけになったのは、エシカルファッションについて知りたかったから。もともとファッションがすごく好きだったんですが、『ザ・トゥルー・コスト』というドキュメンタリー映画を見て、自分が好きなファッションが、大量生産・大量消費で誰かを苦しめているということを知って、すごくショックで……。それをきっかけに、エシカルファッションが進んでいるフランスに留学をしようと考えました。
また、小学校1年生のときに富士山を登頂したり、コースの取り方によっては100キロを超えることもあるしまなみ海道を自転車で1周したりするくらい、アウトドアも大好き。家にじっとしていられないタイプで、いつも何か行動していたいし、人と話していたい! だから課外活動で忙しいときも、いまが充実してるなって感じるんです」
Q5. 将来の展望について教えてください。
「世界中の人々が平和に暮らせる、争いのない世界になってほしい。壮大な夢ですけど、そのお手伝いをできればいいなと考えています。そのためにも、時間がたくさんあって、若さを持っている10代のうちに、後悔しないようにいろんなチャレンジをしたい! 大学でもいろんな分野の学問に挑戦して、知識もたくさん吸収したい!
とにかく行動、行動、行動!の10代にしたいんです」
倉本茉莉香のプロフィール
年齢:18歳
出身地:東京都
所属:せかい部、全国高校生異分野融合型研究プログラム、AFS JAPAN68期、トビタテ!留学JAPAN7期、一般社団法人HLAB、高校生のための日本の次世代リーダー養成塾、Y7サミット、箱根neighbor’s Camp
趣味:ヴァイオリン、映画鑑賞、音楽を聴くこと、アウトドア、プログラミング
特技:フランス語
大切にしている言葉:神様さまはわたしたちに成功してほしいなんて思っていません。ただ、挑戦することだけを望んでいるだけです。(マザー・テレサ)
Photo:Eri Miura
Text:Kanon Yoshizumi