タイムリーな話題から、カルチャー、さらには社会問題まで、さまざまなテーマについて、リアルな10代の声を聞くシリーズ「10代リアルVOICE」。
今回のテーマは「タトゥー」について。最近ではデザインも多様化し、日本でもタトゥーを入れている人を以前より見かけるようになりました。一方で、まだまだ抵抗感をもつ人や偏見をもつ人も根強く、いまを生きる10代がどう捉えているのかは気になるところ。そこで、4人のティーンに聞いてみました。
1. 渡邉謙二郎さん「好きなことを自由にできる環境になってほしい」
「タトゥー、肯定派です。誰でも、自分の好きなことをしたらいいと思うから。たしかに、いまの日本だと、怖い印象をもたれていたり、あまり受け入れられてはいないように感じたりすることが多いですが、タトゥーを入れているからといって、全員が悪い人ではないと思います。僕のまわりの人でタトゥーを入れている人はたくさんいますが、みんないい人だし、とても穏やかです。結局、何をするにしても、最後は自分の意思なので、自分がしたいと思うことをして生きていければいいと思います」
2. 高瀬寧音さん「彫らないタイプのタトゥーなどの存在がもっと知られたら、偏見がなくなっていくと思う」
「僕はタトゥーについて、肯定派です。学校での髪型の制限と同じように、タトゥーを彫ったからといって、中身が変わることがないと思うから。僕もどこかにアクセントとしてタトゥーを入れてみたい気持ちはあります。ですが、いまの日本では『タトゥー=反社会勢力』のようなイメージが未だにあるように感じていて……。たしかに威圧感があるのはわかりますが、時代は変わっているし、最近ではヘアカラーのように、直接肌に彫らないタイプのタトゥーもあるし。そういうものがもっと知られたら、偏見も薄まっていくのかなと思っています」
3. 讃良さん「興味はあるけど、入れた後のことを考えると踏み切るのは難しいです」
「タトゥーに興味はあります。でも、いまの日本では理解されづらいし、歳をとって皮膚が伸びたときに汚くなりそう、入れるときに痛そう、温泉に行けなくなる……といった理由から、実際に入れてみるところまで踏み切れません。昔は暴力団とかヤクザのイメージがあったけど、いまはそんなこともないと思うし、外国の方はたくさん入れているのだから、だんだん日本でも市民権を得ていくのではないでしょうか」
4. 中村覚さん「まだ身近な実感はないけど、タトゥーを入れた観光客の方などに触れる機会は増えつつある気がする」
「肯定派というか、否定派というか..….といった感じです。僕のまわりに、まだタトゥーを入れている人はいないと思うけど、気づいていないだけか、入れていてもまわりに言っていないかのいずれかだと思います。でもこの間、花火大会に行ったとき、海外の観光客の方々がタトゥーを入れていたり、タトゥーシールを貼っていると話していたりする声を聞くようになったので、少しずつ広まりつつあるのかなとは感じています。
コロナが落ち着いてきて、また日本にも多様なバックグラウンドを持つ人々が集まるようになっているので、異なる価値観や美意識が交わり、お互いを尊重する文化が芽生えていけばいいなと思います」
10代からは、タトゥーについて寛容な意見が多く寄せられました。価値観の変化を感じつつ、タトゥーを入れることで、MRI検査や献血・輸血に影響があるのも事実。また、シールやペイントであっても、タトゥーを全面的に禁止している施設は多く、未だタトゥーに対する偏見や嫌悪感を抱く人が多い日本では、ファッションの一部として完全に受け入れられる日は、もう少し先なのかもしれませんね。
Photo:Eri Miura
Text:Ayuka Moriya