タイムリーな話題から、カルチャー、さらには社会問題まで、さまざまなテーマについて、リアルな10代の声を聞くシリーズ「10代リアルVOICE」。
今回のテーマは「最近気になるニュース」。日々さまざまな出来事が報道されるなか、いまを生きる10代は、どんなニュースに興味を持ったのでしょうか。4人のティーンに、気になる時事問題について聞いてみました。
1. 中村覚さん「過去100年の中で最悪の被害とも言われる山火事の光景を忘れられません」
「最近気になったニュースは、ハワイでの山火事です。あたり一面が炎に囲まれ、全焼した建物や焼け落ちた森、灰になってしまった車が映し出されていて……。その光景は、胸にくるものがありました。過去100年の中で最悪の被害ともいわれるこの山火事は、自然の壮大な景色が一瞬にして焼け尽くされる姿を、わたしたちに見せたんだと思います。山々が炎に包まれ、風景が灰色の煙に覆われる様子は、距離は離れていますが、決して他人事にはできない、とても悲しい出来事でした」
2. 高瀬寧音さん「メタバースがどのように社会に実現されていくのか、注視しています」
「メタバースの普及に関する報道がとても興味深くて、チェックしています。政府からムーンショット計画が掲げられて、普及が加速しているメタバースですが、各種の窓口業務やショッピングなどビジネスにおいては有効活用される反面、無形の販売物に関する著作権の曖昧さや、高度で専用のセキュリティ対策を要する点など、個人としての普及はまだまだ進んでいかないと思っています。でもムーンショット計画にあるとおり、身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現すれば、より一層、便利な社会になると信じているので、どのように進んでいくのかに注目しています」
3. 讃良さん「よく見ていた芸能人の突然の訃報。ネットの反応も気になりました」
「タレントのryuchellさんが亡くなったニュースです。昔からよくテレビで見ていて、面白いのに賢くて、自分の意見を持っていて、素敵な人だなと思っていたので、ただただショックでした。亡くなられた理由はご本人以外にはわからないし、わたしたちが邪推するべきではないと思いますが、それまでryuchellさんを批判していたSNSアカウントが消去されたり、手のひらを返したような投稿が、ずっとネットに書き込まれているのがとても嫌でした」
4. SHU-TO.さん「たったひとりで異国の地のステージにユーモアを届ける姿に思わず心を打たれました」
「少し前の話になってしまいますが、お笑い芸人のとにかく明るい安村さんが、イギリスのオーディション番組『Britain’s Got Talent』で、日本人初の決勝戦まで勝ち上がったというニュースです。暗い話題が多い中で、とても元気になれる話題だったと思っています。海外の方に刺さるユーモアというのは、やっぱり言語を介さなくても伝わる、言葉のいらない笑いなんだなと痛感したと同時に、日本からイギリスのすごいステージに上がって、たったパンツ1枚でパフォーマンスをして笑わせる安村さんの姿に心を打たれました。
あれだけの大観衆を前に、パンツ1枚で出ていくというのは、とても勇気のいることだと思います。安村さんが海外で成功した姿を見て、ひとつのことをやり続ければ、いつか実を結ぶんだなと感じました」
日々さまざまな報道がされる中で、日本の問題はもちろん、世界で起きている問題にも目を向けているティーンたち。どんなニュースに対しても、自分ごととして捉えようとする姿がありました。
Photo:Eri Miura
Text:Ayuka Moriya