「気になる10代名鑑」の468人目は、小百合さん(18)。多摩美術大学で油絵を学びつつ、人をテーマにした、さまざまなジャンルの作品を創作しています。触れると温度を感じそうな温かみのある作品づくりを大切にしている小百合さんに、創作を始めたきっかけや今後の展望についてうかがってみました。
小百合を知る5つの質問
Q1. どんな活動をしていますか?
「多摩美術大学に通っていて、油絵を学んでいます。創作活動としては、人を主軸にした作品を、ジャンル問わずにつくっています。
大学に入ってから、SNSで作品を公開し始めたんです。始めてから、友人から反応をもらえたり、ありがたいことに、海外の方から購入したいとコンタクトが来たりと、世界が広がってとても嬉しいです! SNSを通して交友関係を広げることの大切さにも気付いたので、批判を恐れず、積極的に発信することを心がけています」
風景課題 pic.twitter.com/mF8g7tRifF
— 小百合 (@lillil__lily) June 25, 2023
Q2. どんなことをテーマに創作をしていますか?
「人を主軸に描いています。人のカタチをモチーフにすることはもちろん、言葉や記憶に着目して、表現することもあります。ときには重めの内容を扱うので、ついつい考えすぎちゃって、手が止まってしまうことも。そういうときは気持ちを切り替えて、楽しい面白いを見つけながら制作するようにしています。
人をテーマに描き始めたことにきっかけはなくて、自然とそうなっていったという感じ。絵を描きはじめたころから、自然と人をキャラクターとして登場させていました。普段から人間観察が好きなので、人間そのものが好きなのが理由なのかもしれません」
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Q3. 創作活動を始めたきっかけは?
「小学校のころ、父が読んでいた『Dr.スランプ』を読んだとき、そのおもしろさに感動して……。将来、絶対にマンガ家になる!と心に決めたんです。だから小さいころは、マンガ家になるために絵を描いてばかりいました。とはいえ、好奇心旺盛な性格なのもあって、マンガ家だけをめざして一心不乱に努力していたわけじゃなくて、興味を持ったことにはどんどん挑戦して……。そのうちに、何になりたいのかわからなくなってしまったんです。
転機になったのは大学受験。最初は、国際系の大学を志望していたのですが、そのときに、ずっと好きだった絵やマンガのことを思い出して、本当にやりたいのはこれだと気付いて、美大に行くことを決めました。『あのとき、思い切って選択してくれてありがとう!』って、過去の自分に言いたいです(笑)」
Q4. 創作をする中で悩みはありますか?
「自分の作品に愛着が強すぎて、客観視できないのが悩み。人の心を動かすための作品が、ひとりよがりの世界になりすぎていないか、不安になります。自分の視点だけにとらわれず、ときにはまわりに意見を求めて、克服していきたいと思っています。
あと、ついつい考えすぎちゃうクセも……。作品をつくることに自問自答してしまって、結局何も描けないことがあるんです。すぐに変えるのは難しいけど、いまの時期は逃げずに、作品にじっくり向き合っていきたいです」
Q5. 今後の展望は?
「人の心が温かくなる作品や、人と人をつなげるような作品をつくり続けていたいです。
マンガ家をめざして大学に入ったのですが、学んでいくうちに、マンガ家ではなく、ひとつの作品を描くアーティストに惹かれるようになりました。とはいえ、マンガ家になることを完全に辞めたわけではなくて。将来は、マンガ家とアーティストを行き来するような存在になりたいと考えています」
小百合のプロフィール
年齢:18歳
出身地:東京都
所属:多摩美術大学絵画学科油画専攻
趣味:雲の観察
特技:家族を笑わせること
大切にしている言葉:とりあえずやってみる
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Photo:Eri Miura
Text:Mai Sugawara