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キリスト教が創作のルーツ。魔術的な意識で絵を描く美大生【堂﨑あおい・19歳】

キリスト教が創作のルーツ。魔術的な意識で絵を描く美大生【堂﨑あおい・19歳】

「気になる10代名鑑」の478人目は、堂崎あおいさん(19)。女子美術大学で油絵を学びながら、個人として、キリスト教をモチーフにした創作をおこなっています。「長い時代を生きる作品をつくりたい」と語る堂崎さんに、独自の創作スタイルを見つけたきっかけや今後の展望について、うかがってみました。

堂崎あおいを知る5つの質問

Q1. プロフィールを教えてください。

女子美術大学で、油絵を学んでいます。創作としては、日々の生活の中にある『目に見えないけれど感じるもの』や『不安や死​​』について、魔術的な意識を用いて描いています。

この魔術的な意識というのは、言い換えるなら、完全に無意識の中で絵を描くということ。自分が意志をもって描くのではなく、自分の内から湧いてくるものに任せて表現するんです。この描き方をすると意識が変わって、作品の雰囲気をいいものにできます​​​​」

 

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Q2. 創作活動のテーマはどのように決めましたか?

わたしの家系のルーツが潜伏キリシタンにあることが深く関係しています。わたし自身、生まれたときからキリスト教を信仰してきたのですが、あるとき、キリスト教に関する歴史に興味をもって、聖書のことをもっと深く知りたいと思って調べ始めたんです。

調べるうちに、魔女狩りのような、矛盾した部分があることを知りました。そこから物事の不完全さに意識が向くようになって、目の前にはないけど、描くことのできるものがあることに気づいたんです。迫害を受けていたり、信仰することが難しい環境にいたりする人々に寄り添うような……そんな作品をつくりたいと思って、いまの描き方になりました」

​​Q3. 創作を始めたきっかけは?

「絵を本格的に描き始めたのは、小学3年生のとき。初めて油絵に触れて、一生これができたら良いのに……と思ったんです。

本格的に美術の道に進むことを決めたのは、大学受験を考え始めたタイミング。多くの作家の生涯について調べる中で、わたしが考える『自立』を、作家活動を通して見つけたいと思ったのがきっかけです。家族や親戚の中に、美術を学んだ人がいなかったので、美大受験を許可してもらうための説得はけっこう大変でした。でも大変だったぶん、いまこの環境で学べていることが、とてもありがたいです」

Q4. 続けている中で、印象的だった「体験」について教えてください?

『PLAYPIT!』という学生団体に誘っていただいて、『壁』をテーマとしたグループ展に参加したことです。『壁』の解釈は自由だったのですが、わたしは『絵を縁取る壁』として捉えて、作品をつくりました。

展示自体も楽しかったのですが、準備をする中で、偶然、木枠を使わず絵を描き進め、あえて変形した作品を作るという​新しいアプローチ方法を見つけたんです。いままで意識を向けていなかった絵の外の領域について考えるきっかけにもなったので、この展示会を機に大きく成長できたように思います」

 

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Q5. 将来の展望​​を教えてください

大学に通っているうちは、いまの創作活動を続けて、わたしが生み出すよりももっと前から生きていて、これから先も生きていく……そんな作品をつくっていきたいです。『出土してきたような作品​​』と言われることが理想です。

将来の職業としては、出版業界に興味があります。文章を通して、誰かが立ち止まって『思い出す』手伝いをしたいんです。作家として、作品づくりを続けるかは悩み中ですね。そのときの自分に任せたいと思います」

堂崎あおいのプロフィール

年齢:19歳
出身地:福岡県大牟田市
所属:女子美術大学
趣味:音楽を聞くこと
大切にしている言葉:大丈夫

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Photo:Eri Miura
Text:Mai Sugawara

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Mai Sugawara

ライター

2002年生まれ、東京都出身。青山学院大学 総合文化政策学部 在学中。Steenzには2022年6月より参加。学生ライターとして「気になる10代名鑑」のインタビュー記事執筆を担当している。

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