2023.09.04 Teen's Snapshots

演技の核となるのは自分自身。ギャルユニットを組みながら役者を志す日藝生【ユウナ・19歳】

「気になる10代名鑑」の474人目は、ユウナさん（19）。日本大学藝術学部で演劇を学びながら、同級生とギャルユニットを組んで、自分らしいファッションを追求しています。演技をするうえでも自分を磨くことを大切にしているというユウナさんに、そのきっかけや大学に入る前の話について、聞いてみました。

ユウナを知るための5つの質問

Q1. プロフィールを教えてください。

「日藝の演劇学科演技コースに通っていて、舞台にも出演しています。

わたしは演技の核として、自分を追求することがいちばん大切だと思っていて。だから演じることだけじゃなく、ファッションスタイルの追求をしたり、リリックを書いたりして、どうしたらわたし自身が『ユウナ』という唯一無二の存在になれるかを試行錯誤しているんです。

その一環として、Meguruっていう大学の友だちと『ぱーちーず★江古田』というギャルユニットを組んで活動をしていて。日藝には、仮装して授業を受けるハロウィンイベントがあるんですが、そこでプロフィール付きのお菓子を配ったり、日藝生がつくるフリーマガジン『侃華かんげ（KANGE）』の裏表紙を飾ったりしました」

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Q2. 活動のテーマを決めたきっかけは？

「大学に入ってから、先生に『自分の演技の価値観を持っておいたほうがいい』と言われたことがきっかけです。

演劇って、与えられた役になり切るのがいいと思われがちですが、実はそんなことはなくて。例えば、消防士の役を演じるときは、消防士になった未来の自分をイメージして演じるほうがいいと思うんです。そうすれば、演技にもっと個性が出て、面白くなるんじゃないかなって。

っていうのも、いまはこんな見た目ですけど、中学生のときは学級委員やっている、ザ・真面目ちゃんタイプで、服装も個性がなかったんです。高校に入っても、芸術系の高校だったので、わたしみたいな女子高生のテンプレみたいな子が少なかったからこそ、特別なんかじゃないって自分を下げていた部分がありました。でも、大学を受験するにあたって、自己PRを30枚くらい書き直したとき、初めて自分がどういう人間かわかった気がして。そのときの自己PRは、いまでも悩んだときには引っ張り出して見ているくらい、大切にしている文章で。

入学してからは、先生の言葉もそうですが、ファッションは完全に相方のMeguruの影響です。昔の自分では考えられないような、はっちゃけた格好もできるようになりました」

Q3. 活動を始めたきっかけは？

「演技を始めたのは、中学生のとき。演劇部に入っていて、そのまま高校も芸術系の演劇専攻に進みました。でも正直言うと、そのときは適当にやっていたし、大学にはいかずに、メイクの専門学校に行くつもりでいました。

でも、東京藝術劇場でやった卒業公演で、演技の先生が2か月間、熱血指導してくださって。そのとき初めて、自分が本当に演技が好きなんだっていうことに気がついたんです。7月に発表が終わったら、次の日には日藝のオープンキャンパスに行きました。

なんとかエントリーシートが通って、AO入試のために作文を毎日1本ずつ書き続けて、おじいちゃん先生がずっとみてくれていたんです。あるとき、不安な気持ちをメールで送ったら、「調子のいいときもあれば、不安定なときもあって、まるで飛行機みたいですね。でもわたしが操縦機をもっていてあげるから、受験が終わるまでは安心しなさい」って返信をくれて……。受験当日も、お守りみたいにこのメールを見返していました」

Q4. 活動する中で悩みはありますか？

「つい生き急いでしまうことです。同級生は、やる気があってポテンシャルが高くて、自分で公演を手がけている子も……。わたしは役者もやりつつ、被写体やファッションなど、他のこともやっていて。いろんな側面を持っていることはいいことだと思うけど、大学に戻ったとき『演劇のわたしは成長していないな』って気づかされることもあります。

でも、そんなときでも、他人を見て焦るんじゃなくて、自分を見て焦らなきゃいけないって言い聞かせています」