「気になる10代名鑑」の450人目は、倉持空さん(19)。都内の専門学校に通う傍ら、学んできたプログラミングの知識を活かし、デジタルアート、ジェネラティブアートと呼ばれる美術ジャンルで、多様な作品づくりに取り組んでいます。デジタルアートをたくさんの人に楽しんでもらえうように活動しているという倉持さんに、作品づくりで大切にしていることや今後の目標について聞いてみました。
倉持空を知る5つの質問
Q1. いま、力を入れていることは何ですか?
「デジタルアートやジェネラティブアートの創作活動に取り組んでいます。ジェネラティブアートというのは、アルゴリズムや数学的手法を用いるアートのことで、簡単にいうと、プログラミングで絵を描くこと。高校時代、工業系の学科にいたこともあって、もともとプログラミングが身近な存在でした。
アートとしてつくり始めたのは1年半ぐらい前からで、きっかけは高校時代の情報の授業でした。これまでつくってきた作品は、InstagramやTwitterなどのSNSで投稿していて、最近ではOpenseaというサイトで、NFTとして作品を販売もしています」
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Q2. どんなことをテーマにして、創作活動をおこなっていますか?
「デジタルアートの多様な表現をより多くの人に見てもらうために、一見同じように見える作品でも色を変えるなどして、いくつかのパターンをつくって投稿しています。
作品によってテーマやコンセプトはさまざまですが、プログラミングで実現可能な表現を追求し続ける姿勢は、忘れないようにしています。SNSやインターネットで『ジェネラティブアート』と調べると、僕の作品よりも複雑で完成度の高い作品がたくさん出てきます。理想とする作品を生み出せるようになるためには、もっと自由自在にプログラムを組めるスキルが必要なので、いまは多くの技術を身につけながら、試行錯誤して作品づくりをしています」
Q3. 活動するうえで、大切にしていることを教えてください。
「日ごろからリファレンスを集めたり、作品のアイディアが浮かんだらメモをしておくことを大切にしています。普段は専門学校に通っているので、学生生活と両立するためにも、制作に多くの時間を費やしすぎないようにしていて。
逆に、制作時間に入ったら、すぐに作品づくりに取り掛かれるように、どんなプログラムが必要なのかをイメージトレーニングしたり、プログラムが複雑で理解しずらくなったときにだけ、プログラムを組むために必要なフローやチャートを書き出したりするなど、効率的に作品をつくれるように心がけています」
Q4. 創作活動以外に好きなものや、興味があることはありますか?
「映画を観ることが好きです。作品づくりをする際も、映画のシーンからインスピレーションを受けることがあります。特に『インターステラー』や『TENET』、『インセプション』など、クリストファー・ノーラン監督の作品がお気に入り。どの作品も、ちゃんと理解しようとすると科学の専門的な知識が必要で、難しいと言われることもありますが、ノーラン監督の徹底的に色彩効果を追求する姿勢に惹かれます。普通ならCGを使うような場面でも、実物を用意して撮影するそうで……。映画を観るたびに、どの場面もまるで絵画を見ているかのような魅力を感じます」
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Q5. 今後の展望や将来の夢を教えてください。
「大きな目標は、個展を開くことです。まだまだデジタルアートやジェネラティブアートの認知度は高いとはいえないけど、もっと多くの人に知ってもらえたら、アート業界は大きく変わるんじゃないかと思っています。だからこそ、まずはたくさん人にジェネラティブアートの存在や魅力を知ってもらって、楽しんでもらうためにも、作品をSNSで発信し続けていく予定です。
いつか海外で暮らしてみたいという夢もあるので、アートがより生活に身近な欧米に、いつか拠点を置いてみたいです。そして、どんな形であれ、創作活動が続けられたらいいなと思っています」
倉持空のプロフィール
年齢:19歳
出身地:埼玉県春日部市
所属:神田外語学院
趣味:SF映画を観ること、小説を読むこと
大切にしている言葉:失敗も成功も糧にして
倉持空のSNS
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Photo:Eri Miura
Text:Ayuka Moriya