世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする、「Steenz Breaking News」。今日は、アフリカの水問題の解決に貢献するホテルについてご紹介します。
空気から水をつくるホテル「BAOBAB Luxury Safari Resort」
アフリカに、世界初となる、エコツーリズムを意識したホテルが建設されました。「BAOBAB Luxury Safari Resort」というこちらの施設は、イタリアとトルコを拠点に活動する建築デザイン会社「MASK ARCHITECTS」が設計。パッと見でインパクト大な、円錐状のな外観は、バオバブの木をイメージしています。
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このホテルの大きな特徴は、水をつくれること。使用されているカーテンガラスは、透明な太陽光発電装置で覆われており、それをもとに空気から水を生み出します。生成された水は専用のタンクに集められ、一定量になると、水を必要としているアフリカの各地域に送られます。
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設計を担当したMASK ARCHITECTSは、「水は贅沢品ではなく、誰もが利用できるものでなければならない」と話しており、リゾート施設の建設を通して、水問題の解決や、水を必要としているアフリカの人々やコミュニティへの貢献をめざしています。
深刻なアフリカの水問題
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日本ユニセフ協会によると、世界には、約6億6,300万もの人が、安全な水を飲める環境が当たり前ではない環境で暮らしています。その半数近くを占めるのが、アフリカ諸国の人々。現在もなお、池や川、整備されていない井戸などの、衛生的ではない水を飲んでいます。
浄水処理の行われていない水は、泥や細菌が含まれていることも多く、抵抗力の弱い子どもが飲むと、下痢をはじめ、さまざまな病気を引き起こす危険性も……。汚れた水が原因で命を落とす乳幼児は、年間30万人にものぼるといわれています。
また、近くに井戸がない場所に居住している人も多く、遠くへ水を汲みに行かなければいけません。なかには、水汲みに何時間も費やす子どもも……。それによって学校へ行く時間が奪われ、子どもたちの学習機会も失われているのです。
異なる水問題を抱えるアフリカの国々
このように、深刻な問題となっているアフリカの水事情。しかし、必要な水道整備や改修の課題は、地域によってさまざまで、容易ではありません。
例えば、高低差が激しい土地のルワンダでは、水道管を通すとなると、破裂しないように細かい圧力管理をする必要があります。しかし、管理が十分に行き届かず、水道管が破裂して漏水してしまうことが、大きな問題となっています。
一方、南アフリカ共和国では、ひと家庭あたり、毎月5トンまで水を無料で使用できますが、使用料を測るメーターの設置率が低いため、漏水が起きても把握できなかったり、正確な使用料がわからないことから、適正な料金を徴収できず、安定した供給につながりにくいという問題を抱えています。
さらに近年では、人口が都市部に集中しているため、安全な水を手に入れられる人の割合が村落部では上がる一方、都市部によっては、以前より低くなる事態も起きているそう。
日本では、水道の蛇口をひねれば、きれいで安全な水が出ることが当たり前な環境です。しかし世界には、安全な水を手に入れられる環境が整っていない国があることも事実。そういった国々が、存在することを忘れないようにしたいですね。
Reference:
一筋縄ではいかないアフリカの水問題に、情熱とチームワークでインパクトを起こす【国際課題に挑むひと・3】｜独立行政法人 国際協力機構
どんなに汚くてもこの水を飲むしかない……。｜日本ユニセフ協会
MASK Architects has designed the world’s first Eco-Tourism based BAOBAB Luxury Safari Resort in Africa which produces its own water autonomously by using Air to Water technology that is powered by transparent solar device
Text：Yuki Tsuruda
