「気になる10代名鑑」の409人目は、さえさん(17)。今年の初めに、関東を拠点に活動する学生団体√youを立ち上げ、現在は代表を務めています。もともと夢を語ることや大きな目標を掲げて活動するタイプではなかったさえさんが活動を始めたきっかけや、今後やっていきたいことについて、詳しく聞いてみました。
さえを知る5つの質問
Q1. いま力を入れて取り組んでいることは何ですか?
「『学生団体√you』という団体を立ち上げ、その代表をしています。今年の初めに発足させたばかりで、高校生から大学院生まで、10名ほどのメンバーが集まって活動しています。現在は夏に開催するイベントを企画している真っ最中。詳細はまだ言えないんですが、進路や夢に悩む学生の可能性が広がるような、学生のためのイベントを開催する予定です。
わたしたちの団体は、メンバー各々が自分の軸を持っていて、すごく人間味とパッションにあふれています。意見や考え方それぞれは違いますが、そういった違いを認め合いながら、お互いの良さを高め合える関係性が築けていると思います」
Q2. 活動を始めたきっかけは?
「課外活動を始めたのは『NPO法人ブラストビート』という団体での活動がきっかけです。学生数人でチームを組み、100日間で音楽イベントを企画するというプロジェクトで、実際にアーティストを招いて開催しました。
もともと楽器を演奏したり、歌ったりすることに興味があって。でも学校や部活動との兼ね合いで、なかなかそういった活動にチャレンジする機会がなかったんです。そんなとき、音楽にかかわれる活動をしているこの団体を知って、100日間なら、部活や勉強と両立しながらできるかも……と考えて、参加を決意しました。
無事にイベントも終了し、ブラストビートでの活動は終えたのですが、仲間といっしょに何かつくりあげていく経験をもっとしたい!と思うようになって。他の学生団体に所属する選択肢もあったのですが、自分にしっくりくるものを見つけられず、まずはできることからやってみようと、友達と一緒に団体を立ち上げることにしたんです」
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Q3. 活動をするうえで大切にしていることは?
「関わりのある人を大切にすること。具体的には、人にどれだけ好かれるか、ではなく私がどれほど人を大切にできるか、と考えるようにしています。まわりに変化を与えるには、まずは自分から変わっていかなければと思ったんです。どういう言葉だったらより伝わりやすいかを意識したり、いいと思ったことをありのまま伝えるコミュニケーションを心がけたりしています。
それと、団体のビジョンで『夢』を掲げているのですが、そこには小学校のときに夢を熱心に語っていた友だちが、それを叶える前に亡くなってしまったことが影響していて。明確な夢ややりたいことがあっても、何らかの理由でやれなかったりする人がチャレンジできる環境をつくりたい。その思いを大切に、活動をしています」
Q4. 自身の考えや活動に影響を与えたものはありますか?
「河崎愛美さんの『あなたへ』という本です。中学1〜2年生のときにたまたま図書館で見つけて読みました。この本を河崎さんが書いたのは15歳のとき。わたしとほとんど年齢が変わらないのに、どうしてこんな表現ができるんだろう……と衝撃を受けたことを、いまでも覚えています。
この本を通して、生きることの意味を考えるきっかけになったし、いまの私の活動とも通ずる部分も多く、影響を受けていると思います」
Q5. 活動を通して実現させたい未来やビジョンがあれば、教えてください。
「『努力だけでは報われない』という現実から、『一歩動けば報われる』世界になってほしいと思っています。
最近、夢をもたない、もてない人が増えているという話をよく聞きます。以前はわたし自身、『夢をもとう』と言われても、なかなかそれが難しいタイプでした。だから、誰しも夢を持つべきだ、と強制するわけではないのですが、誰もがやりたいことや夢を見つけやすい環境づくりをしていく必要性はあると思います。
そのために、自分が興味のあることや好きなことを誰かの前でやってみる経験が必要だと思っていて。わたしたちの団体でも、イベントなどの機会を通じて、『誰かのやってみたい』の最初の一歩を踏み出すサポートをしていきたいです」
さえのプロフィール
年齢:17歳出身地:神奈川県所属:洗足学園高等学校、学生団体√you趣味:音楽、歌うこと、描くこと大切にしている言葉:努力だけでは報われない
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Photo:Eri MiuraText:Ayuka Moriya