「気になる10代名鑑」の398人目は、igarashiさん(19)。武蔵野美術大学で学びつつ、「生と死」をテーマに創作活動をしています。言葉で掬いきれない自身の思いを作品に込めていると語るigarashiさんに、創作活動を始めたきっかけや、将来の展望についてうかがってみました。
igarashiを知る5つの質問
Q1. プロフィールを教えてください。
「武蔵野美術大学の空間演出デザイン学科で学びつつ、『生と死』を意識した作品をつくっています。普段から、死について考えることが多いんです。生きてるものはいつか死んでしまうけど、死後の世界があったらそれはどんなものなんだろうと想像しながら、創作活動をしています。
この説明をすると、みんなネガティブなイメージで作品を捉えてしまいがちなのですが、そんなことはなくて。あくまでわたしは、ポジティブな感情で作品をつくっていて、『死』がもつマイナスのイメージをプラスに変えたいと思っているんです。作品を見てくれた人に、新たな価値観を与えられるような作品づくりをめざしています」
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Q2. 創作活動をしようと思ったきっかけは?
「小さいころから絵を描くのが好きだったので、特別なきっかけは、特にないんです。好きなことをしていたら、たまたまそれが創作でした。
美大への進学も、ずっと考えていたわけではなくて。美大に進もうと思ったのは、美術系の高校に進学して、まわりの美術へ対する熱意に圧倒されたからなんです。わたしも、そんなみんなと同じくらいの熱量で創作したいと思って、それまでたいして興味がなかった美大を受けることに決めました。自分を表現するアーティストという職業に興味を持ち始めたのも、そのころなんです」
Q3. 続けている中で、印象的だった出会いを教えてください
「今年の3月に、地元の浜松で行った個展で、作品を見ていた年配の方に、『あなたの作品を見ていて、久しぶりに心を動かされました。もう家族もほとんど亡くなってしまって、生きているのがつらいけど、普段考えないことを考えることができました』と言っていただいたんです。そんなふうに声をかけてもらうのは初めてだったので、とても印象に残っています。
新たな価値観を与えたいという願いがかなった瞬間でしたし、わたしが作品に込めたメッセージが伝わったんだってわかって、とても嬉しかったです」
ハッピーセット pic.twitter.com/mlahR5OzCr
— igarashi (@yne76m) April 12, 2023
Q4. ご自身のクリエイティブに影響を与えたものを教えてください。
「高校時代から常田大希さんをリスペクトしていて、特に常田さんが率いているクリエイティブレーベル『PERIMETRON』から、たくさんの影響を受けました。King Gunやmillennium paradeのMVで知ったのですが、他のアーティストやレーベルとは違う、圧倒的な存在感と空気感を持っていて……。その技術はもちろん、随所に見える繊細さは、いつ見ても圧倒されます。
ほかには、海外映画やドラマから強い影響を受けています。特に『ストレンジャー・シングス 未知の世界』は、特別な作品です。映像、音楽、キャストまで、すべてがドンピシャで好みで、わたしの“好き”が詰め込まれたような作品でした。ドラマを観ていると、生きている楽しさを実感できますし、作品のインスピレーションも湧いてきます」
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Q5. 今後の展望、将来の夢はありますか?
「将来はアーティストとして、マルチに活動できる人間になりたいです。美術だけでなく、音楽など他のジャンルも華麗にこなすアーティストになって、多くの人に影響を与えたいです。
いまは絵が主軸ですが、将来像に近づくための一歩として、最近エレキギターを始めました。初心者なのでまだまだなのですが、かっこいい演奏ができるように練習しています。ひとつの分野にとらわれることなく、表現の幅を広げていきたいです」
igarashiのプロフィール
年齢:19歳
出身地:静岡県浜松市
所属:武蔵野美術大学空間演出デザイン学科
趣味:動物を見る、音楽鑑賞、ペットのネズミに芸を仕込む、焼き鯖を見る
特技:普段の生活から奇想天外な事を見つける
大切にしている言葉:気になったらやる
igarashiのSNS
borzoi series pic.twitter.com/DU1cSxn2Zf
— igarashi (@yne76m) March 30, 2023
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Photo:Eri Miura
Text:Mai Sugawara