今後の活躍が期待される、若手俳優/女優を発掘・育成する「私の卒業」プロジェクト。これまでの作品はYOUTUBEで280万回以上も視聴され、昨年は劇場公開もされました。昨年に続き、1000名以上の応募者の中から選ばれたキャストに、「Steenz」が単独インタビューを実施。インタビューシリーズのラストとなる第16弾は、事務所非所属で、初めて挑戦したオーディションで出演をつかみとった阪上はづきさんをフィーチャーします。
未経験だからこそ引け目に感じたことも…でもそれを乗り越えてやり遂げた
今回の作品『18歳、つむぎます』で、おしゃれ好きで流行りや噂話にとても敏感な女の子、鈴木彩役を演じた阪上はづきさん。今作での役づくりに対する情熱や作品の持つメッセージ、また自身のキャリアなどについて、聞いてみました。
ーさっそくですが、初めて脚本をもらったときの感想は?
「作品に関わるの自体が初めての体験で、台本も実物を初めて見たんです。だから、何がどう書かれているのかわからない!ってなっちゃって。でもその台本のキャストのところに、自分の名前が書いてあったことに感動して……。本当に出演できるんだって、実感が湧いてきました」
ー今回の作品で演じた鈴木彩というキャラクターをつかむうえで、意識したことはありますか?
「声を大きくすることと、常に笑っているようにすることです。彩は、おしゃれ好きで噂好きで、とにかくいつも元気で。わたし自身、けっこう明るいタイプなので、そのままの自分のキャラでいけるかなと思ったんですけど、リハーサルのとき、北川監督に『もっともっとテンション上げて』と言われて。確かに、映像を見ると、オーバーなくらい声を張っていても、自然に見えるんです。
あと、落ち込んでいるときのシーンでは、感情の落差をつけるように意識しました。脚本を読んで、彩は感情が顔に出やすい子なんだなって思ったので、普段はいつも笑顔だけど、そうじゃないときは笑顔がスッとなくなる感じを意識しました」
ー阪上さんご自身も、感情が顔に出やすいタイプですか?
「自分ではあまりよくわからないけど、まわりからはちょっとわかりにくいって思われいるかもしれません。本当は言いたいことがあっても、笑って誤魔化しちゃったりすることもあるので。
その点、彩は思ったことを口にできるので、そういうところは尊敬します」
ー役が決まって、ロングの髪をバッサリ切ったと伺いました。
「そうなんです。最初はロングヘアでお団子ヘアにしているキャラの設定だったんです。でも衣装合わせでお団子にしてみたとき、なんか違うなって感じて。ボブで髪を巻いてたりしたほうが、おしゃれ好きの彩っぽいかなと思って。ヘアスタイリストさんに相談して、それから監督さんに相談してみたらそれで行こうと言ってもらえて。バッサリ切ってみました。
髪を切るのはやっぱりドキドキするけど、役がきっかけで髪を切れるのは、なんかすごく嬉しくて! いまはこの髪型をとても気に入ってます」
ー今回が初めてのオーディションだったと聞きました。初めてオーディションを受けた感想は?
「ド素人すぎて、オーディションが進むごとに怖くて怖くて……(笑)。一緒に受けているのは、事務所に入って、すでに活動している方がほとんどだったので、レベルが違いすぎて、そこにいるのが嫌になることもありました。もう東京に行きたくないって思うくらい……」
ーそんなとき、どうやって気持ちを上げて、撮影やワークショップに臨みましたか?
「とにかく最後までやり遂げよう、そう思って頑張りました。わたしよりきっと経験もあって、演技も上手な方がたくさんいて、それでも選んでいただいからには、感謝の気持ちと中途半端になったら失礼になる。そういうプレッシャーを胸に、できる限りの努力をしたつもりです」
ーワークショップや撮影を通して、何か得られたものは?
「参加する前よりも、ちょっと大人になれたかなって思います。いちばん最初のオーディションのZoom審査のときに、『演技でも人としても成長したいです』って言ったんです。それが本当に叶った経験でした。
プロデューサーの高石さんからは、ワークショプでも撮影でも、演技のことだけじゃなくて、礼儀や言葉遣いなど、普通に中学校生活を過ごしていたら得られないような、人間として成長できるようなことを、たくさん教えていただきました」
人前で演技をするのも、誰かと演技をするのも初めてだった
ー今回、「私の卒業」プロジェクトを受けようと思ったきっかけは?
「タイミングが運命的だったからです(笑)。小さいころから映画とドラマを見るのが大好きで。あと、お母さんも以前、女優を目指していた影響もあって。それで自然と女優というお仕事に興味があったんです。
ちょうどオーディションを探し始めたとき、この『私の卒業プロジェクト』のツイートが流れてきて。それを見た瞬間に、運命を感じました。タイミングがぴったりで、ちょうど応募も始まっていたので『これだ!』と思って、直感的に応募しました」
ー今回初めて演技に挑戦してみて感じた、お芝居の楽しさは?
「自分じゃない人の人生を生きることができるというのは、やっぱりすごく楽しかったです。誰かを演じることによって、自分とは違う世界が見られるし、自分じゃない自分になれる。
まわりのメンバーと比べると、全然お芝居は上手じゃないし、演技をするのが苦しいと感じた時期もあったんですけど、何回も練習することで自信がついてきて、楽しいなって思えるようになりました」
ー演技の勉強はどのようにしていたんですか?
「ずっと独学でやってました。誰にも、それこそ親にも見せたことがなくて、ずっとひとりでぶつぶつ言いながら、練習してました。掛け合いとかは、片方のセリフを録音して、その声と一緒に演技してみたり……。
だから、人に演技を見てもらったのは、オーディションのときが初めてなんです。それに、誰かと一緒に演技するのも、そのときが初めてでした」
ーこれからどんな俳優になりたい?
「憧れの平手友梨奈さんみたいに、ダンスもできて、歌も歌えて、演技もできる俳優になりたいです。もしまたチャンスがあれば、普段の自分とはガラッと違った役をやってみたいですね。今回はけっこう自分の性格に似てる役だったので。おとなしめの役やクールな役など、どんな役にでも対応できるような俳優になりたいなって思います」
ー最後に、今作『18歳、つむぎます』をどんな人に観てほしいですか?
「成人する年齢が18歳になったり、学生時代にコロナを経験したり、昔の学生とは違う、いまのリアルな学生の様子が描かれているので、大人の世代の方々にも、いまを生きる私たちの姿を見ていただけたらと思います」
ーありがとうございました!
『18歳、つむぎます 私の卒業 -第4期-』
高校卒業という節目のタイミングは、誰もが人生の岐路に立ち、そこには数々のドラマがある……。そんな18歳の思いや悩みを題材に、若者たちが前向きになれる物語を紡いでいく「私の卒業プロジェクト」の第4期作品。今回は、広島県・福山市を舞台に、同市でロケを敢行。卒業とともに新成人を迎える高校生たちが、大人になることや将来に不安を抱えながらも、前に進んでいく姿を描いている。
公開中の劇場
■予告編
■作品情報
【タイトル】18歳、つむぎます 私の卒業 -第4期-
【出演】 伊礼姫奈 高橋璃央 吉田晴登 佐藤愛桜 植村颯太 白上理桜 相羽星良 加部亜門
舟木健 木村伊吹 山下晃季 城夢叶 SOYO(@onefive) 角心菜 阪上はづき 倉沢杏菜 もか 谷真唯子 永島彩花 堀野内智 牧海斗 涼雅 大山蒼生 大崎凛 風吹ケイ 速瀬愛 小林虎之介 他
【脚本】高石明彦
【監督】北川瞳
【音楽】片田陽依
【撮影協力】福山市 ふくやまフィルムコミッション (公社)福山観光コンベンション協会
【プロデュース】高石明彦 英田理志
【企画・制作】The icon
阪上はづきのプロフィール
さかがみはづき
年齢:15歳(2023年3月現在)
誕生日:2007年8月20日
出身地:奈良県
身長:160cm
趣味:食べること
特技:ダンス、空手、アクロバット
Photo:Kaori Someya
Text:Tomoka Uendo