「気になる10代名鑑」の374人目は、日暮香怜さん(17)。小学生のときからアーティスティックスイミングを続け、さらに学校の友達と課外活動としてプロジェクトを立ち上げるなど、ジャンルを跨いで精力的に活動しています。学業では入学以来、学年1位の成績をキープし続けており、どの活動でも妥協することなくやり切る姿勢を大切にしている日暮さんに、活動のことや影響を与えた存在について詳しく聞いてみました。
日暮香怜を知る5つの質問
Q1. プロフィールを教えてください。
「小学校3年生からアーティスティックスイミングを習っていて、いまは中学生から大学生までが集まる都内のクラブチームに所属して、ほぼ毎日プールにいます。昨年は日本選手権水泳競技大会で第2位になり、日本アーティスティックスイミングチャレンジカップ2022では優勝することができました。
アーティスティックスイミング以外には、同じ高校に通う仲間たちと一緒に『Play Shibuya』というプロジェクトを立ち上げて、その活動にも力を入れています。このプロジェクトでは、高校生がメイクやファッションを学ぶ環境づくりにチャレンジしています。
これは、高校だと規則などでメイクをしたりおしゃれしたりすることが否定的に捉えられているのに、ひとたび社会に出ると、技術が知識が必要とされるというギャップに違和感を覚えたことから始めたアクションです。特に、女性であればなおさらそうですよね。そんな教育現場と社会のギャップに困る人を減らすことができたらって思っています」
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Q2. 活動するうえで、大切にしているポイントはありますか?
「みんなと同じ目標に向かって、取り組むことが好きなので、温度感を合わせながら、一列で物事を進めていくことを大切にしています。例えば、メンバーそれぞれの立場になって考えたり、ひとりひとりが意見を書き出す時間をつくって、全員の意見を取り入れながら決めていったりしています。
アーティスティックスイミングでも、メンバーとタイミングをそろえたり、息を合わせたりすることが常に求められるので、そういう意味ではいまやっているプロジェクトと同じなんです
それに、目標にしていた結果が出せたとき、みんなでその喜びを分かち合える瞬間って最高なんです! だから、たとえひとりでやったほうが早いことだとしても、みんなで進めていきたいって思うんです」
Q3. 活動を通して印象的だった出会いがあれば、教えてください。
「『Play Shibuya』のプロジェクトを進めていく中で出会った大人の方々との出会いは、とても印象的でした。
わたしたちは主に渋谷スクランブルスクエアにある『SHIBUYA QWS』というところで活動しているのですが、そこで『Numéro TOKYO』編集長の田中杏子さんやフェンシングの五輪メダリスト太田雄貴さんとお話しさせていただく機会があって。そこで、自分たちが考えていた領域を超える発想を吸収することができて、プロジェクトの前進につながったと思います。
また、学校の卒業生のネットワークで出会った、資生堂の方やジェンダーニュートラルコスメを扱っている企業の方とお話ししたとき、わたしたちのプロジェクトのことを、自分ごとのように考えて、協力してくださった姿が印象深く残っています」
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Q4. 影響を受けたものは何ですか?
「王貞治さんの『努力は必ず報われる。もし報われない努力があるのならば、それはまだ努力と呼べない』という言葉です。
中学生のとき、アーティスティックスイミングでなかなか思うような結果が残せなくて、悩んでいた時期がありました。ネガティブ思考を脱却したいと思って、メンタルや自己啓発本を読みまくっていたときに、この言葉と出会いました。
また、この言葉の続きにある『自分のためにやるからこそ、それがチームのためになるんであって、チームのためになんて言うのは言い訳だ』っていう言葉も、普段からチームプレーのことを考えている自分には、すごく刺さりました」
Q5. 今後の展望、将来の夢はありますか?
「明確な夢はまだ決まっていません。4月から高校3年生になって、進路と向き合う時間が増えると思うので、これからじっくり固めていきたいです。抽象的だけど、より多くの人が生きやすくなる世の中をつくることに貢献できる人間でありたいし、何か大きなことを成し遂げられるような存在になりたいと思っています。
そのためにも、まずはいま取り組んでいるアーティスティックスイミングやプロジェクト活動、学校の勉強、どれも手を抜かずに、日々成長していきたいと思っています」
日暮香怜のプロフィール
年齢:17歳
出身地:千葉県
所属:ミキハウス東京アーティスティックスイミングクラブ、Play Shibuyaプロジェクト代表
趣味:テレビを見ること
特技:アーティスティックスイミング
日暮香怜のSNS
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Photo:Eri Miura
Text:Ayuka Moriya