2023.03.24 Feature

佐藤愛桜インタビュー！『18歳、つむぎます　私の卒業 -第4期-』公開記念

今後の活躍が期待される、若手俳優／女優を発掘・育成する「私の卒業」プロジェクト。これまでの作品はYOUTUBEで280万回以上も視聴され、昨年は劇場公開もされました。昨年に続き、1000名以上の応募者の中から選ばれたキャストに、「Steenz」が単独インタビューを実施。インタビューの第5弾は、佐藤愛桜ねおさんをフィーチャーします。

悩むことは悪いことじゃない…それを知ることができた

今回の作品「18歳、つむぎます」で、野球選手を嘱望されながらも、夢を諦めることになった同級生に思いを寄せる、村上葵役を演じた佐藤愛桜さん。役づくりに対する情熱やメンバーとの関係、作品の持つメッセージなどについて聞いてみました。

―さっそくですが、最初に台本を読んだとき、どんな印象でしたか？

「この作品に出会う前、『悩んでいるのはあまりよくないことなのかな』って思っていたんです。でも、台本を深く読み込んでいくうちに、自分の殻を破るには、悩むことって必要なことなんだ、なくてはならないものだなって。

悩みとどう向き合っていくのか、その過程が成長させてくれるし、表現の幅を広げてくれることにもつながるんだなって気づきましたね」

ー今回演じた村上葵という役に、自分との共通点は感じましたか？

「葵は、普段は物静かだけど、吉田晴登くんが演じる大成を一途に思い続ける、芯の強い子なんです。わたし自身も、恋愛じゃなくても、『これだ！』って決めたことには、まわりが見えなくなるくらい、集中するタイプの人間なんです。

だからそういう強さみたいなのはわかるし、演じやすくもあったんですが、一方で、好きな人ができたことがなかったので、誰かのことを一途に想う……そういう感情をどう表現したらいいのか、けっこう悩みました」

ー自分にはない部分を演じ切るために、心がけたことはありますか？

「台本を読み込むのもそうですけど、メンバーに相談するようにしていました。特に、元太役の植村颯太くんと、積極的にコミュニケーションを取っていました。葵が自分の本音を話せるのが元太という存在だったので、一緒のシーンも多かったですし、まるで元太に相談しているみたいに、颯太くんにはいろいろ相談させてもらいました」

ーロケをおこなった広島県の福山市はどんな場所でしたか？

「わたしは佐賀県の出身なんですけど、初めて福山に着いた瞬間、『佐賀とめっちゃ似てる〜！』って思って、ちょっと懐かしい感じがしました。自然が豊かなところとか、住んでいる人があたたかいところとか……。エキストラの方とお話ししたときも、自分の地元の方と話しているみたいな感覚になりました」

ーお気に入りのシーンはありますか？

「わたしが出演しているシーンではないんですが、サッカー場で大成と元太が真剣に話すシーンです。わたしはそのシーンの撮影の日はオフだったんですが、葵にとっても特別な存在のふたりなので、見届けたくて、現場を見学させてもらいました。

このシーンのラストのほうに、元太が『葵にもお礼言えよ』っていうセリフがあるんですけど、そこにグッときちゃいます。幼馴染のふたりだけの会話なんですけど、この言葉で初めて、葵という役を客観視できたんです。葵を思ってくれている人がいるんだって……」

今までは自分のお芝居しか見えていなかった。ワークショップを通して身につけた客観性

ー今回、オーディションを経て、長期間にわたるワークショップがあったんですよね。ワークショップはどうでしたか？

「毎回、ワークショップが終わったあとに、プロデューサーの高石さんに、その日の自分の芝居について、聞きに行くようにしていたんです。たくさんのメンバーがいるのに、ひとりずつに向き合ってくれていて、すごい真剣に答えてくださるんですよ。

これまでのオーディションでも、監督さんや脚本家さんから『こういうふうにしてみて』って言われることはあったけど、それがどうしてなのかっていう意図まで聞けることってなかなかなくて……。ダメなところもいいところも、ちゃんと見てくださって、この作品に向ける愛情をすごく感じました」

ーメンバーについては、どんな印象でしたか？

「ワークショップのときは、みんながメインの役を演じたいって気持ちで参加していたから、それぞれがライバルっていう気持ちはあったと思います。ライバルがいるっていう環境は、以前のグループ活動にも通じていて……。

でも同じライバルでも、グループ活動のときとは全然違っていて。みんなでひとつの作品をつくっていくからこそ、役として信頼関係を築いていかないと、いい演技ができないから。だからこそ、細かいところまで相談し合っていたと思います」

ー印象に残っている学びはありますか？

「これまでは、自分のお芝居のことだけしか考えられなかったんですけど、今回のプロジェクトを通して、役と役との距離感について、すごく考えるようになって。距離感がわかれば、その人たちがどういう関係性なのかがわかるし、そのときの心情も伝わってくる。そう教えてくださって。

あとは、出演するシーンの前後が、どのようにつながっているのか、台本をより深く読み込むようになりました。自分の出演していない、サッカー場のシーンを見学したときもそうでしたが、より俯瞰的な目線で、役を捉えられるようになったなって思います」

―今度は、佐藤さん自身のことについても質問させてください。この世界に入ったきっかけは？

「小学5年生のとき、ファッションにすごく興味があって。母から『好きな服を買ってあげるから、オーディションを受けてみない？』って言われたんです。芸能界に憧れはあったけど、けっこう渋々な感じで、オーディションを受けたんです（笑）。それでご縁あって、いまの事務所に所属しました。

それから、中1から中3までグループ活動をしていたんですが、あるとき、事務所の先輩である清原果耶さんの演技を見て、卒業後は女優でやっていきたいと思うようになりました」

ーどんなところに憧れているんですか？

「『護られなかった者たちへ』という映画での、果耶さんの気迫あふれる演技に圧倒されたんです。普段はまったくそんな感じがしないのに、すごく怖い雰囲気をまとって。その演技に衝撃を受けて、果耶さんみたいに優しい役から怖い役まで、いろんな人物になりきれる俳優さんになりたいって思いました」

ー他にはどんな役に挑戦してみたいですか？

「普段のわたしは清楚に見られることが多くて、今回の葵みたいな、物静かな女の子の役をいただくことが多いんです。でも、ギャルみたいなはっちゃけた役とかもやってみたいですね」

ー最後に、この作品をどんな方に観ていただきたいですか？

「同じ悩みを持っている高校生はもちろんですが、幅広い年齢の方に観ていただきたいです！　特に、物語の集大成となるファッションショーに向かって、いろんな人とのつながりによって、タイトルの通り“つむがれていく”ストーリーに、ぜひ注目してみてください」

―ありがとうございました！

『18歳、つむぎます　私の卒業 -第4期-』

2023年3月24日（金）より、新宿バルト9ほか、全国の映画館にて限定公開！舞台挨拶チケットが発売中です！

高校卒業という節目のタイミングは、誰もが人生の岐路に立ち、そこには数々のドラマがある……。そんな18歳の思いや悩みを題材に、若者たちが前向きになれる物語を紡いでいく「私の卒業プロジェクト」の第4期作品。今回は、広島県・福山市を舞台に、同市でロケを敢行。卒業とともに新成人を迎える高校生たちが、大人になることや将来に不安を抱えながらも、前に進んでいく姿を描いている。

3月24日公開劇場