今後の活躍が期待される、若手俳優/女優を発掘・育成する「私の卒業」プロジェクト。これまでの作品はYOUTUBEで280万回以上も視聴され、昨年は劇場公開もされました。昨年に続き、1000名以上の応募者の中から選ばれたキャストに、「Steenz」が単独インタビューを実施。インタビューの第3弾は、雑誌『Seventeen』の専属モデルとしても活躍している相羽星良さんをフィーチャーします。
台本をもらった瞬間から、この役がやりたいと、一途に思い続けてきた
今回の作品「18歳、つむぎます」で、山岡花音役を演じた相羽星良さん。役柄についての印象や、このプロジェクトから学んだこと、さらにご自身の演技にかける情熱などを聞いてみました。
ー今回、相羽さんが演じた山岡花音というキャラクターは、モデルを目指す友達を応援しながら、自分自身も密かに同じ夢をもっているという、複雑な思いを抱えている18歳の女の子です。役が決まったときは、どんな思いを感じましたか?
「最初に台本をいただいたときから、花音ちゃんってすごい素敵な子だなと思って。まだ役は決まってなかったけど、ずっと他の役に浮気することなく、ずっと花音ちゃんだけをやりたいを思って、向き合っていたんです。
例えば、セリフがないシーンでも、花音ちゃんだったどう思うだろうって考えたりとか、役から離れた自分の日常生活でも、花音ちゃんだったらどうするかな、って考えたり。自分の生活と重ね合わせながら過ごして、ずっと向き合っていたので、やっぱり役が決まったときは嬉しかったです」
ー自分との共通点や、共感できるところが多かった?
「たくさんありました。もちろん、違うところもいっぱいあるけど。いちばん共感できたのは、モデルになりたいっていう夢をまわりに言えないっていうところ。
私自身もモデルをしているんですけど、それが決まったとき、まわりの友達になんか言い出せなくて。自慢しているように聞こえちゃったらどうしよう……とか、いままでの関係性が変わっちゃうのが怖いとか、そんなことを考えちゃって。うれしいんだけど素直に喜べない、みたいな複雑な気持ちもあって。
だから、花音ちゃんがまわりに自分の夢とか、それに近づけたことをちゃんと伝えられない気持ちはすごくわかったんです」
ーそうなんですね。
「あとは、自分だけじゃなくて、撮影に入る前のワークショップでは、メンバーのみんなと一緒に、それぞれの役について、話したり、演技について相談したりしていて。だから、自分だけの花音ちゃんじゃなくて、メンバーみんなでつくりあげたキャラクターなんじゃないかなって思います」
ーワークショップから撮影と、長い期間を共に過ごしたメンバーとの特別な思い出はありますか?
「ワークショップのときは、まだ役が決まっていなかったので、みんなライバルだし、いい意味での緊張感があったように感じていて。このまま撮影に入るのかなって思っていたけど、ロケをした広島県の福山市に向かう車の中で、すごく盛り上がったんです。いろんなお話したり、ゲームしたりとかして。
ワークショップ期間と撮影の期間では、みんなが別人に見えたくらい。わたしは自分からグイグイ距離を縮められるタイプじゃないんですけど、そういう雰囲気の中で、メンバーともグッと仲良くなれました」
ー舞台となった福山市で、2週間にもわたるロケをしたということで、特に印象に残っている出来事はありますか?
「本当に素敵なところで、思い出はたくさんあるんですけど……。最初に鞆の浦お土産屋さんにいったとき、すごく親切に話しかけていただいて、撮影のことを気にかけてくださったり、福山のおすすめのスポットとか、おいしい食べ物のことを教えてもらったり」
やっぱり遠くの街でロケをするときって、緊張しちゃうんですけど、そういうあったかい言葉をかけてもらったおかげでリラックスできて、それ以降も、地元の方が経営されているお店とかにいって、お話しさせてもらいました。ロケは2週間っていう短い期間だったんですけど、なんかふるさとみたいな、懐かしい気持ちを感じていました」
ー撮影中のエピソードはありますか?
「わたし、忘れ物をしたり、物を置き忘れちゃったりすることがすごい多くて。福山でも、トイレにスマホを置いてきちゃって。車の中で『スマホがない!』ってなって……あのときはすごく焦りましたね」
ー誰にでも経験があることですけど、地方だと焦りますよね、きっと。
「阪上はづきちゃんに電話かけてもらって、結局見つかったからよかったんですけど……。スマホは本当によく置き忘れちゃうので、その対策として、ロック画面を、フリー画像で見つけた、幸せそうな家族写真に『仲良し家族!』って書いた画像に設定しているんです。そうしたら、拾ってくれた方が『早く返さなきゃ』って思って、すぐに戻ってくるかなって(笑)」
お芝居をするのに気恥ずかしさも…それを変えてくれたのが「私の卒業」だった
ー今度は、相羽さん自身のことについても質問させてください。この世界に入ったきっかけは?
「事務所が開催するオーディション情報みたいなのが雑誌に載っていて、軽い気持ちで『これ受けたい!』ってお母さんに言ったんです。でもそのときはそれっきりで、その1か月後に『出かけるよ』って言われて連れて行かれたのがオーディション会場だったんです。
ものすごい数の女の子がいて、みんなおしゃれしているのに、私だけ白のTシャツにショートパンツとかで。『絶対無理じゃん』って思ったんですけど、そこで奇跡的に残していただいて……。それで、いまの事務所に入ったのがきっかけです」
ーお芝居についてはどうですか?
「活動を始めるときに、演技のレッスンを希望して受けていたんですけど、正直、ずっと苦手意識があったんです。小さいころからずっとお芝居がやりたいっていうわけじゃないので、殻が破れないところはけっこうまだ残っていて。まわりの人の意見とか考えとかすごい気にしてしまうタイプなので、『学校の子から見てどうだろう……』とか考えてしまったり……」
ー確かに、普通にそう感じてしまいますよね。
「でも、今回の『私の卒業プロジェクト』のワークショップを経て、自分の中ですごく変化があったんです。お芝居の現場って、すごくたくさんの人が関わっているし、みんなお芝居に対して、本当に真剣に向き合っている。それがわかって、『見られるのが恥ずかしい』なんていう感情を持っているのは全然違うし、こんなに熱くなれることに取り組めるのって素敵なことだなって思うようになって。それからは、演技をすることを楽しめるようになれた気がしています」
ー今後の目標はありますか?
「これといって明確なものはないんですけど……。この仕事は頑張ったら頑張った分だけ、結果が出るものじゃないと思っていて。運もあるし、絶対的な正解はないのかなって。
だからこそ、何か熱中できるものをひとつ見つけたいんです。きっとそのほうが、ひとりの人間として成長できるかなって。いま真剣に取り組んでいるお芝居もモデル活動も、人生で初めてぐらいの熱中できるものなので、同じくらい楽しいって思えるようなことが、自分の中で見つかったらいいなって思ってます」
ー最後に、今回の作品をどんな人に見てほしいですか?
「18歳がテーマの作品であるけど、同じ世代じゃなくても、例えば、子どもを持つお母さんとかお父さんとかにも見ていただけたら嬉しいです。
この作品って、何か大きな試練があって、それを乗り越えて、きれいに終わる……みたいなものじゃなくて、それぞれの人の生活の中にある、小さな気持ちの変化だったり、不安だったりが出ていると思うんです。
だからこそ、『悩んでるのは自分だけじゃないんだよ』みたいに、背中を押してくれる作品になっていて。希望を与えるっていうよりは、実際に悩んでる人のそばに連れて行ってくれる、みたいな。だから、お父さんやお母さんも、自分の子どもとうちょっと話してみようかなって思うきっかけになってくれたらいいなと思います」
―ありがとうございました!
『18歳、つむぎます 私の卒業 -第4期-』
2023年3月24日(金)より、新宿バルト9ほか、全国の映画館にて限定公開!舞台挨拶チケットが発売中です!
高校卒業という節目のタイミングは、誰もが人生の岐路に立ち、そこには数々のドラマがある……。そんな18歳の思いや悩みを題材に、若者たちが前向きになれる物語を紡いでいく「私の卒業プロジェクト」の第4期作品。今回は、広島県・福山市を舞台に、同市でロケを敢行。卒業とともに新成人を迎える高校生たちが、大人になることや将来に不安を抱えながらも、前に進んでいく姿を描いている。
3月24日公開劇場
3月31日公開劇場
■予告編
■作品情報
【タイトル】18歳、つむぎます 私の卒業 -第4期-
【出演】 伊礼姫奈 高橋璃央 吉田晴登 佐藤愛桜 植村颯太 白上理桜 相羽星良 加部亜門
舟木健 木村伊吹 山下晃季 城夢叶 SOYO(@onefive) 角心菜 阪上はづき 倉沢杏菜 もか 谷真唯子 永島彩花 堀野内智 牧海斗 涼雅 大山蒼生 大崎凛 風吹ケイ 速瀬愛 小林虎之介 他
【脚本】高石明彦
【監督】北川瞳
【音楽】片田陽依
【撮影協力】福山市 ふくやまフィルムコミッション (公社)福山観光コンベンション協会
【プロデュース】高石明彦 英田理志
【企画・制作】The icon
相羽星良プロフィール
あいばせいら
年齢:16歳(2023年3月現在)
誕生日:2006年8月19日
出身地:東京都
身長:169cm
趣味:料理、お菓子づくり、工作
所属事務所:スターダストプロモーション
『Seventeen』専属モデルとして活躍中。女優としても、ドラマ『100万回言えばよかった』(TBS系)などに出演。
Photo:Kaori Someya