「気になる10代名鑑」の348人目は、marenamiさん(19)。多摩美術大学で版画を学びつつ、個人的な創作活動として「ゼンタングル」という、簡単な模様を繰り返し描くイラスト作品を手掛けています。「絵を描くことは自分にとってセラピーのようなもの」と語るmarenamiさんに、創作を始めたきっかけや今後の展望などをうかがってみました。
marenamiを知る5つの質問
Q1. どのような作品を創られているのですか?
「大学で版画を学んでいます。それとは別に、個人として『ゼンタングル』という簡単な模様を繰り返し描くイラストを描いています。
テーマはその都度違っていて、基本的には、そのときの感情を絵にのせています。あとは、大好きな植物をモチーフにすることが多いですね。
イラストを描くことは、わたしにとってセラピーのようなものなんです。ゼンタングルを描いているときは本当に無心で。そうやって頭を空っぽにする時間があるからこそ、自分が自分でいられているのだと思っていて。言葉で感情を出すのが苦手なわたしにとって、絵で感情を伝えるという行為は大きな意味を持っているんです」
View this post on Instagram
Q2. 活動を始めたきっかけは?
「中学生のときに、曼荼羅のような花畑が出てくる夢を見たことがきっかけです。その夢の中の景色がとても綺麗で感動して、起きたときに『描かなきゃ』って思って描いたのが始まりでした。
実はもともと絵を描くのは苦手で、座って何かをするよりも、体を動かすほうが好きだったんです。なので、そのときに描いた絵はすごく下手で、自分ってこんなに絵を描くの下手なんだってビックリしたことを覚えています(笑)。
でも、続けているうちに描くことがどんどん楽しくなっていって、いろんな形を取り入れてみたり、細かくしてみたりと、試行錯誤しながら、自分のスタイルで絵を描けるようになっていきました。
絵を描きはじめた中学生のときは、人間関係のいざこざや自分への嫌悪感など、ネガティブな気持ちを吐き出すように描いていました。でもいまは、当時のようにマイナスな感情で絵を描いてはいなくて。だから、最初のころの絵といまの絵を比べると、ずいぶん雰囲気が変わったなって感じます」
View this post on Instagram
Q3.創作を続けている中で、印象的だった出会いを教えてください
「『ろぼいけ』さんという、InstagramやTwitterなどで活躍されているゼンタングルのアーティストの方との出会いです。いまの作風があるのは、ろぼいけさんのおかげなんです。
ろぼいけさんとはInstagramを通して知り合いました。バランスがとてもキレイで、模様もユニークで見ていて飽きない……そんな作品を生み出す憧れのアーティストさんなんです。
高校生のときに、光栄なことに合作させていただいて、わたしにとっては師匠であると同時に良きライバルといった存在です」
Q4. 創作をする中で、苦悩や困難はありますか?
「ゼンタングルの模様が全然浮かばないことと、模様を描くことが単純作業になってしまうこと。
模様が浮かばないことは、本当にしょっちゅうなんです。そういうときは、散歩をしたり、画集をみたり、お花を触ったりしてアイディアを膨らませて乗り越えています。
それに、模様を描くことに慣れてくると、次の工程が頭の中にパズルのピースのように浮かんできて、気づけば単純な作業みたいになって。そうやって描いた絵は、面白みに欠けてつまらないんです。
もしかしたら、いまはスランプの時期なのかも。心の支えである絵を描くことがストレスになっては本末転倒なので、どうにか乗り越えられるように奮闘中です」
Q5. これからやってみたいことや将来の夢を教えてください。
「これといったハッキリした夢はまだないのですが、いま描いているゼンタングルをもっと魅力的に描いていきたいとは思っています。
近いうちにやりたいことはいろいろあって。存在しない想像上の植物を集めた『ない植物図鑑』というものを在学中に制作したいと考えています。あとは、自分の作品と立体作品を組み合わせるような作品も作ってみたいですね」
marenamiのプロフィール
年齢:19歳
出身地:神奈川県
所属:多摩美術大学絵画学科版画専攻
趣味:ひとり旅、ごはんを食べること、岩盤浴
特技:ごはんの大食い
大切にしている言葉:I restore myself when I’m alone.
marenamiのSNS
FANTAISIE#illustration #drawing #Zentangle pic.twitter.com/j7ETdqyeMB
— marenami (@marenami0620) February 25, 2023
View this post on Instagram
Photo:Eri Miura
Text:Mai Sugawara