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コロナ禍で叶わなかった演奏会を自らの手で!音楽の楽しさをつなぐ吹奏楽団体の発起人【小森谷拳太郎・17歳】

コロナ禍で叶わなかった演奏会を自らの手で!音楽の楽しさをつなぐ吹奏楽団体の発起人【小森谷拳太郎・17歳】

「気になる10代名鑑」の337人目は、小森谷拳太郎さん(17)。中学1年生から吹奏楽の世界に飛び込み、サックスや指揮者として精力的に活動しながら、自ら大規模な演奏会を企画し、さらに吹奏楽の団体も立ち上げました。80人もの仲間を率いているという小森谷さんに、吹奏楽を通して伝えたい思いについて語ってもらいました。

小森谷拳太郎の活動を知る5つの質問

Q1. いま力を入れている活動は?

高校の吹奏楽部に所属しながら、演奏会『学生による学生のためのコンサート』を企画したり、『SANTA! Brass Company』、通称『さんぶら』を立ち上げて運営したりしています。

『学生による学生のためのコンサート』は一度限りの演奏会で、2月23日に本番を迎えます。メンバーは高校生限定で、企画から運営、すべて自分たちで行ってきました。

『さんぶら』のほうは、コンサートをするだけでなく継続的に、高校をしてからも続けていきたいと思っている団体で、これから本格的に始動します」

 

Q2. なぜ演奏会や団体を立ち上げたんですか?

コロナ禍の影響で、高校の部活が満足にできなかった、という未練が大きかったんです。コンクールや演奏会がほとんど中止になってしまって……。『このまま卒業するのは嫌だ!』と思ったし、きっと同じ思いを抱えている高校生はたくさんいるはず。だから、自分で演奏会を企画しようと思いました。

それに、高校の吹奏楽部って、進学のタイミングで、多くの人が楽器を辞めてしまうんです。それってすごくもったいないなと思っていて。卒業してからも、吹奏楽を楽しめる場をつくりたいなと思ったんです

Q3. 最初にとった行動は何でした?

「まずは仲間集めから始めました。去年の10月、同じ部活の仲間や吹奏楽をやっている友達に相談し、演奏会を目標に動き始めました。

メンバーは特に広く募集をしたわけではなく、人づてにどんどん輪が広がって。最初は30人くらいを想定していたけど、なんと79人もメンバーが集まってくれて。完全に想定外で、会場も大きいところに変更しなくちゃいけなくなったんです(笑)。

初めてメンバー全員で音合わせをしたときは、胸が熱くなりましたね。パワーが本当にすごくて。コロナで満足な活動ができなかった悔しさを感じて、みんな同じ思いなんだとわかった瞬間でした」

 

Q4. 苦労したり大変だったりしたことは?

苦労したのはやっぱりお金のことですね。メンバーは全員学生なので、リハーサルの場所から楽器を運ぶトラック、会場レンタルと、全部自分たちで賄うのは大変で……。いろいろな企業に足を運んで、協賛してもらえないかお願いして回ったり、自力でできることは試行錯誤しながらなるべく自分たちでやることにしたり。ポスターも自分たちでつくったんです。

あとは、自分もサックスや指揮者として演奏に参加するので、練習をしながらそういう事務作業をするのが本当に大変で……。会場とのやり取り、進行表づくり、メンバーへの仕事の振り分けと、やることはたくさんあります。組織を動かすってこんなに大変なんだと身に染みて感じました。いちばん大変だったのは、演奏する10曲の楽譜を80人分用意して発送する作業ですね。果てしなくて、徹夜でした(笑)」

Q5. 将来の夢は?

「吹奏楽はオーケストラに比べてまだまだ歴史が浅いので、もっと吹奏楽の可能性を探りたいです。学生にとってはオーケストラより吹奏楽のほうが身近なのに、続ける人は少なくて。だから、部活で終わるだけではなく、音楽本来の楽しさをもっと味わえる、そして見ている人に伝えられるような場所をつくっていきたいです。

演奏者としては、春からサックス専攻で音大に進学するので、本格的に技術を学びます。楽器を始めたばかりのときのワクワクを忘れず、音楽の楽しさを伝える活動を続けていきたいです」

小森谷拳太郎のプロフィール

年齢:17歳
出身地:神奈川県三浦郡葉山町
所属:横須賀市立横須賀総合高等学校、「学生による学生のためのコンサート」実行委員会代表、SANTA! Brass Company代表
大切にしている言葉:ボスになるな、リーダーになれ(イギリスの百貨店王. H・ゴードン・セルフリッジの言葉)

小森谷拳太郎のSNS

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Photo:Eri Miura
Text:Minori Abe

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Minori

ライター

2000年生まれ、神奈川県出身。明治学院大学社会学部在学中よりインターンとしてライター活動を始める。Steenzでは「気になる10代名鑑」のインタビューと記事執筆を担当。また、大学在学中にモデル活動を開始。広告や映像作品への出演、ライフスタイルの発信に力を入れている。

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